第4話
珈琲を嗜む午前中の日光浴。
リーリエがやってくる。
リーリエ。
「本格的に魔法を学んでみませんか?」
「近くに知り合いの魔法使いがいるのです。」
葵ちゃん。
「ご厚意に感謝。」
「紹介してくださいな。」
クレスケンスルーナ。
「けっこう通だから。」
「目と鼻の先にいたりするよ。」
リーリエに連れられて。
葵ちゃん。
近くに在中している。
珂珠(かじゅ)という先生の所に行きました。
お屋敷。
着物スカートでお出迎えする女性。
若いひとです。
リーリエ。
「新人さんを連れてきました。」
「中々有望な娘ですよ。」
珂珠。
「あらまあかわいい。」
「わたしの好み。」
葵ちゃん。
「なんてかわいい女性。」
リーリエ。
「お姫様の推薦です。」
珂珠。
「どれどれ。」
「私は育成が趣味で。」
「今回も楽しみを連れてきてくれました。」
葵ちゃん。
「はじめまして。」
珂珠。
「こちらこそ。」
「私は物好きで。」
「向こうから楽しみが来てくれるとは。」
「ああなんたる僥倖。」
志穂(しほ)
「おや?」
「侮れない雰囲気の娘が来たわねぇ。」
葵ちゃん。
「アイドルみたいな女の子がいる。」
珂珠。
「わたしの弟子ですよ。」
志穂。
「アイドル?」
「中々言ってくれるじゃない。」
「あんたこそ手練でしょ?」
「見た感じ強そうだし。」
葵ちゃん。
「そうかな。」
「あんまり自分の実力を知らないけれど。」
珂珠。
「謙虚でいいわあ。」
「早速見てあげます。」
屋敷で。
魔力について鑑定。
ちょっとした魔法。
変身。
ミラーの魔法を出して。
小さな鏡板を撒き散らしてみたり。
分身を出してみたり。
志穂。
「分身の攻撃力は無さそうね。」
葵ちゃん。
「はったりなんですよ。」
志穂。
「まだ手札がありそう。」
珂珠。
「素質を自分で伸ばす。」
「たまに見るわよ。」
「こういう優れた女の子は。」
「成長の余地が大いにあると見ました。」
「私の元で頑張ってみる?」
葵ちゃん。
「ではせっかくなのでお願いします。」
リーリエ。
「頑張ってねー。」
「あなたなら一級になれるわ。」
志穂。
「練習試合を申し込むわ。」
葵ちゃん。
「やらせて頂きます。」
珂珠。
「もう少しこの娘を見たい。」
「近くの小山に行きましょう。」
練習場。
吸引の魔石を装着。
一定までの魔法攻撃を吸収してくれます。
吸引すると発光するもので。
一定量まで吸収しますと。
ちょっとした電気が連続して発生する。
むかしから使われる競技用のアイテム。
もちろん選手同士。
安全装置として常用する。
指輪などを装備して。
魔力を制限していないと意味がありません。
そこまで強い吸収力は無いからです。
葵ちゃん対志穂。
珂珠。
「ルールはフリーよ。」
葵ちゃん。
「準備よし。」
志穂。
「合図なんて無いわよ?」
「知ってた?」
志穂ちゃん。
一方的に仕掛ける。
実戦は「よーいどん!」では始まらないからです。
お互いに構えて戦えば。
どちらも用意があるので。
準備万端な者同士の戦いは馴れ合い。
道場剣術は弱いのです。
実戦は一方的に仕掛けますので。
実力が問われます。
志穂ちゃんの先制攻撃。
志穂。
「小手調べ。」
葵ちゃん。
「読んでたよ。」
ホーミングボールを放ってきましたが。
リフレクターで防御。
志穂ちゃんは硬直した隙に間合いを詰めてきて。
葵ちゃんに衝撃波を食らわせようとする。
葵ちゃん。
側転。
透明な薄い光の球を形成。
不思議な青白い何かをばら撒いて。
辺りを薙ぎ払いました。
志穂。
「ちょ。」
「これ未知の物質。」
「食らうとステートがあるみたい。」
葵ちゃん。
「スピキュール!」
志穂。
「おっと。」
志穂ちゃん避けつつ少しずつ接近。
葵ちゃん近距離で。
光線を連射。
周囲が青白く発光。
霧のよう。
志穂。
「これ恒星の発行体を放つ魔法なんじゃ・・・。」
葵ちゃん。
「当たらない!」
志穂。
「ダメ。」
「あの娘の方が動きが速いし。」
「なんだか知らないけれど読まれている。」
珂珠。
「そこまで。」
「意外なほど実力があるわねぇ。」
「これは逸材を見つけたぞ。」
屋敷に戻る。
志穂。
「中々やるじゃない。」
葵ちゃん。
「しほちゃんもきちんとした技術を持ってる。」
志穂。
「そりぁそうよ。」
「きちんとした人に教わったから。」
珂珠。
「早熟だわなー。」
「魔法使いは超常現象を操る。」
「伝説の再現。」
「歴史を継承しなさい。」
「ギリシャ神話と出エジプト記で魔法が登場する。」
「現代に蘇った伝説こそ私達なのですから。」
葵ちゃん。
「そこら辺はしっかり習おうと思います。」
志穂。
「なんで勝てなかったんだろう。」
珂珠。
「柔よく剛を制す。」
「戦闘スタイルが柔だから。」
「勝てないのも無理はない。」
教えを受けて。
短時間でレベルアップ出来ました。
これから通い詰めるとします。
学校にて。
紬ちゃん。
「ホームステイのお姫様に先生まで得たんですか?」
雫ちゃん。
「あおいちゃんにはお似合いだと思う。」
葵ちゃん。
「そうかな。」
「照れる。」
紬ちゃん。
「神代は不思議な事が多かったと故事にあります。」
「現代においてそんなことがあっても不思議ではないですよね。」
雫ちゃん。
「むしろそういうのが現実にあるのだと。」
「忘れてしまった。」
葵ちゃん。
「むかしのひとでさえ。」
「民話など言い伝えを知っていました。」
「無から書物を描いた訳ではありません。」
紬ちゃん。
「そのとおり。」
「古代のひともいろいろ知っていて。」
「それを基にしていろいろ書いてました。」
雫ちゃん。
「なぜか言い伝えや伝説をたくさん知っていたのです。」
「むかしのひとの真実だったりね。」
葵ちゃん。
「なおさら不思議です。」
「古代の人々も伝承をたくさん知っていたのですから。」
雫ちゃん。
「所でお姫様を紹介してよ。」
「かわいいんでしょ?」
葵ちゃん。
「おやまあ。」
「女の子好きですか。」
「いいですとも。」
「でも私は一緒に寝たからね。」
雫ちゃん。
「おお。」
「先を越されてしまったか。」
「浮気するように仕向けてみよう。」
紬ちゃん。
「あはははは。」
「真正面から告白してはどうです?」
雫ちゃん。
「二択しかないような勝負はしませんなあ。」
葵ちゃん。
「また家に来てね。」
「その時に紹介できるよ。」
姫ちゃんのご厚意で。
先生をつけてもらえた最近。
私も人として独立できるのかな。
とても恵まれた運勢ですが。
けっこう道のりは東海道のようで。
たまたま街で豪遊しているのだと。
最近は思っています。
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