第2話 地獄の始まり
「ようこそ、千の森保育園へ。」
真っ白な綺麗な白髪を持った、眼鏡をかけた、優しい目をした園長先生が私に嬉しそうな声で迎え入れてくれた。
「はじめまして、本日からこの保育園に勤めることになりました_」
「__あなたが新人さん?」
私が名乗る前に目付きの鋭い私より少し年上の先生が口を挟んできた。
「は、はい、。」
「園長先生、今回は随分と若い人を採用なさったんですね?経験もないのにここの保育園で勤務できるのかしら?」
「遠藤先生、そんな言い方しないでください。」
この人は遠藤先生と言うのか。にしても少し対応悪すぎる気がするけど、、
「ごめんなさいね、遠藤先生は主任なんだけど、完璧主義で怖い言い方しか出来ないけど、根はいい人なのよ。」
「そうなんですか、?」
園長先生が若干笑顔が引きつっている気もするが、置いといて、、
「改めて今日からよろしくお願いします!」
何とか場を繕うように私はいつもの2倍くらいの声で元気よく挨拶した。
「ここがあなたのロッカーよ。」
園長先生がこれから出張なので遠藤先生が園内を案内することになった。
「綺麗な施設ですね!」
窓が太陽の光を差し込み明るく照らされている園内は本当に綺麗だから、つい本音が漏れてしまった。
「当たり前じゃない!ここは東京屈指のお金持ちが愛用する園なの、綺麗に決まってるでしょ。当然わかってると思うけど、失敗なんてしたら、クビだから、いい?」
「は、はい、、。」
この人に話しかけると10倍になって返ってくるんだ、、めんどくさい人だな、、。
私の初出勤は園内オリエンテーションと自己紹介のみなので、今日は3時間程度で帰ってこれた。
「私遠藤先生とやって行けるのかな、、3歳児クラス遠藤先生と2人で担当だからな、、」
電車に揺られながらそんなことを永遠考えていた。
私の予想は見事に的中して不安が全て現実になっていった、、、。
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