第8話小さくても進歩
途中に副部長の地雷を踏んでしまい、空気が悪くなってしまったがそれからは何も起こらずに準備をする事ができた。
皿を洗い終わり、副部長が家庭科室前にいくと、丁度部長達が帰ってきたところだった。
部長、岬、夢見、生身、苦木、そして最後に田村の順番で帰ってきた。
『よし!みんな始めてながらよく俺についてきた!』
と部長は後ろを向いて後ろにいる部員建ちに向かって言った。
『あっはは!まだまだ余裕っよ!』
と足を上げてシュシュと蹴りを見せる岬。
よくわからないがまだまだ動けると言うと事を表したいのかも知れない。
それを見ていた生身は、
『本当体力だけは無駄にあるわね。』
と言って副部長がいる日陰に座りこむ。
『こらー。ここは、特等席だぞー。すわるな。』
『ふん。随分安っぽい特等席ね。』
と副部長と生身が謎の争いを繰り広げていた。』
そんな様子を苦木と夢見は、
『いや、生身ちゃんも充分だよ。』
『うん・・。私達もクタクタだし。』
と副部長と言い争いをしている生身を見ていた。
苦木は生身は夢見の後ろに隠れていた。夢見は自己紹介から面倒見はよさそうだったし、苦木と打ち解ける事が出来たのかも知れないな。
と思っていると田村が
『げぇ~。吐きそう』
と言って水道の方に向かっていった。血の気が引いており、歩き方からゾンビのように見えた。
みんなが思い思いの行動をしていると部長が、
『よし!みんな集まった事だしまさ今から調理だー。』
と言っていよいよ調理の模擬練習がはじまった。
あらかじめ浸かしておいた米を部長が持ってきた。どうやら家庭科室の中にいれていたらしい。
そして火を着ける為にガス缶けにガスヘットをガス缶の入口につけた。
ガスヘットにはガスが出る量を操れるようになっている。一般的なガスヘットについている火打ち石でガスに点火するようになっている。
しかしこの部活のガスヘットは火打ち石はこわれてしまっている為に自力でライターで付けないといけなかった。
部長は周りを見て
『学校のガスヘットは調子が悪いから直接ライターで着けてくれ。そして、あまり近くでやると着いたときの火で火傷するから着いた瞬間てをどけるように。』
と言って部長はガスヘットギリギリまで手を近ずけ、火が着いた。瞬間手を退けた。
部長の慣れた手付きに
『すごいっす!』
『・・こわい』
と様々な反応が聞こえる。
まぁ慣れば誰でも出来るんだが、まぁみんな楽しそうだしいいや。
と部長が着けたガスヘットの上に鍋をおいた。
『田村ーちょっと鍋見張っていて。』
『あいよ。』
と田村に鍋の晩を任せて隣の新入生達が切っている野菜を見に行った。
ちなみに部長は毒桜先生を呼びに、そして副部長はお客さんとしてか日陰で休んでいる。
副部長曰く自分は審査委員らしい。
そんなサボり魔先輩を無視して一ノ瀬は鍋から少し離れたら場所で野菜を切っている新入生達のところに向かった。
『うひょー!たのしいっす!』
と言って力の限り野菜を刻みまくる岬。切り刻み過ぎて細切れになってしまっている。所々に野菜が飛び散ってしまっている。
『ばか!こっちに飛ぶでしょ!』
と言って岬に怒っている生身。
ちなみにしっかりと銀杏切りが出来ており、生身が岬を見張っているなら俺はここにいる必要はないのかも知れないな。
でも、生身は最初の自己紹介でクールな印象だったけど岬との絡みを見ていると結構面倒見がいいやつなのかも知れない。
そんな感じに一ノ瀬は鍋に戻る事にした。鍋の方では田村が米が焦げないように鍋をかき混ぜていた。
『変わるよ。』
『お、助かるわ。流石に疲れたー。』
と言って一ノ瀬にヘラを渡して田村は味付けの材料を取りにいった。
しばらく煮込み、大分米も出来てきた為
『じゃあ、最初にコンソメ頼みます。』
『はい!』
『 ・・これで大丈夫でしょうか。』
と元気な夢見と自信がない感じで苦木はコンソメを中に入れた。
コンソメが入れた鍋からはさっきまで何の香りもしてなかった鍋にコンソメ独特な匂い感じが追加された。
そして、その後に岬と生身が刻んでいた野菜が入れられた。
本当はニンジンとかは硬いからもっと早めに入れた方が良かったけどまぁ大丈夫だろう。
と作業が終わった2人も鍋の前に来た為に新入生が全員集まった事になった。
『そういえばさ、夢見と苦木は結構一緒にいる事多いけど知りあいだったりする?』
『よく気がつきましたね!はい、私たちはしょう学校からずーっと一緒なんだよね!』
と夢見は小動物を捕まえたハンターのようにがばっと苦木を捕まえた。
『・・夢見ちゃん。恥ずかしいよー。』
『恥ずかしくなんてないよ!ここで私たちの愛を見せつけてやろうじゃないか!』
『トゥクン。』
とオスになった夢見とメスになった苦木。その関係が今決まってしまった。捕食者の夢見はゆっくりと苦木のジャージを脱がそうと
『ばっかじゃないの!あんたら!』
と生身が夢見の腹を思いっきり蹴りを入れた。
『ぐふっ!』
とかわいらしいさの欠片もない声で夢見は倒れこむ。
『あんたもしっかりしなさい!』
と言ってぼんやりしていた苦木の頭にチョップをする。
『ヒン!』
言って苦木も頭を抑えで倒れてしまう。残ったのは顔を真っ赤にしながら立っている生身だけだった。
あまりにも急展開で、呆然と見ている一ノ瀬に岬は
『知らないすっか?夢見はハンターと呼ばれていて色んな生徒を食べているっす。だから、迂闊に夢見のスイッチを入れるような事言ってはいけないっすよ。』
と岬に言われた。
いや、別に悪い事じゃないだけどさ知りたくなかったなー。なんとなく。
そんな感じに一悶着あったが、無事にリゾットを作る事が出来てきた。
リゾットを個人の皿に分けようとしていると、
『随分かかったな。』
と部長ともに夢見の赤より少し薄い髪の色をしている女性が来ていた。
その女性は、眼鏡をかけており髪はポニーテールになっている。
一番の特注はボール詰めてるじゃないかと言われたいる胸だと思う。
そんな巨乳は、うちの部活の顧問である毒桜先生である。
『うわ、大きい!』
とさっき蹴られたばかりの夢見は先生を見てヨダレを垂らしていた。
いや、狙ってるのかよ。
ヤッバイな。今日は一日で新入生達の印象ががらりと変わったんだけど。一番ヤバイのが夢見だとは思っていなかった。
毒桜はみんなが自分に注目したのを確認してから
『私の名前は毒桜だ!毒桜先生と呼ぶように!そして君達に伝える事がある!』
と言った後に部長がみんなにプリントを渡し始めた。
そこには『新入生歓迎日帰りダンジョン攻略』
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