異世界攻略

第83話 異世界攻略をしていく

 俺の異世界神殿攻略を始める


 本来は中盤、戦いが過酷さを増していくことに危機感を覚えたメルが一人で異世界に戻り神殿を攻略、そしてパワーアップアイテムを奪取すると言うストーリーである。


 その後に中ボスが現れて、彼女達が勝つと言う本筋であったがだがそれが崩れたので早急にアイテムを確保しなくてはいけない。今回は速さが重要であり観光とかが目的ではない為メルと二人で来た。


というわけで先ずは異世界に到着。その後は王様に挨拶をすると言うので……


「よくぞ参られた。異世界の勇者よ……」


この世界でメルが住む国の王であるメルフィである。まぁ、背中に羽が生えているだけのおっさんという認識であるのは前世でも今でも変わらない。


では、話を聞き流した後は観光がしたいと言って神殿に向かおう。メルに外に案内してもらい神殿に向かう。



「神殿というのがあってやな。でも、そこに行くには迷いの森を抜けないとあかんねん。それは今現在誰一人として攻略できていない未開拓領域なんや」



知ってるよ。



「迷いの森は正しいルートを歩かないと元の場所に戻され、さらにそのルートを知るにはアルテミスにある祠を解読しないといけないんや。さらに、さらにやで、これは星霊が妖精に与えた『星の大試練ワールド・クエスト』と呼ばれておるんやけど、妖精の誰も攻略は出来ていないんや」



知ってるよ。



では、迷いの森に到着しました。ここは深い霧が立ち上り深い樹海と言う印象がある。先ほどメルが言っていたように祠に記された道の通りに行かないと神殿にはたどり着けないが……俺は何度もメルが攻略するシーンを読んでいるので道を完璧に暗記している



「ちょ、いきなり走るなや!!!」



魔装を纏って走る。ルートは只管に真っすぐである。只管に。岩の壁があっとしてもそれは幻影であり本物ではないので気にしなくても大丈夫。さらに、この森は一定時間を超えると自動的に入り口に戻されるので注意が必要だ



ここはただ走るだけだから、必死に走る



というわけで神殿に到着。神秘的な柱が多数設置してあり、太古の遺物なのでコケなどが生え、蛍のように美しい生物が飛んでいる正に聖域というもの。ここにある神殿は5種類存在する。そして、それぞれに試練が存在する


深淵の神殿 恥ずかしさ

稲妻の神殿 クイズ

深海の神殿 ダンジョン

剛炎の神殿 バトル

栄光の神殿 謎解き


では、先ずは栄光の神殿から攻略をしよう。コケまみれだけど……


神殿は5種類存在してそれぞれ並行して建ててある。そしてその真ん中に栄光の神殿がある



さて、この神殿はこの神殿の周りにある暗号を解読して入り口の多数種類のあるスイッチパネルを正しい順番に押すことが必要だ


ストーリーではメルが攻略に多大な時間を費やしていた。そして、この暗号は時間や気候によって変わる


そして、このパネル横に3種類、縦に3種類ありそれぞれに不思議な暗号が書いてある。これはこの世界の古代言語なのですが俺にも分からない。普通はラノベで異世界の細かい言語の説明はしないしね


しかし、ラノベではメルがスイッチを押す動作が細かく描かれていた。一番左上を仮に一番として、その隣を二番、またその隣を三番、そして下の段の左を四番とする。こう言った感じで書かれていた


なので、読者はメルがスイッチを押すシーンをどのスイッチを今押しているか理解しやすかったのだ。作者さんの手腕に脱帽。


そして、暗号は時間によって変わりますが五種類しか存在しない


先程の仮数字理論で行くと……



57855687

57996875

12675997

46762859

59279588


という番号を順番で押すことで神殿は開ける。よし、開いた。三番目の番号で開いたぜ!


若干、運が無かったのか? 運はいい方だから一発かと思ったけどまぁ、いいか。




さて、神殿内もかなり神秘的な造形。しばらく歩くと台座に聖剣が差し込んである。それを抜こうとすると



「お待ちなさい」


という凛とした声が神殿内に響き渡る。しかし、俺は気にせず聖剣を抜いた。


「ええ!? ちょ、ちょっと待ってって言ったよね!?」


彼女は星霊。しかし、もう力はなくあまり役に立たないので放っておこう。


「ちょ、ちょ待てよ! 話聞いて!? 私達は星霊で千年前にこの世界を救った偉大なる存在なんだぞ!! 僕たちの話聞きたくない!? 絶対、偉大な発見として後世に語り継がれるって……君妖精じゃないね!? えええええ!? 誰!???」


簡単に言うと彼女は幼女。幼稚園生位の幼女。俺は個人的に彼女の事はキャラとして嫌いではないが彼女達ほどではないのでスルーすることにした


「話を聞け!!!!」

「その話とは、貴方達星霊は妖精の信仰によって生まれた存在であり、今現在信仰が薄まりつつありさらに千年前に力を使いすぎて役立たずと言う事ですか?」

「な、なんで、そのことを……」

「フフフ、じゃあ、そういうことで……」



俺はその場からダッシュで神殿を出た。




剛炎の神殿は巨大魔法人形との対決だが、実はこれを操っている存在は角の方にいるのは分かっていたのでそれを潰して一瞬でかたを付ける。




深海の神殿はとてつもない広さのダンジョンであり、攻略にはかなりの時間を費やすのだがここにいる星霊は優しいので帰るときは直ぐに帰れるように入り口の部屋の右のタイルと最深部を繋いでくれている。そこを通ってクリア




稲妻の神殿は訳の分からない人形がクイズを出してくるが、来る問題は分かっているので最初の一文字を言った瞬間に正解してクリア




深淵の神殿は自分の頭に手を置きトラウマを星霊が読み取り克服すると言うものであり、さらにこの星霊は質が悪いのでいつまでもトラウマを読み取る。しかし、俺のトラウマはかなり奇抜な物なので逆にあちらが照れてしまった


嘗て、ワンクリック詐欺に引っかかり家族にそれを真剣に相談したときのあの地獄の空気感。小学性の時、上級生にいたずらされて『コンマ』の反対を大きな声で言ったら飴を上げると言われ実際に言ったら場の空気が死んだこと、などなど。トイレのカギを掛け忘れて……などなど。


異世界の羞恥心と言うのは星霊にとって感じたことないようであちらのリタイアで幕を閉じた




よし、メルの所に戻るか



「なに!? 攻略したやと!!!!!!!!!!!????????????? まだ、七分と十七秒しか、突入してから経ってないで!?」

「そうなんですか? まぁ、大したことじゃないので?」

「うざ!!!! なんや、コイツ、ホンマ」





――五つの中間パワーアップアイテムを持って、直ぐに現代に戻った





◆◆



黒田十六夜は最速で武器を手に入れた。しかし、問題は山積みである。


ヒロイン達との関係。


そう、まだ序章に過ぎない。ここから徐々に彼の奇行がどんどんエスカレートしていく。


どんどんファンタジーな出来事が起きる。



まだまだ、序章。この後すぐ、彼とヒロインの関係が大きく変わることなどまだ誰も知る由もない。








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る