第3話 音
歩きもしたし、逃げもしたが、まだ流れの音が聞こえる。
過ぎた川の音なのでその姿は見えない。くわえて先から吹き出した風の音もする。風に流されてくる川の音が幻音のように、またそよぐ。
目に見えないからといって、何も無くなったわけではないと、凄味を利かし
そんな間抜けな
幻音の暴流、耳にとどまらず、
こんなところをほっつき歩いて何をしていると、生活を急かす突然の雨が、逃げ場を
梅雨時に、かつて自分で
ただ人はみな弱いのだ、その弱さが人それぞれであって、その違いをひとり
俗門未識栴檀香(俗門、未だ
擬托良縁益自傷(良縁に
誰愛風流低格調(誰か愛せん、風流にして格調のひくきを)
共憐時世倹器用(共に憐れむ、
敢將十指誇鍼巧(
不把双眉闘画長(
毎恨年年圧金線(
為他人作大袈裟(他人の為に大袈裟を作るを)
梅雨空を見る。
(つづく)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます