第63話 ケーキバイキング


食欲の秋。


今日は由香・明子さんと一緒にスイーツを堪能しにきた。

真紀と遥は友人と遊ぶ約束があるので不参加。

3人で来たのは隣町のお洒落なホテル。

ラブホテルじゃなくて普通のホテル。

ケーキバイキングをやってるらしい。

僕としては2人を生クリームでコーティングして味わいたかった。


高校生は90分食べ放題で1800円だ。

これが安いのかどうかはわからない。

ただ、大津さんが以前行ったときは非常に満足したと言っている。


「明子さん前回行ったときはケーキは何個位食べたの?」

「ケーキは5つ位かな。あとデザートでアイスやプリン、果物もあったよ」


確かに1800円ならばいいのかもしれない。


「由香はケーキバイキング行ったことある?」

「今回が初めてだよ。明子に聞いて行ってみたかったの」


そうか、やっぱり女子はケーキバイキングなのか。

僕なら焼肉食べ放題に行くだろうな。

ケーキはそれほど食べられないかもしれないけど、プリンとか果物に期待しよう。


電車に乗り隣町の駅に着いた。

ケーキバイキングをしているホテルは駅の目の前だ。

ホテルに着くと先客が並んでいた。

店の中を覗いてみると女性グループばかり。

まぁ、そうだろうな。

僕は中世的なニュージェネ男子。

女性の中に男一人でポツンとしていても平気だ。



待つこと30分。

僕たちは席に通された。

レストラン中央のテーブルには沢山のケーキが並んでいる。

そして果物も沢山並んでいる。もちろんアイスも。


女性陣2人はケーキを取りに行ったので僕は飲み物コーナーに足を向けた。

まずはレモンティーを用意する。

ごくごく飲めるようにアイスティーを注ぐ。

ドリンクの用意が終わったらケーキだ。

ケーキは通常のサイズより小さい。

色々な種類が食べられるのでありがたい。

とりあえず全種類制覇するように端から皿にのせていく。

ポピュラーな苺や桃、栗やチーズ、リンゴやチョコのケーキを堪能。

どれも美味しい。でも、甘い。甘い。甘い。

由香や明子さんは写メをとりながらケーキを攻略している。


「甘いな。ここのケーキは甘い。美味しいけどすごく甘いな」

「まーくん、知ってた?ケーキは大体甘いんだよ」


それはいい笑顔でケーキを口に運ぶ由香。

大津さんも写真・ケーキ・写真・ケーキと早いペースで食べている。


「明子さんもいいペースで食べてる。ケーキそんなに好きなの?」

「女の子はみんな好きだよ。真尋くんもどんどん食べましょう」


僕は男なんだが。

飲み物を補充して果物コーナーに。

メロンが山盛りになっている。1玉分くらい食べやろうか。

メロンを山ほど皿に乗せて席に着いた。

多分、半玉分ぐらい持ってきた。

ずっとメロン食べていたらそれだけでお値段以上になるんじゃないかな。

カットメロンを口に入れる。

そんなに甘くない。さっぱりとして美味しいけど濃厚なメロンではない。

これは失敗だ。

大量に皿に載っているメロンをみて後悔する。

とりあえず皿に取ってしまったので気合入れて消化する。


無理やりメロンを口に入れてるとチャンスが!

由香がケーキを取りに言った瞬間に、由香の皿にメロンを盛っておいた。

戻ってきた由香は皿にあるメロンをみて僕を見たが知らんぷりした。


頑張ってメロンを食べた僕はアイスコーナーに突撃する。

アイスも色々な種類を盛る。

あと、お腹冷えないようにカフェオレも。



とりあえず全種類制覇は完了した。

一個一個の大きさがそれほど大きくないので何とかなった。

もうちょっと食べられそうなので、特に美味しく感じた桃のケーキをお替りした。

由香&明子もお茶を飲みながらケーキについて熱く語っている。

1800円でこれほどの満足感。

みんなでまた来たいと思った。


「明子さんも由香もこんなにケーキバイキングが好きなんて知らなかったよ」

「私は初めてだったけどね。こんなに美味しくて種類もあるならまた来たいよ。明子に教えてもらって感謝」


由香は初めてって言ってたもんな。


「私はたまに足を運んでいます。体重増える恐怖はありますがやめられませんね」


女性はやっぱり好きなんだなぁ。

僕はやっぱりケーキより肉がいいかな。

それよりか生クリームを由香や明子さんにのせて食べたい。

やっぱり男ならこっちのほうがいいはずだ。

真紀ならノリノリで食べさせてくれるかもしれない。


「何ニヤニヤしてるの?」


由香に聞かれたので、


「由香や明子さんの唇に生クリーム塗って、それを食べたらどんなに甘いかと思って」


由香の呆れた~という表情いいね。

明子さんは赤くなっちゃってかわいい。


「冗談だよ。映画みたいでいいなってちょっと思っただけ」

「真尋さんがやりたければいいですよ。減るもんじゃないですし」


明子さんがかっこいいこと言った!


「ダメだよ明子さん。そんなこと言ったら絶対にそれだけじゃすまなくなるよ!」


由香よ、何故そんなに怒るのだ。


「ちょっと言ってみただけだよ。やるんだったらプライベートでお願いするから」

「なおさら悪いよ!」


大津さんはキス友だから平気だよね。

コンビニにホイップクリーム売っていたかなぁ。

今度お願いしてみようかな。

キスに新しいフレーバーを導入しないかって?

ハチミツとかいいかも。

妄想万歳!



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