第3話

ホームステイの女の子が来ると前から言われていましたが。


とうとう迎えに行きました。


旅客機で来日した。


豪華な衣装の女の子。


日本好きなクレスケンスルーナ。


とあるお国のお姫様。


ホームステイは名乗り出たので。


武士の末裔であると知り。


いろんな体験がしたいと。


敢えて中級家庭に来てくれた女の子。


葵ちゃん。

「はじめまして。」


クレスケンスルーナ。

「はじめましてー。」

「あなたのことよく知りたいな。」


葵ちゃん。

「そんな・・・。」

「いきなり告白だなんて。」


クレスケンスルーナ。

「そう取ってもいいけれど?」

「私彼女出来た。」


リーリエ。

「いや強引に持っていきましたね。」

「でもこれからひとつ屋根の下の。」

「夫婦生活ですよ?」


葵ちゃん。

「今夜は寝かさないぞー。」


クレスケンスルーナ。

「よっし!」

「私もいろいろ考えた。」

「いいことしよう。」

「アロマキャンドルがある。」


葵ちゃん。

「ああ!」

「こんな年で嫁入りだなんて!」

「世の中の不条理を感じるわ。」


クレスケンスルーナ。

「安心したまえ。」

「あおいさんを悪いようにはしません。」

「生涯守り抜いて見せますから!」


リーリエ。

「台詞が棒読みですよ。」


葵ちゃん。

「そんな。」

「傍にいたら自信ないよ。」


クレスケンスルーナ。

「その時は好きにして。」


リーリエ。

「段々と狂気になってきましたね。」

「はじめまして。」

「挨拶は程々に。」

「あなたの家に連れて行ってくださいな。」


クレスケンスルーナ。

「よろしく!」


快活なお姫様。


中流家庭に到着。


歓迎会。


葵ちゃん。

「物好き?」


クレスケンスルーナ。

「いいえ。」

「普通の暮らしとか興味ある。」

「王座に座っているだけでは見えてこないものもあるとか。」


葵ちゃん。

「なんかすごいね。」


クレスケンスルーナ。

「王道を学んでいる途中だから。」

「まずは民を知るのです。」


葵ちゃん。

「おおさすがお姫様。」

「お姫様も魔法少女?」


クレスケンスルーナ。

「クレンズでいいよ。」


葵ちゃん。

「日本語上手。」

「姫ちゃんって呼ぶね。」


クレスケンスルーナ。

「オーケーあおいちゃん。」


リーリエ。

「相性が良くて安心しました。」


クレスケンスルーナ。

「私はこの考察で成り立っている。」

「人とは一体なあに?」


葵ちゃん。

「なんだろうね。」


クレスケンスルーナ。

「人という存在はなんだ?」


葵ちゃん。

「スコラ哲学?」


クレスケンスルーナ。

「聖アウグスティヌス。」

「聖アクィナス。」

「ふむふむ。」

「そう言われるとその通りでございますなあ。」

「でも。」

「謎多き存在だよね。」


葵ちゃん。

「なんか変わっているなあ。」


クレスケンスルーナ。

「個体差が無いという意味?」


葵ちゃん。

「個性が強いっていう意味。」


クレスケンスルーナ。

「そっかー。」

「それが私の得意な所。」

「明日いろいろ見せてね。」


葵ちゃん。

「最後には夕焼けをバックに。」

「キスとか?」


クレスケンスルーナ。

「あははは。」

「テレビの見過ぎ。」

「テレビとか緒戦は商業。」

「広告とかも綺麗事を言える。」

「決して倫理は言わないからね。」


葵ちゃん。

「そう判断しましたかあ。」

「本当に難しいご時世です。」

「何が正しいのか分からなくなりました。」


クレスケンスルーナ。

「そんな時は感情論だけに注意ですよー。」

「道理にかなったものだけを信じるんですなー。」


このあと。


魔法少女のノウハウを教えてもらいました。


クレスケンスルーナ。


実は戦いに身を投じる傭兵です。


付き添いのリーリエと。


ディーミディウムと呼ばれる。


人類に災いをもたらすと予言され。


災害のひとつとして選ばれた魔法使いの一派が発生。


狂信者の集団で。


とうとう姿を現し。


西洋で猛威を振るい。


クレスケンスルーナはギリシャにて。


そのひとりを討ち取るお手柄で。


政府の指令でそれを追う。


男性魔法使いのオルフェンと連携していたりも。


クレスケンスルーナ。

「パルテノン神殿に巡礼しつつ。」

「討ち取れた。」

「まあ実力って奴かな。」


葵ちゃん。

「どんな鍛錬をしたんですか?」


クレスケンスルーナ。

「親に言われて戦いの技能。」

「まあ10年もこなしていればエキスパート。」

「玄人になれるもんだから。」


リーリエ。

「小さな頃から鍛えてたんですよ。」


葵ちゃん。

「私も同じですなあ。」

「もう7年になりますから。」


クレスケンスルーナ。

「そっかー。」

「同類かあ。」

「なおさら興味が湧いた。」

「一緒に寝よう。」


葵ちゃん。

「もう床入りだって。」


リーリエ。

「その手の諧謔が過ぎますよ。」

「せっかくの女の花園ですから。」


クレスケンスルーナ。

「そーゆーこと。」


葵ちゃん。

「あっ!いい匂い。」


次の日から。


周辺地域の名所や日本文化。


けっこう見て回りました。


なぜか都会が嫌いらしいです。


それよりも日本の自然豊かな田園地帯が良いと。


自然公園。


クレスケンスルーナ。

「なんでみんな都会に集まるのかなー。」


葵ちゃん。

「なんとなくだよ。」


リーリエ。

「特に考えもなしに?ですか?」


葵ちゃん。

「そのとおり。」


クレスケンスルーナ。

「あたまがかわいそう。」

「何か理由があればいいのに。」


葵ちゃん。

「みんななんとなく成立したものに従順ですから。」

「日本人の裏側が見えますよー。」


クレスケンスルーナ。

「おやおや日本人の闇とな?」


リーリエ。

「それは興味深いです。」


葵ちゃん。

「後進国の羨望。」

「現代・日本の裏側はとっても邪悪で。」

「汚い所も変な所も。」

「後で資料があったり。」


クレスケンスルーナ。

「それはたまらない。」


リーリエ。

「帰宅が楽しみです。」


帰宅して。


大喜びしてその資料を見ている。


お姫様。


日本のダークサイドを知ってしまったので。


なんとも言えない顔で。


次には笑顔になっていました。


けっこうおもしろかったようです。


とある日。


クレスケンスルーナ。

「基本を習ったことある。」

「この無人地帯でやろう。」


リーリエ。

「わたくしがお相手します。」


葵ちゃん。

「よろしく。」


自分が習った基本を教えてくれました。


外国人の女の子がやってきて。


華やかになった。


私の青春かな?

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