第11話初ダンジョン攻略1

「竜の胃袋」

この町をずーっと奥に行った場所にこのダンジョンは存在する。

かつて、巨大な竜がこのダンジョンの核を守っていたと言われている。

今ではその核があった場所がダンジョン攻略のゴール地点であり、ドラゴンどころか魔物一匹もいない。

しかし、それでは寂しいと言った話がありこのダンジョンは色んな場所に花が埋めれており、今では様々な花を楽しめるダンジョンとして人気が出ている。

そんな物を見ていた新入生達の中から夢見が


「入り口しかないですけど?」

と巨大な木造の入り口を指さして言った。

他の新入生も同じ事を思っていたらしく恐がりながらも入り口ペタペタと触っている苦木。


「なんすっか!これ!」

と言って岬はその入り口を中に入ったりそこから出たりを繰り返して楽しんでいた。他の新入生に岬の姿を見ていないが、どうやら気がついたみたいだ。

近くで入り口を触っていた苦木を掴んだ。


「こっちに来るっす!」


「え?きゃああ!」

と強引にダンジョンの門の中に入れられた。


「おい!勝手に」

と部長が言い終わる前に2人は入り口に入ってしまった。

すると苦木と岬は門の反対側に出ることなく消えてしまった。


「え!?何が起こったの?」

と言って夢見は恐怖や驚愕と言った表情を混ぜたような顔をして入り口を見ていた。

顔からして大分慌てているようだ。

「先生どうします?」


「始めてきたんだ。好きにさせておけ。」


「うわー。俺らもこうなったよな~。懐かしいわ。」

と田村は夢見を見て笑っていた。


「お前俺が入った後も入らなかったもんな。こわいこわい。って」

と昔の傷を俺が抉ると


「やめろよ!夢見ちゃんを見て楽しめなくなるだろうが!」

と俺の肩を軽く殴った。

別に田村や夢見がおかしいわけじゃない。これは最初に入るよりも誰かが入ったのを見てから入った方が怖いのだ。

突然人が消えたように見えるから焦るのは正常な反応だろう。

しかしそんな中に生身はたいして驚かずにこう言った。

そして、混乱している生身の側に向かった。

「落ち着いて。大丈夫だから。先生も早く説明してあげてください!後部長か副部長さん!先に行ったバカ 2人を連れ戻して来て下さい!」

と今日の朝の時とは違う怒りを生身は身につけていた。

それを聞いていた部長は、


「やっぱりみんなで入らせるべきだったか。すまない夢見。」

と言って部長は、入り口に入っていき部長もまた姿を消した。


「私はぱーす。」

と言って副部長は、その場所に座り込んだ。別に危険のある場所じゃないし連れてくるだけなら部長だけで充分だと感じたのだろう。

その判断に問題はないが、あるとしたら生身に睨まれている事くらいだろう。

しばらく待っていると部長ともに2人も楽しそうに出てきた。

その姿を見てやっと夢見は落ち着いたようで副部長と同じように地面に座り込んだ。


「良かった。良かったよ~。」

と苦木達を見て安心している夢見。


「どうしたんっすか?夢見ちゃん。顔色悪いっすよ。」


「・・?大丈夫?」

と夢見の心配とは無縁の2人は不思議そうに夢見を見ていた。

この後に2人を生身が怒りかけたが先生が先に


「今の行動でも減点されるからな。今日はダンジョンに慣れるのが目的だから言わないがもし次から今のをやったら燃やすからな。気を付けろよ」

と2人に対して釘をさした為に生身はそれを抑えこんだ。


「ごめんなさいっす。」


「・・すみません」

と2人は私達に向かって謝っていた。

ちょっと重い空気がダンジョン部ので中に流れる。

そんな空気を断ち切るように部長が


「じゃあ今度はみんなで入るぞ!いいですよね!先生。」

といきなり大声で話し始めた。

まだ慣れないのか苦木はびっくりして夢見の後ろに隠れた。

それを見ていた夢見は困ったような嬉しいような表情をしていた。

部長の話を聞いた先生は、


「別にそうするつもりだったし大丈夫だぞ。説明ずるずるより早いと思うしな。実際に見たほうが。」

と部長の提案を承認した。

そしてダンジョン部全員で中に入っていった。

入り口の中に入るとさっきの先生の魔法のように周りが歪み、そして歪みが直った時には巨大なダンジョンの中に入っていた。



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