第11話 クリスマス当日


12/25日 世間はクリスマス。

俺は一昨日から始まったクリスマスメニューに興奮を覚えていた。

先ずテリーヌ。

なんて綺麗な断面なんだ。

野菜のカラフルな色合い、真ん中には

サーモン。

これが嫌いな人はいるのであろうか?

周りはキャベツで巻いてある。

続いてはコンソメスープ。

今まで美味しいと思った事がなかった。

でもムッシュ曰くダブルコンソメという名の料理らしい。

豊潤な香りと強い旨味。

そしてフォアグラ。

人生で初めて食べた。

うちの両親でさえ食べたことないのではないのか?と思う。

カリッとした外側。

中はとろっとろ。

なんだこれ!?

こんな美味いものがあったなんて、、、

そしてメインは牛頰肉の煮込み料理。

箸で切れる柔らかさである。

年配のお客さんも多いので、箸も出しているので、これも大絶賛とのこと。

今まで食べてきたことのない味だった。

深みがある。そして良い香りだ。

そして最後は俺のデザートが締めると言うわけである。

本来なら魚料理が入るらしいが

サーモンが入ってるしフォアグラ食べたいだろ!という先代からの意向らしい。


「おはようございます!」

仕込みで少し早く来ている俺より遅く悠花さんが登場した。

「おはようございまーす!悠花さん」

職場とはいえクリスマスは一緒にいれるってことだね♪

と妄想していると

「祐司!気を抜くなよー!

今日も満席だからなー!」

よしもう一踏ん張りするか!

「イエス ボス!」


、、、

はぁー。

終わった。

洗い物も終わり、拭きあげも終わった。

長かったなー、、、

クリスマスもあと2時間で終わりか。。


『お疲れ様でーす』

みんな帰っていく、、


俺も階段を登ろうとしたその時


「お疲れ様、祐司くん。

クリスマスプレゼントあげるね!」

そこにはマフラーをした悠花さんがいた。

「え?いいんですか?

あーーしくった。俺手ぶらっす。

すんません、、」

悠花さんは微笑んで

「忙しかったのは知ってるし大丈夫よ。

お返しいつか待ってるね。

それじゃあねー!ばいばーい!」

女神は帰って行った。


俺は家に帰って悠花さんから貰った

赤い包みを開いた。

中には手袋と手紙が入っていた。

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