第一幕:【ガブリエル・ブルゥ×糸井 舞】
ガブリエル・ブルゥ:よいしょ
ガブリエル・ブルゥ:では不詳このブリンガー、ガブリエルがシチュエーション表を振らせていただきます
糸井 舞:ガブリエルさんに、任せる。がんばって合わせるから。
ガブリエル・ブルゥ:わぁい責任重大だっぁ
シチュエーション表とは、所謂『お題』だ。
単純に時間を用意するからRPしてください、では中々始めるのが難しい場合がある。RPへの導入をスムーズにするため、何かしらのフックが有った方が良い。そこで用いられるのが、『今、どんな状況か』『何をしているか』をランダムに決定するシチュエーション表、と言う訳である。
シチュエーション表は監督が用意する事もあれば、ルールブックに載っている汎用シチュエーションを利用する事もある。この辺りは実際に話し合って決めるのが良いだろう。
StellarKnights :銀の砂時の窓シチュエーション表(53[5,3])
のっぺりとした、薄闇めいた影の車掌が、きみ達に切符を見せるよう催促する。
ポケットには、行先の無い白紙の切符一枚きり。行先をどう記すべきだろう?
ガブリエル・ブルゥ:あ、そういう感じですね
糸井 舞:車掌が着た後からかな?
監督:ですにゃ
ガブリエル・ブルゥ:じゃあ、私はまず切符がすぐには見つからず、出せないでいておろおろしましょう
糸井 舞:じゃあ
ガブリエル・ブルゥ:「…あ、ええと。切符、切符ですよね」
糸井 舞:「切符って、これのことですか?でも、真っ白なんですけど・・・」
糸井 舞:って言いながら、差し出してみよう。(ガブリエルの様子を見てからね)
監督:──行先を書くよう、車掌は促す。
ガブリエル・ブルゥ:「あ…あの、これって1枚で2人分足りたりしますか?」恐る恐る朧な影へ尋ねましょう
ガブリエル・ブルゥ:「すみません、普段切符をどこへ仕舞っているのかも、思い出せなくて…」
監督:返されるのは頷きだ。言葉なく、再度掌を差し向ける。
ガブリエル・ブルゥ:「それと、行先も…ねえ舞さん、この電車ってどこへ向かっているのでしょう?」
糸井 舞:「ふふっ、まるで、当てのない旅みたいですね、ブルゥさんは、どこまでも行けるならどこに行きたいですか?」
ガブリエル・ブルゥ:「うーん…」思案するように窓の外にふと目線をやり
ガブリエル・ブルゥ:あ、と少し驚いたように声をあげます。
糸井 舞:その様子を、じっと見つめています。割と張り付いた感じの笑顔で。
ガブリエル・ブルゥ:それには今はまだ気付かず、「あそこ…ずっと遠くに、青いバラの花畑が見えます。ほら」と少し楽しそうに糸井さんへ話しかけます
糸井 舞:「じゃあ、そこにしましょうか!」
ガブリエル・ブルゥ:「知ってます?青いバラって、『不可能を可能にする』という意味があるんです」
糸井 舞:「不可能を可能にするですか・・・」
ガブリエル・ブルゥ:「自然には咲かない花が、それもあんなにたくさん…私、行けるならあの花畑まで見に行きたいです」
ガブリエル・ブルゥ:「ほら、舞さんも前に植物園へ一緒に観に行こうって___あら?」ふと我に返って
糸井 舞:「かなわぬ願いでも、たどり着ける道があるんですものね!書いてみます?」
ガブリエル・ブルゥ:「もしかして、こんな会話をどこかでした事があるのでしょうか、私たち」
ガブリエル・ブルゥ:「・・・はい。あの場所へたどり着ければ、何かきっと素敵な事が起きるような気がします」
ガブリエル・ブルゥ:「___でも、舞さんはいいんですか?行き先を私が決めてしまって」
糸井 舞:「あったような気もするし、なかったような気もします。日常会話って、一つ一つはきちんと覚えてなかったりするんですよね。」
糸井 舞:「だいじょうぶです。私は、いつだって、最期まで一緒にいますよ。」
糸井 舞:そういって、白紙の切符とペンを差し出すよ。
ガブリエル・ブルゥ:それを聞いて肩を縮こまらせ「…私はその…あなたの事も、思い出せないのに……」と申し訳なさそうに呟きます。
糸井 舞:「いいんですよ、ゆっくり行きましょう。私たちの時間は始まったばかりじゃないですか。なくしたものは、又埋めればいいんです。」
ガブリエル・ブルゥ:「はい___私、こんな場所でいきなり目覚めて、怖かったんです。でも、舞さんの事は最初から安心できて」
ガブリエル・ブルゥ:「きっと、ずっと貴方は私にとって安心できる、心の拠り所だったのかもしれませんね…」
ガブリエル・ブルゥ:白い切符とペンを受け取って「あ、じゃあ書いちゃってもいいですか?行き先」
糸井 舞:「そう言ってもらえるなんて、すごくうれしいです。ブルゥさん、ちょっと所在なさげだったから、心配だったんです。」
糸井 舞:「もちろん!」(ニッコリ満面の笑顔で)
ガブリエル・ブルゥ:「じ、じゃあ書いちゃいますね…」さらさらり、と切符に『青バラの花畑』といった事を書くが
ガブリエル・ブルゥ:そこで自分の文字が妙に角ばって男性の書いた文字みたいに見えるのに気付き、フフッと笑う。
糸井 舞:「どうしたんです?」
ガブリエル・ブルゥ:「どうやら私、あまり文字を書くのは上手じゃなかったみたいです」
ガブリエル・ブルゥ:「ほら見てくださいこれ、まるで男の方が書いたようで…」
糸井 舞:「どうしてです?きれいな字じゃないですか!」
糸井 舞:「男の人・・・じゃあ、こうして・・・」
糸井 舞:そういって、ブルゥから、ペンをおもむろにとって
ガブリエル・ブルゥ:「?」何をするのかしら、と糸井さんを眺めています
糸井 舞:丸みを帯びた感じに書き足す
糸井 舞:「ほら、これで、かわいくなった!」
糸井 舞:ブルゥに、丸文字風になった切符を見せる
ガブリエル・ブルゥ:「あら、本当。ありがとう舞さん、可愛らしい文字になりました」微笑む
糸井 舞:「じゃあ、切符をわたしちゃいますか?つくまではのんびりお話ししましょう?」
ガブリエル・ブルゥ:「そうですね。はい、これでお願いします」切符を渡しーの
監督:切符を受け取った車掌は立ち去って行く。扉は開かず、溶け込む様に消えた。
ガブリエル・ブルゥ:「そうですね、じゃあ舞さんと私って…」それを見送ってからおしゃべりしましょう
糸井 舞:「あ、そうだ!お茶飲みます?」(カバンから、水筒ごそごそ)
ガブリエル・ブルゥ:「あ、ええと…いただきます」出鼻を挫かれすとんと首肯します
糸井 舞:「じゃあ、はい、あったかいお紅茶です。ミルクと砂糖がないですけど、はちみつを混ぜてあるので、ほんのり甘いですよ!」
ガブリエル・ブルゥ:「用意がいいですね。私ったら、ほとんど着の身着のまま乗っちゃったみたい」自分の格好を見て笑う
糸井 舞:そういって、コップを渡すよ
糸井 舞:「私、いつも持ち歩いてるんですよ。お茶。」
ガブリエル・ブルゥ:「ありがとうございます__うーん、いい香り!これも懐かしい気がします」コップを受け取り、紅茶の湯気に鼻を近づける
ガブリエル・ブルゥ:「それで、その…」と遠慮がちに話を切り出そうとします
糸井 舞:「それで、えっと、なにのお話をしようとしていたんでしたっけ?」
ガブリエル・ブルゥ:「はい、私と舞さんの事です」
糸井 舞:「私とブルゥさんのことですか・・・うーんと・・・」
ガブリエル・ブルゥ:「見た感じ、結構歳も離れてますし」
ガブリエル・ブルゥ:「女友達、なのでしょうか…?」
糸井 舞:「そう・・・ですね・・・」
ガブリエル・ブルゥ:「もしかして、舞さんはこの列車で偶然私を見つけて」
ガブリエル・ブルゥ:「それで安心させるために、知り合いだったフリをしてくださってるのではないかと」
糸井 舞:「っ!?」
ガブリエル・ブルゥ:「その…もしそうなら本当に申し訳ないなって…」
糸井 舞:目を丸々と見開きますよ
糸井 舞:「そんなことないですよ!」
糸井 舞:弱冠食い気味に否定します
糸井 舞:「私言いましたよね?」
糸井 舞:「最期まで一緒にいますよって。」
ガブリエル・ブルゥ:その勢いにこっちもちょっとビックリしつつ「は、はい…」と返す。
糸井 舞:「見ず知らずの人を安心させるためだけに、そんなこと言いません!ううん!言えません!」
糸井 舞:ブルゥをじっと見つめます
ガブリエル・ブルゥ:「は、はい…私もそう思っていました。きっと舞さんとは、ずーっと長く同じ時間を過ごしたんだろうなって」
そんな中、車窓に映る風景が変わっていきます。
駅のホーム、行き交う人々の流れが、ある一点を避けるように丸く逸れている。
その中心には、4人の人物が立っているのが見えます。
一人は困り顔の駅員。もう一人はハンカチでしきりに汗を拭く小太りの会社員。
3人目はまだ高校生の女の子で、黒髪に地味目の格好だが糸井さんの面影があります。
そして4人目は、どこか色気を感じさせる佇まいの青髪の青年です。
『俺はやってない!やったのはそこの優男だ!!』と言い張る会社員と
『違う!アンタが触ったのを見ましたよ!!この大馬鹿!!!』と張り合う青年。
ガブリエル・ブルゥ:その様子を見ている過去の糸井さんは・・・
糸井 舞:痴漢なら、泣いてるね。
糸井 舞:ただひたすらに、しくしくと
糸井 舞:泣くことしかできない無力な子供だからね。
ガブリエル・ブルゥ:では、やがて駅員が会社員を連れて行くと
ガブリエル・ブルゥ:泣いている糸井さんの肩をそっと叩いて、青年は一緒に歩き出します。
ガブリエル・ブルゥ:『行こう。大丈夫、付いててあげるから』
ガブリエル・ブルゥ:そして二人はゆっくりと歩き出し、それに伴い景色も滲んで流れ去りました。
ガブリエル・ブルゥ:窓側の席に座り、糸井さんの方を見ていたガブリエルはそれに気づかぬまま、糸井さんだけが出会いの場面を目にしていたのでした…。
糸井 舞:糸井は、それに気づいて、消え去る間際に、にらみつけていたことでしょう。
糸井 舞:泣くことしかできなかった子供の自分、やさしさに甘えてしまった醜い自分を。
糸井 舞:以上ですね。
ガブリエル・ブルゥ:フラグが怖い
ガブリエル・ブルゥ:ひぃ、詰め込んで申し訳ない
ガブリエル・ブルゥ:次のペアど、どうぞ・・・
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