第10話 ブランマンジェ


白いプリンのような物を一口。

そこで俺の絶品リストにまた一つ加わってしまった、、、


ブランマンジェ。

日本語訳すると白い食べ物。らしい。

そのまんま。

見た目は杏仁豆腐みたいだ。

俺は杏仁豆腐が嫌いである。

缶詰やバイキングでしか食べたことないが

あの食感と味は祐司にとって好きな物ではなかった。

同じ様な見た目のこの料理。

なんでこんなに美味しいのだろう?

「ボス!なんなんすかこやつは!?」

シェフは髭を撫でながら

「やっとシェフと呼び始めたかと思いきや、、

まぁいい。

これはなローストしたアーモンドをミルクに香りを移して、生クリームと合わせて固まるギリギリの柔らかさに仕上げてるんだ。

この小さい白い塊の中にすごく時間と工夫と味が詰まっているんだぞ。

これがフランス料理の醍醐味だ。」


!?!?!?!?

フランス料理ってめっちゃカッコいい!!

そしてベリーの甘酸っぱさととても合う。

ガラスの真ん中が凹んだ器の中央に

ブランマンジェ。

その周りにベリーソース。

ミントを添えて。

少し粉糖。

クリスマスカラー勢揃い。

こんな髭っつらのおっさんから

素敵なデザートがうまれるとは、、

実は心は乙女なのか?

ほーほー。

乙女系髭オヤジキャラか。

長い名前だ。

「おい、祐司!

これ本番はやるんだからな。

覚えておけよ!

仕込み方はあとで教える。

わかったな?」

これがつくれればモテモテだぜ!

祐司はそんな邪な考えを持ちながら

「イエス ボス!」

やる気に満ち溢れていた。

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