第7話 初デート


「待ったー?

早いね、待ち合わせ時間10分以上前なのにー。

てっきり私の方が早いかと思ってたよ。」

笑いながら悠花さんは近づいてくる。


あのあと、俺は無事悠花さんとの初デートに漕ぎ着けたのであった。

ラッキーなことにバイト代が翌日に出て、そのお金で初めて駅前のアパレルショップに行ったのであった。

帰ってきた祐司を見て、妹は

ニヤニヤしながら

「ピッチャー祐司 背番号1! 青い春が到来しました!」と実況していた。


そんな新品の服装でコーディネートした俺に対して、悠花さんは紺色のワンピースであった。仕事中と違いおろした髪型の方が個人的には好みである。


「あー!ここだよ!おしゃれだね!」

あっという間に目的のカフェへと到着したのであった。

某グルメサイトを見ても評価が高く、可愛らしい店内、装飾品のある小さなカフェだった。

扉を開けてスタッフの方に

「予約していた飛鳥ですけどもー。」

と俺は言った。

実は何度もイメージトレーニングをしていたのであった。

色々なサイトを見て、エスコートするには?

初デートはどうしたらいい?と言ったサイトを数多く検索した祐司であった。

その結果、予約をして頼れる歳下男性キャラを演じることにしたのであった。

「祐司くん予約してくれたの?

ありがとう。」

悠花も嬉しそうにしている。

祐司の好感度は1upした。(自称)

席につきメニューを見た。

悠花さんはここのパンケーキが食べたかったらしい。

俺はメニューを見た瞬間、目に入ったものがあった。

お互いメニューが決まったところで

悠花さんはスタッフを呼び

「私はミルクティーと生クリームたっぷりパンケーキで!

祐司くんはなにー?」

「俺はクレームブリュレとレモンティーで」

スタッフの方はメニューを復唱して、キッチンへ向かうのであった。

悠花さんは笑いながら

「祐司くん本当好きなのねー。

ムッシュが聞いたら喜ぶわね!」

って言うその顔が堪らなく可愛くて興奮して

祐司は来たてのレモンティーを一気飲みするのであった。

しばらく談笑していると

お目当てのパンケーキとクレームブリュレが運ばれてきた。

パンケーキは厚みが5センチほどで

柔らかそうな生クリームがたっぷりとかけられたSNS受けが良さそうなデザートであった。

俺の方はというと、すごく薄いお皿にクレームブリュレがつくってある。

なので大好きなキャラメルの部分も多い。

『いただきまーす』2人は声を揃えて食べはじめるのであった。

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