第2話
「華族」に報告して。
一員となりました。
魔力が自然に納まって。
自由自在に扱えますし。
必要なアイテムをくれました。
魔石だそうです。
魔力発動の上限を設ける道具で。
暴発を防ぐ希少品。
指輪型とペンダント型。
髪飾りなどいろんな種類がありますが。
宝石の髪飾りのバージョンを発見して。
それにしました。
紬ちゃん。
「すごーい。」
「これでアイドルみたいな~?」
雫ちゃん。
「写真撮らせて。」
葵ちゃん。
「あんまり人には見せたくないー。」
紬ちゃん。
「不思議な女の子だあ。」
葵ちゃん。
「何に使うかなあ。」
「説明書だと。」
「天職の近道になるとか。」
「個性が明らかに出るから。」
「職業に活かせるみたい。」
雫ちゃん。
「これは出世コースですかねー。」
葵ちゃん。
「よく考えたら。」
「この道のプロとか居るらしいです。」
雫ちゃん。
「競争とか凄いの?」
葵ちゃん。
「貴重な存在だから別にそんなことはないみたい。」
紬ちゃん。
「めっちゃ強そう。」
雫ちゃん。
「ふたりで力試しと行きますか?」
葵ちゃん。
「おもしろい道楽。」
「かかってきて。」
簡単にふたりを転倒させました。
凄いパワーです。
雫ちゃん。
「ごめんフィジカルめっちゃ違う。」
紬ちゃん。
「勉強ばかりやってて。」
「武道を忘れてましたー。」
葵ちゃん。
「そんな。」
「弱いというのはあざけりの的?」
雫ちゃん。
「弱い奴は生存競争になったら負けますよー。」
紬ちゃん。
「ルサンチマン。」
雫ちゃん。
「ルサンチマンの苦労話。」
「めっちゃうざかったー。」
紬ちゃん。
「なんでも美化するからね。」
葵ちゃん。
「必要なんですよ。」
「私は力を肯定します。」
教員が入ってきました。
今日の学校授業。
自由科目で。
それぞれ成果をあげなきゃ駄目だそうです。
私はミツバチを捕獲しましたよ。
ミツバチ。
「ぶんぶんぶん。」
「働くボクたち。」
「ルンルンルン。」
「何の為か何の意味があるか。」
「そちらの質問意味わからん。」
「働きたいから働いて。」
「誰にも文句は言わせない。」
「この花からは花粉という。」
「対価交換?何だそれぁ。」
「あんたロボット?」
「ボクらは自然とひとつ。」
葵ちゃん。
「デンジャラスハンター。」
紬ちゃん。
「私は論語を研究したの。」
「実生活で役に立つから。」
「それと兵法も。」
「論文出せるよ。」
雫ちゃん。
「各国の文化について。」
「原稿があるのです。」
「それをそのまま提出だ。」
ナイス!
教員の言葉です。
下校して。
魔法少女は一度はするという。
夜の散策。
7時から市街地にて。
やっぱり痴漢が徘徊していて。
いつ襲ってくるか分かりません。
最近の男性って愚か者なのでしょうか。
愚者。
「私は決して改めはしません。」
「それは私が愚者だからです。」
「何度もバカをやっては。」
「結果になっても分かりません。」
「すっかり愚者の道ですか。」
「賢いとも凄いなど。」
「叩き売りしますとも。」
「こうして自分がバカだと分からないうちに。」
「いないほうがマシだと言われるのです。」
悪人。
「心の中に悪が入り。」
「私は悪に服従し。」
「ひたすらしもべになって働きます。」
「私が選んで負けたのです。」
「悪には死がお似合いです。」
「私は罪に至るでしょう。
「このあと悪の心に任せ。」
「善悪を見失い。」
「次に目を開ければ。」
「あらゆる罪責の鎖で繋がれているはずです。」
「お許し下さい。」
「まもなく私は悪によって気を失います。」
罪責。
「我はすべての罪を鎖に繋げよう。」
「知らずに犯したが。」
「それでも容赦はしないのだ。」
「お前のことだ。」
「言い訳くらいは好きにしろ。」
「我がそなたの支配者だ。」
「人の力が及ばぬと。」
「そのうち解る時も来る。」
「我は実行役。」
「赦しは専門ではないのだ。」
「我が善悪を教えてやる。」
「そのうち避ける事もできるだろう。」
葵ちゃん。
「この暗い雰囲気が歌のようです。」
背後に誰かいるので。
先制発見。
葵ちゃん。
「こんばんわ。」
愚者。
「ちょっといいかな?」
葵ちゃん。
「何がですか?」
愚者。
「まあいいじゃないか。」
葵ちゃん。
「ちょっと相手になってもらいます。」
愚者。
「ああああぁぁぁぁ!?」
変身した女の子に驚いて逃げ出す。
その1テンポ前に。
豪華な装飾が備え付けられた長い棒で。
殴って倒した。
そのまま立ち去りました。
葵ちゃん。
「うーん。」
「戦いというもの。」
「上手に動いたりは中々できない。」
「実戦の空気に押されて。」
「思考停止に体も動かず。」
「それでもなんとか倒してみた。」
「実戦経験。」
「戦いを知らずに。」
「戦いを忘れたら。」
「人は生きてはいけません。」
「なんにでも戦わないといけないものです。」
この夜は警察官が大忙しで。
治安が悪化していた時期だったそうです。
とりあいず正当防衛とは言え。
相手を殴り倒したので。
遣り過ぎだと言われる前に。
密かに帰宅。
9時ジャストです。
両親は私の事に気付いています。
とある休日。
天竜川で水遊び。
も兼ねて。
魔法少女のトレーニングです。
日頃の鍛錬の無い者は勝ちを放棄しているものですから。
周辺を少し荒野っぽくしてしまいました。
魔力は消耗が大きく。
考えて使わないと尽きてしまい。
気絶または死亡。
回復するまでゆっくりすることに。
紬ちゃん。
「いま日本各地で内戦だって。」
「世界規模。」
「魔法使い同士で戦争。」
葵ちゃん。
「魔法使いの少女時代が魔法少女。」
「けっこういっぱいいらして。」
雫ちゃん。
「異端者がいっぱいになったから。」
紬ちゃん。
「異端側って勝ち目あるんだって。」
「斎藤道三のように。」
「姦計に長けているから。」
「不審死とか謎の失脚。」
「意味不明な人物の台頭とか奇妙な事だらけ。」
葵ちゃん。
「私は動員を受けていないから。」
「でもそんな情勢なのかあ。」
紬ちゃん。
「なにがあるかわからないから。」
「警戒は大事。」
雫ちゃん。
「がんばってー。」
葵ちゃん。
「なんとかやってみるよ。」
わたしのはじまりの物語。
月並みだったわたしを変えた魔法少女というきっかけ。
水を得た魚。
僥倖。
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