第12話初ダンジョン攻略2
「なにこれ?」
っと夢見が先生がワープを見せた時より驚いていた。それは当たり前だろう。外からは全く見えなかったのに入り口に入った瞬間景色がいきなり変わたのだから。
「ダンジョンの入り口は人間が作ってた物だ。」
と先生が新入生にダンジョンについて話し始めた。
「もう再現できないが、昔は空間と違う空間を繋げる技術があったらしいや。まぁ私がさっき見せた魔法をさらに強化したのがダンジョンの入り口ってわけだ。」
ダンジョンについてざっくりとした説明をしていた。
説明が終わると先生は、部長を見て
「ほら、さっさと並ばせろ。」
と指示を出した。
部長は先生の指示を受けて
「はい!じゃあおれ、苦木、生身、一ノ瀬、岬、先生、夢見、上原。の順番で並んでくれ。」
と部長が周りに伝えた。この順番は新入生を俺達が見えるように挟み込むような形をしている。
後ろから見て新入生が疲れていたり、体調が悪そうだったりなど異変を見つける為だ。恐らくこの並び順番も昨日ランニングを見て部長なりに考えたんだろう。
そして、各々並び始めた。
「じゃあ行くけど大丈夫か?」
部長は後ろを向いて確かめるが
誰も何も言わなかったので大丈夫と判断したんだろう。
部長はゆっくりと進み始めた。
「わくわくすね!」
と後から岬の興奮した声が聞こえた。
「先輩。どこもダンジョンってこんなにキレイにされてるんすか?」
と岬は興奮しながら一ノ瀬に聞いてきた。夢見や苦木は今はダンジョンを歩く事で背一杯だし、生身はそもそもあまり話さない。
だから、岬が後ろに配置された時に何となく自分が岬相手をしないといけない事に気づいていた。
「いや、ここは観光スポットにしようとしてるから特別整備されているね。」
と岬の疑問に答えた。
ここは車道と変わらないくらいにしっかりと道が整備されており、道も平である。天井にはしっかりライトがついており、しっかりと足元が見えるようになっている。
坂や分かれ道がないこのダンジョンは初心者向けとして有名である。
だから、毎年初心者最初の攻略と言えばここに決まっているらしい。
「へぇー。じゃあ本当に昔もドラゴンしかいなかったんすかね?」
「どうだろうな?他に仕掛けとかあったのかも知れないけど。」
昔の事は昔ののやつしか知らないしな。
としっかり舗装されている道を歩いていく。今は俺達しかダンジョンにいないのか足音だけがダンジョンに響いていた。
「平って言われても距離歩いてればつかれますね。」
と後から夢見の疲労した声が聞こえてきた。
「何言ってるんすか夢見ちゃん!疲れてからが本番っすよ!」
「岬ちゃんは本当に体育会系のノリだよね。私帰宅部だったからにがてだよー。」
夢見は勝手になんなかの運動部に入っていたと思っていたけど帰宅部だったのか。
と後ろの会話を盗み聞いていると
道が開けた場所に着いた。
「よし!ここで小休憩をとる!」
と言って部長は後からくる部員の邪魔にならないように端っこの方に座った。
それに続いてだいたい今までの並び順で開けた道に座り始めた。
「上原先輩!一緒に休もっす!」
と言って岬は副部長がいる後ろにいっしまった。
副部長は
「無理しなくていいよ~。」
とあまり乗り気じゃなかたが
「無理させてください!」
と強引に副部長の元に行っていた。
それを前から見ていた生身が、
「あの子自分が上原副部長から避けらているの気づいてないのかしら?」
誰に言うわけでもなく少し呟いていた。
「言ってやるなよ。恐らく気にしてるだろうし。」
聞こえてしまったので生身に言って見たが生身からの返答はなかった。
シンプルに傷ついた心を癒すために携帯食料を口の中にいれた。
するとまた独り言が始まった。
「夢見が疲れていたけどどうして休みは少し後だったのかしら。」
と生身は夢見の方を向いて言っていた。確かに夢見はここにくるよりも前に休ませるべきだったかも知れない。
「部長の考えがあったのかもしれないだろ。」
「部員のことより大切な物とはなにかしら。それに今日は慣れさせるのが目的なら尚更無理をさせた理由が分からないわ。」
部長は体に似合わず計画人間だったりする。恐らく部長の計画では、ここまで来るのは新入生の体力を見てここまで来ると計画していたんだろう。
独り言はここで終りなのか生身は自分の髪をいじり始めた。
大分話してしまいあまりに食べれていなかったのでブロック状の食べ物を口に入れて急いで水で胃の中に流しこんだ。
それと同じくらいの時間で部長が立ちあがり
「10分間の休憩終了!さっきのように並んでくれ。」
部長の指示を受けてみんな並んでいった。面倒くさそうに立ち上がる副部長やちょっとまだ疲れているのか夢見はゆっくりと立ち上がっていた。
「2時間くらいで今半分くらいついている!あと、半分頑張るぞ!」
と夢見をちらちらと見ながら部長は前に進んで行った
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