カクヨム白熱教室

ネコ エレクトゥス

第1話

 今から十年以上前、NHKでやってる『マイケル・サンデル教授のハーヴァード白熱教室』が大好きでしょっちゅう見てた。ある立場をとるAさんと正反対の立場のBさん、いったいどちらが正しいのだろうか。個人的にはAさんのほうが正しいと思うのだが、話を聞いてみるとBさんの立場も理にかなっている。じゃあ一体どうすればいいんだ?

 特に覚えているのがマイクロソフトのビル・ゲイツ氏の給料に関する話で、彼は一秒間に千円以上稼ぐそうだ。つまり道端に千円札が落ちていたとしてもそれを拾うだけ時間の無駄になる。そんなユーモアを交えながらの哲学の話で非常に楽しかった。

 コロナウィルスでテレビの再放送ばっかやっていた中で久しぶりに『ハーヴァード白熱教室』をやっていたのでつい見てしまった。


 では一体「正義」とは何なのか?

 これを書いてしまうとNHKに怒られるだろうか。でも気にせず書いちゃいましょう。

 実はある立場をとるAさん、この人は正しい。じゃあBさんは間違っているのか。そんなことはない。Bさんも正しい。ただ二人が正しいのは個別の状況に応じてというだけで、絶対的な正義ということではない。ではその絶対的な正義なるものは存在するのか?

 存在する。それは全く立場の違うAさんとBさんが隣同士に座って何にも妨げられず、時に笑いを交えながら話しをする場が存在すること、それこそが正義である、と。これが『ハーヴァード白熱教室』が僕に教えてくれたこと。何となく気になってあの番組を一回でも見てしまったことがある方や、今この僕の書いた文章を読んでくれている方がいること、それならば正義は存在する。皆さんには本当に感謝しています。

 今の時代立場の違う人の意見を否定して相手を攻撃することが当たり前の世の中になってしまいました。正義が少なくなっていく世の中だと思います。またいつか正義が戻ればいいですね。


 ちなみに僕の給料は時給にしてビル・ゲイツ氏が見向きもしなかったお札と同程度です。皆さんはどのくらいでしょうか。

 

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カクヨム白熱教室 ネコ エレクトゥス @katsumikun

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