第27話 アウトレットモール


土曜日朝8時半。

駅に着いたのは僕が最後だった。

みんなで電車に乗り込みアウトレットモールまで移動。

買い物の話でみんな盛り上がってる。

遥がこちらに寄ってきた。


「真尋くん、真尋くん。ちゃんとお揃いのパンツはいてきた?」

「ちゃんと履いてきた。あとで見せっこしような」

「うん、見せっこしよう」


これ、合法的に遥のパンツ見れるの?やったぁぁ。

お揃いの下着ってワードに松木・安藤ペアが食いついてきた。


「2人はお揃いの下着を身に着けてるの?」

「そうだよ。私がプレゼントしたの」


あっけらかんと答える遥。


「下着を送りあうなんて大人だね」


いや送りあってないし。僕が貰っただけだし。

遥は僕の腕に自分の腕を絡めながら、


「だって仲良しだもん」


嬉しそうに答えた。

そんな笑顔を見せられたら僕も嬉しくなっちゃうよ。

遥の耳元で、


「遥の笑顔大好き。すごく可愛いよ。いつまでも仲良くしてね」


と囁いた。


「またそんなセリフを囁く。真尋くんはジゴロかっ!」

「でも嬉しそうじゃん」

「女んの子はね。そういう風に言ってもらえると嬉しいの」


そうか。嬉しいのか。由香や真紀にも言ってやろう。

道中はそんな感じだったのだ。




ショッピングモールに着いた。

とりあえず午前中はみんなで固まって行動し、午後はお好きにどうぞって感じにまわるらしい。

僕もズボンが欲しい。7分丈くらいの軽快な感じの。

いつも由香が僕の服を選んでるので、由香に聞いてみた。


「由香、7分丈のズボン欲しい」

「わかった。後で一緒に探そう」

「お願い」


みんなで端から順番にお店をまわった。

僕は女子ほど一生懸命に店を見るのではなく、みんなが買い物している周囲でぶらぶらしている時間が多い。

途中、アイスクリームのスタンドがあったのでピーチソフトを購入した。

隣にいた由香にあーんしてあげる。


「由香、買い物楽しい?」


楽しいと由香は答える。


「そっか、来てよかったな。お前が楽しいのなら僕も楽しいよ。笑ってるお前を見るのがたまらなく好きだ」


女の子に気遣うセリフをさりげなく言う僕を褒めていいと思います。

由香は嬉しそに腕を絡ませてくる。

やはりこういうセリフは女性を喜ばすものなのか。

うん、勉強になるな。

あとで真紀にも言ってみよう。


石鹸や入浴剤のお店があった。

色々な種類のバスボールが売っている。いくつか購入しようと悩む。

6種類1セットのお得なバスボールが売ってたので買ってみた。

ハーブ成分でリラックス効果があるみたい。由香と入ろう。


「由香、僕これ買ってみる。リラックス効果抜群だって。家で試そうぜ」

「リラックス効果か。いいね、私も入ってみたいな」


さっそく今夜使ってみるか。

真紀も興味があるバスボールがあったみたいだ。

ハチミツのやつを見ている。ハチミツってねっちょりしてるよね。


「ハチミツのバスボールだって。これ使ったら肌がベタベタにならないかな」

「きっと肌がねっちょりするよ。でも保湿効果抜群かな!?」


お店の店員さんが僕たちに効能を説明してくれた。内容はあまり理解できなかったが、美容にはいいらしい。


「そうか。よし買っちゃう。真尋くんも試してみる?」

「ハチミツ風呂?」

「うん。家においで。一緒に使ってみよ」

「裸のスキンシップ?」

「スキンシップしたいの?」

「する」


ニッコリ頷いといた。

魔乳とのスキンシップとか最高だろ。

他にも石鹸や洗顔を購入した。早く試したい。風呂に入りたい。何ならもう買い物を終わらせてお風呂に入りたい位だ。

 


メンズのショップにきた。

由香がさっそく僕のズボンを探し始める。

いくつか候補を絞る。どれもいい感じ。


「夏っぽくていいな。由香もお揃いで買うか?今日は母さんに軍資金貰ってきたから余裕あるぞ」

「買う。同じ色にしようよ」


さすがにデザインは男物・女物で違いがあるが似たようなズボンを買うことにした。


「由香とお揃い嬉しいな。今度、このズボンでお出かけしような。由香がお弁当作ってくれるなら海にでも行きたいな」

「作る。作るから海行こうよ。まーくんと海行きたい」


みんなに見えないように由香に「いいこいいこ」してやる。

真っ赤になる由香はすごく可愛いかった。

 


雑貨屋ではお洒落な皿やコップなどがあった。

由香が非常に欲しがっていたが、重くなるので買うのをやめさせた。地元では売ってないのかな? 

 

 

買い物強行軍は昼まで続いた。

女性の体力がヤバイ。体力ありすぎてヤバイ。

僕は途中から店に入らないでベンチに座ってた。

忘れた頃に真紀がきてキスして買い物に戻っていく。

軽くキスじゃなく、ねっとり吸いつくよなキスでドキドキ感がヤバイ。

真紀はマメなんだね。

でもそのうちばれるからな。

5分おきにこなくていいからな。

少し自粛しような。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る