第15話クーシュトリガと少女の会話

ユイトが贈りプレゼントなるものを授けられ、意識を失って生死を彷徨っていた頃、切り揃っていない短い金髪の少女と漆黒のローブを身体に纏う大柄な男性がある建物の一室で密談をしていた。


「あのおにいさん、贈りプレゼントに適性したかなぁ~マグナは感じられたんだけどぉ。倒れてたしなぁ~になるかなぁ?心配だなぁー。お前が、すんなりといったはずだったのに......みたいにあの計画をぶち壊そうとしやがってっ!クーシュトリガっ、分かってんのか?」


「仕方ないじゃないですか、お嬢。ついムカっ腹がたっちゃったんですから......すんません」


ローブの胸もとを掴み、声を荒らげる少女に弱々しい声で返すクーシュトリガ。

血管という血管を浮き上がらせながら捲し立てる少女。


「仕方ない、だとぉ~!に何を言おうがにもなんないっていうのが一番ムカつくんだよっ!を見てたら、が頭をちらつくんだぁっ!の見下した顔とともになぁ~っっ!あの頃のお前に戻せるような能力ちからが......あれば。幾人もの精神を壊しておきながら、のうのうと生き続けやがってぇっ!あのやろうがぁっっ!」


「落ち着いてくださいぃっ!お嬢、そのへんで一旦落ち着きましょうっ!」


クーシュトリガが怒りに身をまかせ暴れる少女を宥めた。


「はぁはぁ......わ、悪い。おにいさんに期待するか、クーシュトリガ」


荒い呼吸を整え、少女がクーシュトリガを見上げながら、微笑みを浮かべた。


ぎこちない笑みと思わせるほどの笑顔を少女に向けたクーシュトリガ。




──補足ですが、前に出てきたクーシュトリガとは感じが違いますが、何一つ間違っていませんので。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る