第4部 途間子 2014年 1月中旬

薬田途間子やくたとまこは恋多き35歳。ベテランのOL。


えーどうせアラフォーですよ。


でも35歳はアラフォーとは言わないか……。


まだ若さはあるわよ、トーゼン。


物事を深く考え込まないのが途間子のいい所。


ロングヘアーに所々パーマをかけ、整った顔立ちをしていて、30には見られない。


大抵20代後半に見られる。細かい所で女として磨きをかけてる。


「それでさー、こないだ27歳に見られてさー、そうですよって言ったら、その男即座に僕と付き合って下さいだよ……。すぐ振ったわ」


朝の渋谷のスタバで途間子は同僚の城崎結衣子しろさきゆいこと話してる。結衣子も35歳。


「でも途間子は若く見られていいわね。私なんてこないだ37歳ですか?とか言われてムカつく」


「でも結衣子は歳相応だからナメられなくていいんじゃない?」


「そうかな?」結衣子はストローをクリクリ回して、少し嬉しそうな顔になってる。


「でもあの戸叶英輔ってなんか魅力的よね」途間子はうっとりした顔をする。


「あーこないだ別の会社からアドバイザーで来てた人でしょ。そんなにいい男だったっけ?」結衣子は首をかしげる。


「あなた、もっとアンテナ立てなきゃ、あの人多分凄いよ」


「何が?」


「何って色々よ……」途間子は残ったホットコーヒーを一気に飲む。


「あんた、ほんと男好きだよね?」結衣子は頬杖をつく。


結衣子は短髪のボブカットで美人というより、上品な顔立ちをしている。


「だって女だから当然でしょ。つーか男に興味のない女なんているの?私達まだ35歳だよ?」


「あんたのバイタリティが凄いって言ってるのよ」


「別に普通だと思うけどなあ?結衣子はそんなに求めてないの?」


「まあ、特に今はね」


「売れ残っちゃうよ」


「NOT FOR SALE だから」


「へえ、気前いいね。さてとエネルギー補給したから会社いこう」途間子は席を立つ。


2020(R3)2/28(日)










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