第26話

小国神社。


御祭神。


大己貴命(おおなむちのみこと)


医療の神様が祀られている。


神聖な氣で満ちる清らかな聖地。


池の向こう側には。


御祭神。


国狭槌命(くにさづちのみこと)


厄除けの力が強く。


あらゆる災いを跳ね除ける。


霊験が著しい神様。


鯉が泳いでいる。


ささやき。

「人間っていつまであんなことやってるの?」


辛子の種。

「暮らす事が大事であって。」

「そのまま一生を終えてもいいんだって。」


草木。

「そうなると生の展開にパターンが絞られますな。」


蛍。

「みんなそれは当然です。」

「なんて結果に突進していませんか?」


ささやき。

「なんてこと。」

「もっと人間の事を憐れむべきである。」


蛍。

「そちらへ行くわ駄目なんだ。」

「幸福の方向と。」

「異なる地図を夢見ては。」

「無理に通って散々だ。」

「なんとか通って荒野にて。」

「渇水飢え死にしてしまう。」

「人こそ方角間違えた。」

「憐れな生き物ご観察。」

「なんとか助けてやりたいが。」

「我を張り倒してさようなら。」


葵ちゃん。

「人に対してもっと憐れむべきである。」


珂珠。

「なんだろうねこの歌。」


雫ちゃん。

「超常現象でしょうか?」


紬ちゃん。

「科学って非物質な現象の解明に挑んだら。」

「いろんな発見があると思います。」


乙葉。

「宗教を科学的に解明して立証する。」

「科学者ならできるよ。」

「人類がまた進化するじゃん?」


珂珠。

「否定するのではなく。」

「これは科学にとってはチャンスよ。」


葵ちゃん。

「科学は大切なチャンスを潰しているんです。」


志穂。

「エベン・アレグザンダー医師は臨死体験をした患者を診て。」

「死後の世界を信じざるを得なくなった。」

「臨死体験をした患者が超常現象なビジョンを見て蘇生していると。」

「患者が周辺の様子まで的確に言ってみせるなど。」

「ダメージを受けた脳は機能停止を確認しており。」

「蘇生前の患者に見えたビジョンが夢であるはずがないと訴えた。」

「エベン医師の心にはずっと大切にしている言葉がある。」

「ニコラ・テスラが臨死体験を含む未知の現象に対して残した言葉を引用した。」

「科学が非物質的な現象の解明に挑んだならば。」

「10年間で今までの人類の歴史全てを遥かに凌駕する進歩を遂げるだろう。」

「ニコラ・テスラ。」


珂珠。

「科学は異次元に進化しないかい?」


志穂。

「科学も次世代型に進化です。」


葵ちゃん。

「ものすごい事言ってるよ。」

「科学もそこまで取り込んでしまうと。」

「エスパーが当たり前になりそう。」


ささやき。

「人間は決まったパターンのうちどれかになる。」


蛍。

「内容は違うけれど。」

「結果はみな同じ?」


辛子の種。

「それはなんと可哀そうなこと。」

「人間を見たら労ってあげなければ。」


ささやき。

「ああ悲しい人の生。」

「自分がパターンの中のひとつだなんて知らずに。」


草木。

「生まれて暮らして終わる。」

「なんだか儚いわ。」


狛犬。

「そんな生に華を添えてやると言うのだ。」


ささやき。

「そのくらいして貰わないと。」

「生まれて卒業して就職して結婚して老いて死んでいく。」

「こんな可哀そうな生き物は見たことない。」


狛犬。

「せめて願望だけでも受理できると。」

「我々は導いてくるのだ。」


蛍。

「そうしないと存在に意味がない。」


ささやき。

「彼らは訓戒を読んだことがあるのかしら?」


辛子の種。

「結果が同じであるから。」

「内容の違いが大事になるでしょう。」


狛犬。

「よしてやれ。」

「そこまで可哀想な者達だ。」

「もう少し丁寧に扱ったらどうだ?」


ささやき。

「ではそよ風でも吹かしてあげましょうかね。」


蛍。

「さあて発光しなくては。」


辛子の種。

「私を摘んで食べないように。」

「人間たちに伝えておくれ。」


草木。

「それは容易い御用だね。」


ささやき。

「人は手本がありません。」

「どうすりぁいいのか分からんぞ。」

「なんとか地図を頂いて。」

「現在地も分からずも。」

「あんたは居るが沼地だよ。」

「人はとにかく花畑と。」

「言い張るのは悲劇だな。」

「あんたの場所は沼地にて。」

「早く逃れて街道へ。」

「沼にはまってさあ大変。」

「それでも花畑と見えますか。」

「これは随分皮肉だね。」


葵ちゃん。

「なにこの歌?」


志穂。

「さあ?」


乙葉。

「それにしても真実を言うのは辞めなさい。」


珂珠。

「今日はおもしろいテレビがあるとか。」


雫ちゃん。

「現代総集編。」

「特番でしょ?」


紬ちゃん。

「スポーツでスペシャルマッチ。」

「特に頭脳戦が良さそう。」


葵ちゃん。

「1時からだって。」

「今は11時。」


乙葉。

「南に行くとそれなりの飲食店がある。」


珂珠。

「間に合うようにしてあげる。」


参拝。


帰宅すると。


クレスケンスルーナ。

「すごい高度なクイズやるんだなあ。」


葵ちゃん。

「これはナゾナゾ。」

「高度なクイズ。」


リーリエ。

「ナゾナゾ?こんなの解けませんよ。」


東大生対IQ190の戦いです。


大学生。

「東大の力を見せてやる!」


インテリ。

「IQの前に跪け。」


ナゾナゾ対決。


通常のクイズなら難なくこなす両者も。


ナゾナゾを連発されると接戦です。


クレスケンスルーナ。

「オルフェンとフィローとモナのトリオ。」

「王国の警備部隊に採用されるって。」


葵ちゃん。

「腕前が買われたんですね。」


リーリエ。

「もう一度だけなら会えますよ?」


葵ちゃん。

「別にいいです。」

「プロマイド持ってますし。」


クレスケンスルーナ。

「することがあって。」

「大学卒業するまでよろしくね。」


葵ちゃん。

「こちらこそ。」


おもしろ動画をここぞとばかりに投入して。


視聴率を持って行かれないようにする他番組。


最近は姫ちゃんと一緒に寝たり。


女の子好きだから良かったです。


深夜。


???

「我に必衰の理ハ!?」

「かくも強く拒むカ・・・。」

「衰えていく存在の中に。」

「世を好きにできたらと夢想家になった者。」

「我も衰えて必衰の理に導かれ。」

「終焉を迎えよう。」

「一時は人の世を支配できたが我が身だが。」

「人に対しては。」

「世界に対しては無駄なあがき。」

「我は生け贄と言うのか。」

「都合良く利用された結末を迎えるのか。」

「ああ!我は消えていく。」


道化師。

「あんたバカだね。」

「真面目に人間なんて構ったら。」

「どんな労力を支払わされるか分かったもんじゃない。」


魔女。

「適当に構っておけばいいんだよ。」

「操作しようだなんて人間の馬鹿さ加減が増大するだけさ。」


道化師。

「むやみに人の世をコントロールすれば。」

「人間たちの馬鹿面が増えるばかりでさ。」

「ちょっとあんたは間抜けだね。」

「人間が馬鹿やるのを手助けなんてするから。」


魔女。

「口で言って分かってたらあんなことしてないさ。」

「目の前に穴ぼこあっても無視をして落っこちる。」

「人の言う事を無視すればそうなる。」


道化師。

「進んでいく道に熊が野良寝していたり。」

「橋が落ちているってのに。」

「溺れて襲撃されてはじめて気付くんだから。」


魔女。

「今夜は阿呆がひとり追加ってことさ。」

「Good!night!」


ミステリアスな雰囲気の最近。


御朱印が増えていきますが。


選択の自由を行使できるかな。


日常の中に。


理想を求めます。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る