第5話 エピローグ
《此方HQ、敵のショウジョウ及びバーゲスト・ワンの破壊を確認。敵残党の排除の完了も確認しました》
「やっと終わったか....」
「終わりましたね、隊長」
作戦終了の通達が届いた。
これで全ての作戦行動が終わった。
その事を理解した時、全身の緊張が解けその場に座り込んだ。
もうこの地獄の様な戦場から帰れる。それだけで喜びが溢れ出そうになった。
他の隊員も全員やっと終わったと言う安堵からか、歓喜の声を上げていた。
「やっと終わったぜ!」「ざまぁみろ!!」「俺達の勝ちだぁ!!」
無理も無い。3日間ろくな睡眠も取らずずっと過酷な戦闘を繰り返していたのだ。
《此方結月、鉄鬼衆第一小隊の皆さんお疲れ様でした。只今作戦が終了しました。現在地からランデブーポイント迄のルートを送りましたので、そこへ向かって下さい》
「此方第一小隊隊長SU、了解した。今から向かう」
《医療班もそこで待機させておきます。無事で何よりです。SU隊長》
「なんとかな、心配してくれて有難うよ、結月」
《ッ!ど、どういたしまして!結月アウト!》
乱暴に切られた。
隊員達を見るとにやけながら此方を見る。
「良いですねー隊長」「この人自覚あってあんな事言ってるのか?」「多分無い」「羨ましいなぁ隊長は...」
「うるせえ、さっさとポイントに向かうぞ。それぞれ荷物を分担させて移動だ」
「了解でーす」「了解しました隊長」「もう少し休んでたかった...」「なら置いてくか?」
そう口々に言いながら準備をしてポイントに向かった。
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「隊長さん!お帰りなさい!」
そう元気よく迎えてくれたのはアゲハだった。
「お...おかえりなさい...」
遅れてクロハも迎えてくれた。
「おお、二人とも。今回は物凄く助けられたな、有難う」
そう言って二人の頭を撫でる。
「そう言えばカルマは?」
「お父さんだったら彼処」
そう言って指差した先には正座させられてるカルマがいた。
「お父さんってば絶対に戦闘しちゃいけないって言われたのに戦ったから彼処で反省して貰ってるの」
怒り気味にそう言った。大分不機嫌な様だ。
「いや、これはだな...」
「うるさい!なんでダメって言われた事を守れないの!?」
「あ、はい。ごめんなさい...」
どちらが保護者なのか分からなくなりそうな光景だ。少し助け舟を出すか。
「すまないアゲハ、ちょっとカルマに用事があるんだがいいか?」
「...分かった」
少し不機嫌だが許可は貰えたのでカルマを連れて少し離れた。
「助かった。あのままだと色々きつかった」
「まあお前の事だから二人を守る為に戦ったんだろうがな」
「まぁな」
苦笑いして言った
「そう言えば戦闘前に言った事覚えてるか?」
「クロハを俺達の小隊に加えるって話か」
「あぁ、クロハはまだ外の事をあまり知らないし、今の環境より整った企業の環境の方で学べばアゲハより腕を上げそうだなと思ってな。ダメか?」
「いや、こっちとしても優秀なメカニックが来てくれるのは有難い。喜んでうちに招待しよう」
「有難う」
「クロハにはこの事言ってあるのか?」
「あぁ、既に伝えてある。クロハ!来てくれ!さっき言った話についてだ!」
クロハと一緒にアゲハもついてきた。
「ほら、隊長さんに自分の気持ちを伝えな」
「あ...あの、本当に私なんかが...」
「クロハ!しっかり自分の気持ちを言いなさいよ!」
「俺に対して遠慮なんかはしなくていい。お前はしっかり外の世界を見てこい!」
「わ、わかった!あの、SU隊長!私、まだまだ未熟ですけど宜しくお願いします!」
そうはっきりと自分の意思を伝えた。
「あぁ!是非とも歓迎しよう!これから宜しくな、クロハ!」
「お!隊長!クロハちゃんが入るんですか!?」
「マジですか隊長!?」「やったぜぇ!!」「これは教え甲斐がありそうですねぇ...」「むさくるしい所に華が入ってくれる...」
シャワーから戻ってきたウィング達が口々に言う。
「それじゃあ、入隊記念ってことでパーッとやりましょうよ!隊長!」
「そうだな、だが酒は無しだぞ」
「構わないですよ!!」「おい!近くの店から甘味買ってこい!」「他の奴等にも伝えてこい!」「ケーキでも買って来ようぜ!」
それぞれが忙しく動き出し始めた。それを見たカルマが
「なんだ?飯が必要か?じゃあ俺が作ってやるよ!普通の飯よりパーティー用のがいいな...。クロハの格好もドレスに変えたほうが良いな。隊長さんよ、クロハを少しの間借りていくぜ!アゲハ!うちの地下からドレスと酒を取りに行くぞ!」
「わかったカルマ!」
「あぁ、構わねえぞ!会場はこっちで押さえておくから、あとで迎えに向かわせるぜ!おし!お前らさっそく会場に向かって準備だ!!」
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「よし!!お前ら!!主役の登場だ!!今日は目いっぱい騒げえええええ!!!」
「「「「おおおおおおおおおおお!!!」」」」
会場が隊員の声で震え、クロハが少し驚いた。
「入隊おめでとう!!」「可愛い子が入ってきてくれたぜぇぇ!!」「これからも頼りにさせて貰うなクロハ!」
隊員全員がクロハに祝福の言葉をかける。最初は戸惑うクロハだったが、段々と笑顔になっていった。
カルマが作る料理に全員が舌鼓を打ち楽しい時間が過ぎていく。
「クロハ!こっちに来な!写真撮るぞ!」
集合写真を撮ろうとウィングが声をかける。
「ほら!クロハちゃん中心で集まってくださいよ!」
マッドがタイマーをセットし、合流する。
カメラのシャッターが落ち、クロハを含めた全員の笑顔が写る。
死の砂漠マーレ地区防衛戦 @SUM82a1
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