第4話 賢者タイム


学校帰り道。

家で由香に何言われるかわからないので、時間を潰して帰ることにした。駅前本屋でも見に行こう。


18時、外は暗くなっている。そろそろ帰るか。由香の怒りもそろそろ収まっているころだろう。

今日は由香の家で晩御飯か。自宅に鞄を置き、着替えてから由香の自宅に向かう。

いつも通りに由香の家の鍵を開け居間のソファーでTVを見る。

僕達はそれぞれの家の合鍵をみんな持っているので勝手に入れるのだ。

由香の母さんが夕食当番なので僕はTV見ながらマッタリと時間をつぶす。


トントンと階段を下る音が聞こえてきた。由香か?


居間のドアが開き、由香が入ってきた。

後ろには小林さんと稲川さんが。

しまったって顔の由香。


後ろの稲川さんが、


「あれー、何で前川くんがいるの?しかも寛いでるし」


稲川さんの言葉に小林さんも、


「由香ちゃんの家に遊びに来たの?いつの間に??」


由香の顔をみるとやや引きつりながらゴメンと唇が動く。

 

「由香、説明してあげて。僕は説明がヘタだから」


由香は小林さんと稲川さんをソファーに座らせて説明しだした。

幼馴染であること。どっちも母子家庭で母親同士は親友。

そして物心つく前から一緒に生活してるような感じで家族みたいなものだと。

 

「だから由香が前川くんを見る目が他の男子達と違うんだ。何かおかしいと思った。男の子があんまり好きじゃない由香が、前川くんのことだけ優しい目で見てるから好きなのかなって思ってた」

「私もそう思ってた。あのまなざしは恋する乙女じゃなくて、自分の半身を見ている顔だったのか」


たしかにずっと同じ事をして成長してきたんだ。

異性と言うより自分の半身って表現はぴったりだな。

僕も言われて納得した。


「真紀も遙も学校では内緒だからね。真尋が帰ってたの気がつかなかったの。居間にいるのママだと思ってたから」


2人は内緒にしてくれることを約束して帰っていった。

ばれても別にいいんだけどね。


 

夕飯の後に由香の部屋で漫画を読んでいたら由香に言われた。


「まーくんは真紀のこと見すぎ。何、好きなの?」

「えー、別に好きってわけじゃないよ」

「言い方を変える。まーくんは真紀の胸を見すぎ」

「だってしょうがないじゃん。僕だって男だし。おっぱい好きだし」

「あたしの胸なんて見ないじゃない」


僕はにこやかに、


「いつも見てるし触ってる。由香のおっぱい大好きだよ」


由香は黙っちゃった。そしてしばらくの沈黙の後、


「自分の幼馴染が親友の胸をガン見してたら私が恥ずかしい思いするからやめて」

「やめるもなにも自然にそうなる。思春期の男なんてそんなもんだ」


見るなと言われても見るに決まっている。

なぜか?それはおっぱいが好きだからな。

おっきい、ちっさい、どっちも大好きだ。


「どうすればその癖治せるの?」

「じゃ、代わりに由香のおっぱい見せて」


はぁ?と言いながら顔真っ赤にする由香。そんな表情するんだ。


「私が見せたら真紀にいやらしい視線むけない?」

「向けない」


由香がシャツのボタンをはずして上を脱いだ。

上半身は薄青のブラジャーのみ。

 

「みんなには内緒よ。こんなこと本当はいけないんだけど、まーくんが変態男になるのは可哀そうだから」


由香は後ろのホックをはずし、ブラジャーを外した。

その乳房は完全な半球で美しく形が整っている。

ツンと上を向いた小さい乳首はピンク色で肌の白さも手伝ってかとても美しい。

想像していたよりずっと大きく、思わず唾を飲み込む。

柔らかそうだ。いや絶対に柔らかい。いや柔らかいのを僕は知ってる。

その乳房を下からそっと持ち上げる。

もの凄い弾力で、柔らかで、手に吸い付く感触に声がでない。


「もういいでしょ。まーくん、約束したからね。真紀に変な視線向けないで。見たくなったら私に言って」

「お、おぅ」


由香は服を元に戻して勉強机に向かい勉強を始めた。

横顔が赤いのがわかる。


「由香、ありがとな」

「別にいい。まーくんが変態呼ばわりされたら、幼馴染の私も困るから」

 

いや、由香もおかしいよ?

幼馴染でもここまでしないから、普通は。


そう言って僕は自分の部屋に戻った。

さっきから自己主張の激しいマイサンを押さえつけるために。

手に残る感触、目に焼き付けた映像。

やわっこかったなー。

……ふぅ。

賢者タイム。今の僕は世界平和を本気で願う男だ。



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