第1話 旅始め

「…こんなもんか…?」


最低限の保存食、着替えの服、その他の道具を持った。


「…さてと…行きますか…!待ってろ…!未開の地!」


そのまま俺は森の中に入る。



「…やべぇ…」


本拠地にするはずの場所が見つからん…!


「…とりあえずここにテントでも張るか…?暗くなってきたし…」


懐中時計によるとおよそ6時30分。…ヤバイな…


「…急ピッチでやるか…」



とりあえずノルマの7時までには建てられた!


「よし…ご飯食べてさっさと寝るぞ…」


今日のご飯は適当に持ってきた缶スープをあっためるか…


「ガスボンベもあるな…いただきます」



…いい匂いがするですよ…!


「…!」


声が聞こえる…!人がいるのか?でも襲われると怖いから護身用に持ってきた木刀を…


…でも中に誰かいるみたい…


構わないのです。美味しそうな匂いがするのはそこに料理があると言う証拠なのです。突撃するのですよ。


「…来るならこい!」


…ほら…!やっぱ誰かいるよ…!


全く、しょうがないのです。出てくるといいのですよ。大丈夫、悪いことはしないので。


「…本当だな…?」


本当ですよ…!


…一応信用してみるか…


「…」


「あ、出てきたのです」


…敵意は…無いみたいだな。


「お前らは…誰だ?」


「僕はかばんです!2人はアフリカオオコノハズクの博士とワシミミズクの助手です!」


「どうも、アフリカオオコノハズクの博士、そしてかばんの助手です」


「どうも、助手のワシミミズク、そしてかばんの助手の助手です」


「あなたの名前は…?」


「俺の名前か?俺は純伸だ。気軽にジュンと呼んでくれ」


「よろしくなのです」


…どうしても気にかかる。ワシミミズクはふくろうのはず。


「…聞いてもいいか?」


「はい、どうしました?」


「ワシミミズクってふくろうのはずだが…あだ名なのか?」


「いえ、ワシミミズクです」


「…ふくろうの?」


「そうです」


…付き合いきれん…


「…俺は嘘をつかれてるのか…?」


「嘘なんか全くついていないのです」


「証拠はあるのか?」


「証拠…そうだ!飛べばわかるんじゃないんですか?」


…飛ぶ?


「わかったのです。フワッこれでいいですか?」


「…は?」


俺は幻覚を見てるのか?人が飛ぶなんて有り得ない。


「…これは夢だな?」


「夢ではないのです。そこでいい匂いがしていたものを食べてみるといいのです」


…そうだな。そうするか。



「いただきます」


…ミネストローネ…俺の好物だ。


「…」


「…やっぱうまいな…」


「「…じゅるり…!」」


…なんだ…食いたいのか…


「…食べたいのか?」


「…!そんなことないのですよ!1人で勝手に食べやがるといいのです!」


…よだれ垂らしながら言っても説得力ないぞ…?

…はぁ、一口食べさせるか…


「…食うか?」


「…!いいのですか!?」


「あぁ。でも一口にしてくれよ?」


「あ、ありがとうなのです!」


「…でもいいんですか?あなたの夕食のはずじゃ…」


「いいんだよ。こんなよだれ垂らしながら食べたそうに意地張られると逆にあげたくなるからな…。そんなことよりここにはまともな食料は無いのか?」


「いや、山菜を採ったりしてるんですけど…」


「なるほどな…食料持ってきておいて正解だったな…それとだが、ここはどこなんだ?船できたんだが地図に載ってなくてな…」


「ここはジャパリパーク…フレンズたちが自由に生きる場所ですよ?それより船で来たって言いました?」


「あぁ。そうだが」


「その喋り方…見たところオスですか?」


「オス…まあ確かにそうだが…」


「へぇ!本当にオスはいたんですね!」


…?なんだその言い方は…?


「ん?そんなに男が珍しいのか…?」


「あ、このパークに生きるフレンズというものは動物にサンドスターが当たって…ヒトにわかりやすく言うと…動物が擬人化した…そういえばわかりますか?」


…動物が擬人化した…!?んなこと!?


「ほう…!」


「もっと詳しく言えば…動物が問答無用でメスとなって擬人化した…そういえばどうでしょう?」


「なるほど…そうだ、俺のご飯は…」


「「あっ」」


…その様子を見ると…全部食べたな?


「…はぁ」


「す、すまないのです…」


「…別にいいよ」


「…うち、来ますか?」


「は?」


「寝泊りはできますよ?」


「…何もしないと保証するな?」


「はい!でもいろいろ手伝ってもらってもいいですかね…?」


どこかに居場所ができるなら…もうどこでもいい。


「…よし。ついていこう。ただ…一つ頼みたいことがある」


「はい!」


「…荷物を全部持っていってもいいか?」


折り畳み自転車とかいろいろ便利なものはあるからな。…ていうか万能なもの…精密ドライバーやらピッキングができてさらにはノートパソコンを使ってちょっとしたアクセスも可能にしてある。…よかったな!

…それと船のバッテリー大丈夫か…?やばそうだったが…


「…多いんですか?」


「多いな」


「…一回戻ってもいいですか?バス持ってくるので!」


「あぁ。頼む。さて…寝るかな…」


「明日の朝、ここに来るので!」


「わかった。ありがとな」


「博士!助手!行きますよー!」


「わかったのです」



「ふわぁぁぁ…まさか動物の擬人化がここにいるなんて…とりあえず寝るか!おやすみっと!」


そのまま夢に入る。その夢で変な夢を見た…



『…どうなんや?』


『うーん…こりゃうまくいきそうにないな…』


『正直これを治す意味はあるんやな…?』


『正直これは治りそうに無いかな…』


『…でもこれはこれで面白そうやな!』


『そうか?』


『どう見てもそうやろ!逆にワクワクが止まらなくなってるわ!』



そこからは記憶が鮮明には覚えてない。

…えっと?整理するが…まず、関西弁…そしてヒョウ柄…これぐらいかな…?


「…ふぁぁぁ…おはよ」


おはようございます。この俺、ジュンが起きた!

朝食は簡単にパンですませるよ。いいね。食パンって。手軽に食べられるからね。


「さて…荷物整理しますか…」


実際船のところは数分で戻れるから割と早く終わるかも。



「…あっちゃー…」


はい、案の定バッテリー切れギリギリでここについたらしいからもうここからは出れないな…まあ出るつもりは無かったし帰るつもりもない。あんな地獄みたいな場所…


まあそんなことよりも早く運ばねば!…休んでいいか?





ざっと1時間。めっちゃ疲れる。…寝ます。疲れたんで。



10時30分…そろそろ着く頃か?


「…あ!いました!」


「荷物整理は終わらせた。あと一つ聞いていいか?」


「はい?」


「船のバッテリーが切れたんだ。だからもうここに居続けるしかないんだが…ここは危険か?」


「いえ…むしろあなたにとって幸せに生きられる場所になると思いますよ?」


「本当か!?」


そりゃ嬉しい!あんな地獄みたいな場所よりもこっちの方がよっぽどいいじゃないか!


「いやー…よかった…!」


「え?」


「ここで自由に生きられる…それだけで心が…」


「あの…どうしたんですか…?」


「あ、いや!すまない!ふふっ!」


「…?」


笑顔が漏れるぜ!


「そんなことより!積めるが?」


「あ!はい!」


目の前には結構錆びたバス。…不安なんだが?


「…このバスだと…不安ですか…?」


「…ついたら…整備させてくれないか?」


「え?」


「寝泊りさせてもらうんだ。それくらいしないとな」


「あ…じゃあ任せますね!」



積み込みが終わった…


「スピードは出すのか?」


「いえ…そこまでスピードは出ませんよ?」


「あ、なら…」


「それはなんですか?」


不安だからチャリでいくよ。


「自転車…つまり乗り物」


「こんな乗り物もあるんですね!」


ここからはかばんさんが言う研究所に向かう。…正直ここで現実から逃げ切れるのが本当に嬉しいな…!

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自由な旅人 プリン制作人 @r042753

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