ShootingStar

フロネシス

第1話

浜松八幡宮。


今川家の信仰を集めた八幡神を祀る。


浜松を代表する神社と言ってもよく。


浜松・諏訪神社・五社神社と並んで有名ですね。


中学生の女の子「葵」ちゃん。


敬神から参拝しようと思って。


自転車で久しぶりに来ましたよ。


葵(あおい)ちゃん。

「日本は神話の時代から続いている。」

「不思議だよね。」

「神道も神話の時代から続いている。」


紬(つむぎ)ちゃん。

「不思議な国なのよ。」

「神話の国。」

「それは日本。」


雫(しずく)ちゃん。

「そうなると人々の世界の解釈の方が。」

「理に合わないと出ますね。」


葵ちゃん。

「日本の民主主義は仁徳天皇の聖帝の世から来ている筈。」

「自由というのが欲しかったみたいで。」

「民はとうとう手に入れた。」

「自由を行使して堕落することも。」

「更なる次元に成長することもできるから。」


紬ちゃん。

「自由意思を使って人は堕落することができるから。」

「行き過ぎた自由はかえって危険かと。」


雫ちゃん。

「彼らの考えの根拠はありません。」

「偶然決まった世界の見解がまかり通っているだけでしょ。」


葵ちゃん。

「元をたどると。」

「一体あのひとたちは。」

「何を根拠に言っているのかな。」

「知能で劣っているようにしか見えない。」


雫ちゃん。

「わたしは大人の言う事なんて信用しないです。」


紬ちゃん。

「わたしも。」

「みんな自分は真実だと言うよね。」

「何が正しいか分からないご時世。」

「正解を求めてしまうのは禁忌。」

「様々な事物には答えがない。」

「ここまで高度化するとそうなるよ。」


葵ちゃん。

「我思うに我あり。」

「すべてを疑ってみたら。」

「理法だけが残りました。」


紬ちゃん。

「理法には従わないと駄目だよ。」


雫ちゃん。

「愚かな人間のことですし。」

「基本すらなってはいないみたい。」


葵ちゃん。

「うわあ失望する。」


紬ちゃん。

「ハトさんだ。」


葵ちゃん。

「ハトさんのほうが健全かも。」


雫ちゃん。

「それ言ったらおしまいだよ。」


ハト。

「気軽に観て行っておくれなさい。」

「中々かわいいもんでしょう。」

「むかしは八幡様に出て。」

「不思議なお知らせ魅せた者。」

「近年仲間が増えて。」

「気軽に観てはくれないか。」

「飼うよりは。」

「パンでも持って遊んでね。」

「私を養う必要はありぁしません。」

「その代わりにパンでも一切れひとつで遊んでくれ。」

「あなたを癒す鳥たちの。」

「その中でも特別なものだから。」


葵ちゃん。

「パン切れは持参しているよ。」

「かわいい。」

「自然由来の美的要素。」


紬ちゃん。

「そこがたまらない。」


雫ちゃん。

「なんか独特な動きがいいよね。」


ハトの群れでパンの争奪戦?


パンを細かくしてばら撒いたので。


争奪戦は消極的。


葵ちゃん。

「500円を偶然手に入れましてね。」


紬ちゃん。

「わたしは古銭を手に入れましてね。」

「現在価値では安いですが。」


雫ちゃん。

「外国の紙幣がありましてね。」

「海外旅行のおみやげです。」


葵ちゃん。

「看板?」

「詳しく書かれてますね。」


主祭神。


玉依比売命。


たまよりひめのみこと。


品陀和気命(応神天皇)


ほんだわけのみこと。


息長足姫命(神功皇后)


おきながたらしひめのみこと。


相殿神。


伊弉諾尊。


いざなきのみこと。


伊弉冉尊。


いざなみのみこと。


「八幡さま」と親しみをこめて呼ばれています。


思えば公式ページがありました。


看板に由緒多数。


葵ちゃん。

「最近流行している魔法少女!」


紬ちゃん。

「かっこいいしかわいいよね。」


雫ちゃん。

「女の子の美学のひとつの形。」


葵ちゃん。

「トレーニングしているけれど。」

「中々なれない。」


雫ちゃん。

「トレーニングでなれるの?」


葵ちゃん。

「宮本武蔵が好きで。」

「五輪書を熟読し。」

「二天一流を学んでみて思った。」

「適切な箇所で適切なことをできれば物事は合理的に進む。」

「千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を錬とす。」


紬ちゃん。

「それだけ有望ならなれると思います。」


雫ちゃん。

「女の子って怠慢・怠惰が普通だからね。」


葵ちゃん。

「愚かな女性とは違うんですよ。」


雫ちゃん。

「もっと批判してあげて。」


紬ちゃん。

「女性って子供を産む為だけにいるの?」

「結婚する為だけにいるの?」


雫ちゃん。

「それを支持するのなら。」

「苦しんで子供を産まなければならない。」

「夫を恋慕うが。」

「夫はあなたを支配する。」


葵ちゃん。

「別に人の勝手なんだから。」

「女性を知らない女性かあ。」


紬ちゃん。

「日本書紀では結婚を望まない。」

「夫婦の交わりを望まない弟媛という女性が登場しますから。」

「少数であるものの。」

「結婚は回避可能なものですね~。」


雫ちゃん。

「お召を辞退なされました。」


葵ちゃん。

「景行天皇。」

「私は敬虔なる者。」

「天神地祗を祭る。」

「別に選択は自由です。」


雫ちゃん。

「結婚は義務だとか。」

「自分の考えを押し付けられたら。」

「まあ愚かな女性はそうするでしょう。」

「賢い女性は自分で選んだ道を行くのでしょう。」


色恋。

「色事好きな女子たちよ。」

「お手をつけられ汚れなさい。」

「誓いを立てる女子たちよ。」

「夫と共に歩みなさい。」

「恋して汚され。」

「誓ってひとつに。」

「どちらも同じに見えまして。」

「異なる道でございます。」

「一緒になるは定めかな。」

「選択なしに染まるかな。」

「色事好きは泥沼へ。」

「誓いを立てたお人たち。」

「一心同体進みくだされ。」


葵ちゃん。

「あれ。」

「何かさえずりが。」

「夫婦の道は昔も今も変わらない。」


紬ちゃん。

「世間の声なんて衆愚の集まりですよ。」

「なんで従う必要があるんです。」


雫ちゃん。

「大丈夫。」

「そういう連中とはどちらかが死ぬまで戦うとします。」

「仕掛けてきたのは向こうになるから。」


葵ちゃん。

「では参拝。」


販売コーナーには神様の力が宿った。


お守りなどがあり。


お金を奉納することで頂けます。


巫女さんが対応。


葵ちゃん。

「わたしは厄除け。」

「どうせ人間に災いを加えられるんだもの。」


紬ちゃん。

「破魔矢。」

「弓道をやりますから。」


雫ちゃん。

「交通安全にしよう。」


帰り道。


紬ちゃん。

「精密射撃って簡単なの知ってました?」


雫ちゃん。

「そうなの?」


紬ちゃん。

「戦場では動いている的を狙いますから。」

「止まっている的なら簡単なんです。」


葵ちゃん。

「それは言えてる。」


雫ちゃん。

「そうなると。」

「戦知らず。」

「戦を知らずして戦えたりはしないと思う。」


葵ちゃん。

「私もそう思う。」

「魔法少女ってどうすればなれるのかな?」


紬ちゃん。

「とりあいずコスプレをすればいいんじゃないですか。」


葵ちゃん。

「じゃあやってみよう。」

「負け惜しみとでも言っておきます。」


鳥居を出てすぐに。


衣装チェンジで。


まさに魔法少女。


魔力が出てます。


なぜだか知りません。


紬ちゃん。

「すごーい。」

「そんなに簡単にコスプレできるんだあ。」


雫ちゃん。

「そこまで芸達者とは。」

「やるねぇあおいちゃん。」


葵ちゃん。

「いやこれ冗談じゃない。」


紬ちゃん。

「隠しても無駄ですよ。」


雫ちゃん。

「どんな手品か教えて。」


雫ちゃん。

「うーん。」

「何か出来そう。」


ちょっとした外れにて。


誰もいないのを確認。


ワールホール?から。


槍を取り出す。


続いてクレイモア。


振り回してみる。


周囲の人たちはこちらを見ている。


紬ちゃん。

「あれれ?」

「ホンモノ?」


雫ちゃん。

「なるほどねー。」

「さすがにあおいちゃん。」

「妖精にでも好かれましたかな?」


葵ちゃん。

「わからない。」

「何故か制御できるし。」

「クレイモアも簡単に振り回せる。」

「筋力の質がいいみたい。」

「筋肉は量じゃないってようやくはっきりしたよ。」


雫ちゃん。

「あおいちゃんにまわってきたかあ。」


紬ちゃん。

「公明正大の士よ。」

「わたしにもおこぼれをー。」

「なんちゃって。」


葵ちゃん。

「おっと。」

「魔法発動終了っと。」

「なんかいろいろ解る。」

「今日は早くに帰るね。」

「また。」


雫ちゃん。

「これはおもしろいことになりましたなあ。」


紬ちゃん。

「そのまま自壊するかもしれない。」


雫ちゃん。

「果たして使いこなせるか。」

「物に出来るか?」

「勝負は続くのですね。」


帰宅。


賢明。

「賢くて道理に明るければ。」

「世の暗闇でも。」

「照らして潜り抜けられます。」

「頭も良いらしく。」

「なんにでも器用にこなせるようです。」

「目の前が明るく。」

「暗闇に入りそうもありません。」

「私は人々を明るく照らせます。」

「愚者とは盲目。」

「この世の囚人になっても知りません。」


葵ちゃん。

「この力は?」

「魔法少女?」

「でもどうして?」

「人を選ばないのかな。」


夜になりました。


もう一回変身してみます。


何かが登場。


怠慢。

「するべき事は多くても。」

「あなたは己の好きもの。」

「それだけ追求すれば良いものです。」

「そしてとうとう路頭に迷い。」

「旅の資金が尽きるかのように。」

「野垂れ喚いて文句を言う。」

「災いの通り道も平気で歩き。」

「突進もしてきましょう。」

「あなたは跳ねられ身を落とす。」

「この世のことは何とやら。」

「しらばっくれるがいいもんだ。」

「後は私に任せなさい。」

「やがて怠慢の結果も訪れ。」

「子供のように馬鹿を見る。」


怠惰。

「わたくし安楽お見せします。」

「さあ快楽に浸り。」

「自分の事は忘れましょう。」

「あなたはただただ何もせず。」

「楽しい事を優先し。」

「自分さえ忘れて浸りなさい。」

「それがあなたの責任であろうとも。」

「存分に甚振って差し上げますとも。」

「その身を任せ。」

「来なさいな。」

「すべてを忘れ何事も。」

「あなたはもう何もすべきではない。」

「そう思い込んで。」

「一生。」

「人としての務めを忘れなさい。」


葵ちゃん。

「なんなのあなたたち!?」


怠慢。

「すべて私に任せなさい。」

「こうやって。」

「享楽主義となり。」

「人として大切なもの。」

「それと私と交換です。」


怠惰。

「何もしなくていいのです。」

「あなたの人生。」

「存分に楽しむがいい。」

「でもあなたの。」

「大切なもののひとつやふたつ。」

「あらゆる場面で奪って見せます。」


異空間?


葵ちゃん。

「うう!惑わされないよ。」

「消えなさい!」


クレイモアで切り刻む。


物理攻撃は効果が無い。


葵ちゃん。

「スピキュール!(太陽フレア)」


炎のレーザーで竜巻のよう螺旋状。


凄まじい熱風で攻撃。


怠惰。

「抵抗してもしなくても。」

「わたくしたちに屈服し。」

「あなたは密かに死に至る。」


怠慢。

「怠慢の結果は既に。」

「馬鹿バカしいものだと相場は決まっています。」

「それでも彼らは私に身を売り払い。」

「私が買ってあげるのです。」


葵ちゃん。

「プレアデス!」


綺麗な光の球が発生。


上空に浮遊。


不思議な攻撃。


怠慢真っ二つになる。


怠惰爆破される。


怠慢。

「私たちが負けるとは。」

「この娘は並の人ではありません。」

「大抵人間というもの。」

「私の甘い話に乗り。」

「喜んで身を売ってくれますから。」


怠惰。

「その通り。」

「みなさん死に至ると知りながら。」

「それでも御自分の。」

「快楽のためだと。」

「わたくしを求めて止まない。」

「でもまさか抵抗されるとは思いませんでした。」

「ほぼ全員の女性たちも。」

「わたくしの虜になって。」

「随分おもしろいように遊ばせてくれました。」


怠慢・怠惰消える。


目が覚める。


自分の部屋で立っている。


魔法少女の状態のまま。


葵ちゃん。

「なになに?」

「なにがあったの!?」

「でも力の使い方がわかったような。」

「正しい力の使い方・・・?」

「力の制御。」

「しかしさっきの連中。」

「本質を言ってくれました。」

「もう言わないで。」


就寝前に机に向かう。


教育が自由主義になったので。


宿題がありません。


少しむかしは教師の権威主義で。


教師の言う事を鵜呑みにして。


ロボットのようになるしか望みがなかったそうです。


それでは調教とあんまり変わらないです。


メール。


私達のルール。


負の言葉は使用禁止。


ベッドの中へダイブ。


葵ちゃん。

「普通ってそもそもなんだろう?」


また変なものが。


普通。

「オレはすべての基準。」

「しかし条文は無いぜ。」

「それでも万人の基準。」

「外れ物は私刑にするぜ。」

「私刑で自滅。」

「たまたま偶然成り立った普通であるので。」

「それで通らせてもらうぜ。」

「基準なのに条文が無いのは。」

「中々けっこう滑稽な話ですなあ。」


葵ちゃん。

「え?中々言ってくれますね。」


目が覚めると。


朝でした。


昨日は不思議な一日でした。


今日はぽかぽか。


風が吹き抜ける。


なんだか良い日になりそうです。


日記に書き記してみましょう。


「不思議いっぱい祝日の革命」

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