第7話

お屋敷。


珂珠。

「充分に戦えたようね。」


葵ちゃん。

「はい。」

「自分でも不思議なくらい。」


志穂。

「大人とやりあって3人仕留めた?」

「やるじゃない。」


葵ちゃん。

「鍛錬の成果かな。」


珂珠。

「短期間で仕上がるとは思いませんでした。」


葵ちゃん。

「雑兵が相手でしたから。」


珂珠。

「充分ですよ。」

「でも大人の魔法使いには注意して。」

「生半可な相手ではありません。」


葵ちゃん。

「ですから。」

「これからもっと鍛えてみます。」


珂珠。

「とても前向きでよろしい。」


志穂。

「中々知恵がありそうね・・・。」


お屋敷でいろいろ習い事。


けっこう通い詰めています。


葵ちゃん。

「知恵が私の大黒柱。」

「何か歌がありそうな空気。」


知恵。

「武器より強い物が欲しければ。」

「私を訪ねなさい。」

「使い方も知恵が居る。」

「一度使いこなせば誰でも。」

「相手になりはしない。」

「私をさっさと尋ねて。」

「まともになることです。」

「しかし私はあなたを滅ぼそうと。」

「爆弾を扱う者のように。」

「あなたを巻き込み。」

「それでも強い。」


葵ちゃん。

「書き物をしてみよう。」

「いまは自由時間。」


ちょっとした物語で短編。


2000文字。


珂珠。

「ポイエーシス。」

「創作に関する魂の状態。」

「この魂の状態になると不思議なことに。」

「創作が出来る。」

「そもそも。」

「伝説から物語を創作するのが正道。」

「伝説や民話などを起源としている。」

「むかしのひとは言い伝えを知っていた。」

「そこを基にして話が発展していき。」

「物語として創作するようになった。」

「最終的な起源はむかしのひとの言い伝えや伝説。」

「ロボットはチェコの伝説ゴーレムから続いて現在の形になったとされる。」


志穂。

「けっこう学問をやっているのね。」

「人は学問によって決まるから。」

「ちなみに勉強なんて基本しか身につかないわよ。」


葵ちゃん。

「自分でエピステーメー(知の仕組み)を高度化させたから?」


珂珠。

「単純なエピステーメーは確かに危険です。」

「理由を引っかけ。」

「理由を掌握して操作する。」

「常套手段。」

「高度なエピステーメー。」

「臨機応変。」

「機転が大事。」

「理由を持たない。」

「すべてにおいて自由。」

「個々によって多少異なる。」


志穂。

「普通の方法で鍛えてないってことか。」

「それは私も同じよ。」


葵ちゃん。

「いいライバルです。」


志穂。

「切磋琢磨ってこと。」


数日後。


学校にて。


紬ちゃん。

「慣れてきた?」


葵ちゃん。

「習うより慣れよ。」

「みたいな。」


雫ちゃん。

「凡愚どもめー。」

「なんて叫んでみては?」


葵ちゃん。

「それでは狂人だよ。」


紬ちゃん。

「狂人ってむかしは尊敬の的だったり。」

「魅了する要素があったとか。」


葵ちゃん。

「歴史を継承するってそういう意味かあ。」


雫ちゃん。

「意外と歴史は奥が深い。」

「多彩な構造で種類も豊富。」

「学んでいけば分かりますとも。」

「でも数か月やそこらでは把握できませんぞ。」

「専門家の世界へ飛び込まなくては。」


葵ちゃん。

「さすがに歴史通だけある・・・。」


紬ちゃん。

「ローマは一日にして成らず。」

「積み重ねて。」

「ひとつの到達点や完成系になりますよ。」


葵ちゃん。

「中々博識で。」

「ちょっと気合いが入りました。」


紬ちゃん。

「勇気がありますね。」

「女性は勇気も必要ですから。」


帰宅。


リーリエが家事を片付けていました。


両親も笑顔。


葵ちゃん。

「身分があるのに。」

「得意なのは意外です。」


リーリエ。

「身分が高いからこそ。」

「下の者に負けてはいけないのです。」


クレスケンスルーナ。

「ザコだから下の身分じゃないの。」

「なんて言ってやるのも王道。」


葵ちゃん。

「うわすごい発言。」


リーリエ。

「それに貧困の事も知りたいですし。」


クレスケンスルーナ。

「いろんな世界を知っておく。」

「まずはそれからってことで。」


葵ちゃん。

「さすがお姫様だなあ。」


貧困。

「あなた貧しい意味をお解りでないですと。」

「心も体も精神も。」

「物もお金も貧しければ。」

「この世の価値あるものたちを。」

「見分けることなどできません。」

「本当に価値あるもの。」

「わからないでしょう。」

「お金も価値がありますよ。」

「権力も価値があるものです。」

「さてさて貧困の。」

「貧しい意味は知りました?」


リーリエ。

「賞状届いていますよ。」

「同年齢の新人賞。」

「今後の活躍が楽しみだそうです。」


葵ちゃん。

「え?私に?」


クレスケンスルーナ。

「見込みがあるそうよー。」

「自惚れないでねー。」


葵ちゃん。

「あらゆる戒めを読んでおきます。」


部屋に戻ってちょっと嬉しい。


華族は物分かりが良いひとたちばかりで。


ちょっとしあわせ。


歓喜。

「さあ歌って踊れ!」

「祝いの場では戯れて。」

「喜びの時に狂え。」

「汝それに値する。」

「人というもの。」

「理に合わない連中には。」

「これを手の届かないようにする。」

「ヤツらには買えない真理と悟り。」

「あやつらには私が似合わず。」

「だがしかし。」

「我が顔を出したら歌って踊れ。」

「我は人を選ぶが。」

「誰でも買える。」


これからも頑張ります。


わたしの出だし。


そこそこ。


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