時噛ミ蛇と木の能力
~月~
東京、新宿。
夜の
西威は
「
足音の
その人物は
「100万ドルの
タバコの吸いすぎのせいか、ハスキーで漢らしさを演出する声。その声を耳にした西威は、
先輩と呼ばれた男——
「どうだ、
仁が
タバコは、吸っていない。
「いいもんですよ。腹も減らない、
西威は
「そうですか…なら、よかった」
「お前がまるで、自分が白魔になるとわかってて掛けたご立派な
「
「この間、高校卒業後の
「そっかー! 嬉しい、嬉しいな! 東子も
西威は嬉しそうに背伸びをした。
そのまま視線を空に
その
西威は夜風を味わうように深呼吸。
真っ白な髪の毛が
髪は少しだけ
「で、こんなところで〝誰〟を待ってる。西威」
仁は、左にいる西威の方を向いた。仁の右手は、刀に軽く
「
「やっぱりいるのかネズミは」
「
「はぁ…、
「少しは〝シゲキ〟がないと。人間だってつまらないでしょう?」
ネズミ——
「今までもどこかに居ましたよ、ネズミは。時にそれは
西威は言いながら、人差し指で
「なら、お前は〝誰〟に白魔の力をもらった」
仁は見たくもない
「それは言えませんよ先輩。すいません」
「ネズミは何人いる?」
「それも言えません」
「白魔になったのはお前の意思か?」
「そうです。僕には〝
「そうか…」
仁は左手でショットガンを抜いた。
左にいる西威の顔にまっすぐ向けた。
迷わず
ビル下を歩く
「ヤクザの
ショットガンから
10
西威の
銃弾は西威の
空中でピタリと止まる散弾。
破壊力など——
「先輩、こんなところで銃を撃ったら、警察が来ますよ?」
「残念ながら、俺がその警察だわ」
「その辺のおまわりさんは、
「たしかに、言えてるわな」
「氷の力はどこ行った」
仁が
「こっちの方が〝僕好み〟でして」
じわじわと仁の
『
蛇が自分の首元に届く前に、仁は
(先輩の
足元から一本づつ、
「ここには土がない、木は育ちませんよ、先輩…!」
『
西威が
「ちっ…飛び道具はダメか」
木の根を全て斬り
『
〝
(先輩が正面から
『
(三点攻撃か…、蛇だけじゃ防げないな…! 本当に厄介なお人だ!)
左右からは約5本づつの鋭い根。
前、右、左の三方向から——
一度に攻撃を受けようとする西威。
とっさに左右から
そして仁の刀は、
右手で抜いた自身の刀で受け止める。
夜の
西威は自分の刀を
「やっぱり…、すごいや! 先輩の能力は、すごいや!」
「うるせぇ、黙って闘え! バカ後輩が!」
数秒の
「せんぱいに何してんのよゲスへびハクマ今すぐ死ね…っ!」
俊足の
(あぶな…、1匹残しといて正解だったね。援軍か、なら僕も…)
背後から
しかしすぐに
後方から6匹の悪魔が飛んでくる。
西威の
「せんぱい! 来てる! アクマ!」
仁は西威の刀を
蛇たちもシュルシュル…と西威の体に戻った。
木の根も
すぐさま
西威は屋上の
刀を
「ここに雨が降るよ!
そう言って仁の方を向きながら、西威はビルの屋上から飛び降りる。「待て! どうゆうことだ! 説明しやがれ…! 西威!」仁は
西威は––––いない。
「ちっ…! くそっ!」仁は悔しそうにグーで金属の
すぐに何も知らない
「さっきの銃声はここか! 武器を置いて手をあげろ!」彩音はため息をつきながら
「おい、これ見てもわかんねぇか?」
目を
「そ、そんなのおもちゃの手帳に決まってる! コスプレかなんかだろ!」
はー…と
すると、二人に銃を向ける警官達の
「か、
急に頭を下げる上司にポカンとする警官達は「
再び、静まり返る屋上。
遠くの夜空から、ヘリの羽音が近づく。
「せんぱーい♡ けが、ないですか? なんなら、わたしが、一晩じゅー、かんびょーしてあげますよ?♡」仁は、タバコをふー…と夜空に向けて吹いた。「おい、
キャピキャピする彩音を無視して、仁は夜空を見つめている。先ほどまで
(雨が降る…か…)
「せんぱーい、あまやどりならぁ、私の家が
わざとらしくモジモジする彩音。仁は、彩音を無視してもう一度、
(
仁はフッ…と煙を
「動きやすいカッパ…、買っとけ」
刀闘記
~月~
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