第13話 栗生


ドアを開けると受付の様な空間があり

綺麗な女性がこちらに向かい優しい顔を浮かべた。

「こんにちは。」


祐司は人生でこの様な空間にいたことがなかったので立ち尽くしてしまっていた。


「大変申し訳ないのですが、

本日のお昼の営業は終了致しました。」


やっと状況が飲み込めて来て

「いやいや、あのそうじゃなくてっすねー」

祐司が理由を説明しようとしたその時



「西条さん、明日2名ソワニエの安田さん18時から入れておいて。俺の方に直接連絡きてさ。」

とコックコートを来た細身の男性がやって来た。

あれ?どこかで見たことある気がする?

祐司は記憶を辿るが出てこない。


「シェフかしこまりました。

その日は安田様入りましたので満席となりました。

シェフこちらのお客様、今のお時間なのでお断りさせて頂いたのですが、、、」


受付にいる西条と呼ばれた女性が俺の方を向きながらシェフに目を配る


「いやいや、お客でなく

太田の紹介で来ました飛鳥ですけど?

栗生を呼んで貰えば大丈夫って言われてきました!」

と祐司は言った。

すると一瞬シェフと呼ばれた男性は目を大きくさせて驚いたが、少し笑いながら


「ああ、君がそうなんだね。

話は太田から聞いてるよ。

初めまして私が栗生です。

この店のシェフをしております。

太田とは学生時代からの付き合いでね。

西条さん、彼を個室に案内しておいて。」


と言いながら栗生はフロアへと戻っていく


「あ、、はい。

わかりました。

では飛鳥様、こちらへどうぞ。

ご案内致します。」


西条と呼ばれた女性に案内されながら、個室へと足を運ぶ祐司であった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る