第25話 抜糸


今日は病院に来た。

足の抜糸と胸の経過を見るためだ。

由香も一緒だ。 


「抜糸って痛いの?抜き時に麻酔するの?ちょっと怖いんだけど」

「傷を縫ったことないからわからない」


ドキドキしてきた。これって恋!?




名前を呼ばれて診察室にはいる。何故か母親がそこにいた。

母さんは内科に勤務してたような気がするが。

いいや気にしない。

 

「足の傷は問題ないですね。今日、抜糸します。胸もコルセットは外していいですよ。ただ無理はしないでね」


やったね。

処置室で糸を抜くときにちょっとだけ痛かった。

あとで由香に大げさに言おう。

皮膚を切開して抜糸したって。

そんでまた縫ったって言おう。


待合室で由香と合流。

抜糸の事を大げさに説明したけど信じてもらえなかった。僕は悲しい。

会計を済ませて帰宅した。




風呂入りたい。

ずっとシャワーだったから湯に浸かりたい。

ぬるい湯につかってぼーっとしていたい。

医者の先生から、湯船に浸かってもいいと許可が出たのだ。

やったね。

由香に部屋まで送ってもらった。


「まーくん、お風呂に入るの?」

「あぁ、やっと風呂に入れる。ずっとシャワーだったからな」


バスルームに向かいます。

まず風呂に湯を張ります。

薔薇のミルクオイルを入れます。

軽くかき混ぜて完成!


すごくいい匂いが浴室に充満する。

最高だな!


シャツを脱ぎます。

ズボンを脱ぎます。

パンツを脱ぎます。

すっぽんぽんでGo!


ヒャッハー、お湯だぜ。

新鮮なお湯だ。


っと、先に体を洗ってからだな。

うんしょ、うおっ、痛てぇ。ぴりっときたぞ。

背中洗うのは注意が必要だ。

注意注意。

また痛めたらヤバイ。

あわてるな、今日は2時間風呂に入るぞ。


カチャ


突然、風呂の電気が消えてドアがあいた。

ほえ、由香が入ってきた。裸だ。裸だ。裸だ。


「こないだ一緒に入れなかったから」

「そうか、ちょうどいい。背中こすってくれ」


スポンジを由香に渡した。

 

「イスに座らないの?」

「立ったままでいい。そのほうが楽」


しかし由香はどういう心境だ?こないだはイヤだって言ってたのに。


「お前一緒のお風呂は嫌じゃなかったの?」

「別に嫌じゃない。恥ずかしかっただけ」


なに?怒ってるの?ムスッとして。


「別に無理しなくていいよ」

「無理してないから」


タオル一枚も身に着けないで風呂に入るくらいだから無理やりじゃないよな?

あと体が丸見えだぞ。もう一度言う、体が上から下まで丸見えだ。


「お前、誘ってるの?」

「ちがう、うまく体が洗えないと思ったから。手伝ってあげるだけ」


泡風呂プレイ?


「前は自分で洗って」


体洗ってくれるのは嬉しい。気持ちもいい。

背中とか手が届かないところは特に気持ちいいよね。

 

「全部洗ってくれないの?」

「洗わないよ」


ふーん、あなたさっきから僕の股間をガン見してるんだけど。

首まで顔真っ赤だけど。

幼馴染でクラスメイトの由香が一緒に風呂に入ってる。

この背徳感がたまらない。

シャワーで体を流してもらい、由香の背中も洗ってあげた。

優しく何度も。

前も洗ってあげようとしたら断られた。残念。


2人で湯船に沈む。

僕は胡坐。ゆかは正座をくずして横すわりに沈む。


「一緒に風呂入るの久しぶりだな」

「うん」

「昔はいつも一緒入ってたのに」

「うん」


あれ、うんしか言わないぞ。


「懐かしいな」

「うん」

「少しお腹すいたな」

「うん」

「エッチな事していい?」

「ダメ」

「おい、うんしか言わないんじゃないのかっ!」


騙されたっ。由香をみると笑ってる。


「騙されたぜ」

「まーくんがエッチなのが悪い」

「入浴剤入れなきゃよかった。お湯が白いから由香の体がみえない」

「そんな見たいの?本やDVDで女の子の裸見てるでしょ」

「全部由香に没収された。だから由香の裸見たい」

「だーめですぅ」


笑いながら話す由香はやっぱり可愛いな。

学校でもクラスメイトにこの笑顔を見せればすぐに仲良くなれるのに。


「お前、クラスメイトの前でも笑えよ」

「なんで?」

「お前ら3人で仲良しグループ作ってるけどさ、他の女の子達とあまり話をしてないよな。せっかく同じクラスになったんだからもっと友達を作れ。今のままじゃ心配だ」

「別に遙と真紀がいればいいよ」


それじゃダメだ。親友とかも大事だけどもっと広く友達を作らなきゃ。

教室だけでもいいからクラス全体と仲良くして欲しい。

僕は一生懸命に説明をした。

そう、まるで風俗で事が終わった後に説教しだすオヤジのように。


「まーくんも友達少ないよ」


ばかっ、それはあれだよ。僕は淫キャだから。あ、陰キャだから。


「わかったよ。まーくんがそう言うなら気をつける」

「遙や真紀もそんな感じだからさりげなく誘導してやれ」


僕はえらそうに指導する。

僕は教師。愛の伝道師。

うい、恥ずかしい。


「由香ならみんなとうまくできるよ」と言ってそっと唇を合わせた。

これはごまかしのキス。柔らかそうだったからついキスしちゃった。

深い意味は無い。


そしておっぱいに手をかけた。

先っぽのチェリーを摘まんでみた。

ぶん殴られた。

 

 



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