第19話 キス友
真紀の家は駅から歩いて20分。遥の家から10分位の所らしい。
大きい白の壁の戸建てで、お金持ちっぽい感じ。
家に帰ると弟が出迎えてくれた。
「ねーちゃん、ゲームは?その人彼氏?」
「お客様が来てるんだから挨拶しなさい」
弟の隆司くんは自己紹介しながらも視線は真紀の手元にある袋に釘付けだった。すげー期待してる。
「はい、お誕生日おめでとう」
袋の中を覗き込む隆司くん。
「やった、ドラゴンクエスチョンだ!昨日でたやつ。まだ友達ももっていないやつだ!いえ~い」
大はしゃぎ謎のダンスを踊りながら走って行った。
「どうやら当たりだったみたい。すげー喜んでるよ」
「よかった。プレゼントはゲームがいいってずっと言ってたから」
居間に通されて、真紀が料理している間はソファーで寛ぐよう言われたが、初めてくる他人の家で寛ぐなんて無理だ。
真紀が料理をする姿を眺めることにした。
邪魔にならないようにキッチンの隅で調理姿を眺める。
手際いいな。
刻んだり、炒めたり。
あっという間にオムライスの出来上がり。
ケチャップでハートマークが描いてある。
テーブルに着きオムライスを食べる。
隆司くんはもうお弁当を食べたらしい。
広いテーブルになぜか隣り合わせで着席する。
「今日のお礼。はい、あーん」
んん?なぜ僕はオムライスを食べさせてもらっているんだ?
さも当たり前のように食べさせてもらっている。
「とっても美味しいよ。真紀はいいお嫁さんになるね」
「ありがとう。嬉しい」
その後も俺は自分でスプーンを使うことなく完食した。
ふーふーってやって貰いながらだ。
「美味しかった。食べさせて貰ったし王様になった気分」
「ほら、口元にケチャップついてるよ。じっとしてて」
あー、指で拭ってからその指をなめるんだろ?
わかっちゃったもんねー。
真紀は顔を近づけ口元をぺろって舐めた。
いや、舐めたまま唇をスライドさせてキスをした。
触れるか触れないかじゃなく、ガンギマリのキスだった。
「ごめーん、ずれてキスしちゃった。えへ」
ああ、生きててよかった。
キスしちゃったぜーっ。いやっほぉぉぅ。
唇ってこんなに柔らかいんだ。
「別に平気でしょ?ジュース回し飲みしたこともあるし」
「僕は平気。むしろご褒美」
「そう、じゃあそれも今日のお礼ってことで」
体が熱い。心臓がバクバクしている。
そこで真紀の一言。
「もう一回する?」
体が最速の動きで頷いた。
「恥ずかしいから目を瞑って」
目を閉じると真紀の気配が近づいてきた。
唇に柔らかいものが接触。そのまま俺の唇は縦に割られ舌が入ってきた。
でぃぃぃぃぷぅぅぅ。
一生懸命真紀の舌を吸った。
気持ちいい!
とろけるような時間を過ごす。
「私たちはキス友だね」
何ですかその単語?
「恋人じゃなくて、キスだけの仲」
「今、そんな関係があるのか」
「雑誌とかにもよくでてるよ」
「真紀はキス友が他にいるのか?」
「いないよー、真尋くんだけ」
じゃあ僕はいつでもキスしていいの?
日に50回くらいキスしちゃうよ。
「みんなに内緒なら。何回でも何十回でも。でもバレたら終わり」
本当にいいの?真紀の唇に吸い付いてみた。
「またキスしたね」
もう一度唇を重ねてみる。今度は真紀の舌を吸ってみる。
「連続でキスしたよ。満足した?」
「うん。いやもっと」
「いいよ。好きなだけどうぞ」
「キス友はキスしかしないの?おっぱい揉んだりしないの?」
「んー、キスだけかな。いずれはステップアップするから今はキスだけ」
「ステップアップ?」
「そう、徐々にね。ステップアップを続けてくと恋人になっちゃうかもよ」
「なるほど」
話は半分しか聞いてない。とりあえず今はキスをしよう。
いやっほぅ!何回もキスしてやったぜ。
本当は24時間キスしていたい。
しかしキス友かぁ。素晴らしいシステムだな。
最初にキス友考えたやつに飯奢ってやりたい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます