第6話ランニングと調理。
岬によって体力を大幅に削られた一ノ瀬は、学校の下にあるコンビニまで行く気力もなく朝飯を買う事が出来ないまま授業を受ける事になった。
軽く所かがっつり走らされた為に一ノ瀬はかなり疲労しとおり、結局一ノ瀬は今日の授業をあまり集中できずに聞き流していた。
別に一ノ瀬は体力が無いわけではない。
ダンジョン攻略にはもちろん体力がいるため部活内で走ったりなど体力づくりはしっかりしている。
しかしやっぱり運動部との体力の差はとても大きい。
運動部の体力づくりなどのトレーニングに比べたらダンジョン部の体力づくりは緩く見えてしまうかも知れない。
実際岬はわりと距離がある学校までの距離を俺を引っ張って走っていた。
それにも 関わらずに岬はまだまだ余裕な顔をこっちに向けていた。
おっとりした顔からは『先輩?もう限界なんすか?』と無言の煽りを感じた気がした。
俺なんかいつもより速いペースで走らされて今の様になっている。
春の陽気が一ノ瀬の意識を奪っていった。授業を聞いていないのは俺のせいじゃないんだ。春が時間泥棒なだけなんだ~。
そんな感じにうたた寝しているうちに放課後になっていた。
ぶるぶる!と音がして一ノ瀬は薄く目を開けた。何の音だと思い音の聞こえてきた所を見ると自分のスマホがなっている事に気がついた。
画面を見てみると
『校門前に集合ー。後走りやすい格好で来てね?後このメッセージみてから5分以内に来ないと大変なことになるよ。(>_<)』
と副部長から召集がかかっていた。
てか、かわいい絵文字使うな。と一ノ瀬はカスミ副部長があまりそうゆう所を見せないため少し穏やかな気持ちになった。
しかし一ノ瀬はそのメッセージを見て汗が止まらなくなっていた。
何故ならもう10分以上前にこのメッセージは送らているからだった。
田村の野郎俺の事起こせよ!と心の中で少し叫んでから一ノ瀬は急いで運動着に着替えた。
あのチャラ男が起こすわけないか!
『くそ!今日は走ってばっかりだ!』
と走りながらどうも走る事に縁がある今日をとても恨んだ。
急いで昇降口で靴を履き替え校門に向かうともう誰もいなかった。
別に他の部活の人達はわらわらと集まっていたりしているがダンジョン部のメンツは見あたらない。
そんな風にキョロキョロと見渡していると
『あー、自分だけ置いてかれたのかー。あーでも、カスミちゃんがいなくて良かったなー。いたら5分も待たせている事になるし殺されるじゃあすまないからね。』
とわざとらしく微妙なモノマネでカスミは後に立っていた。
その顔は笑ってはいたが雰囲気で誰もが察するだろう。
これはめちゃくちゃ怒っていると。
『ど、ども。』
と言った瞬間に一ノ瀬の顔に強烈なハイキックが直撃した。
『部長達が買い物班。私達が調理準備班。』
とカスミ副部長は一ノ瀬を引きずりながら言った。
段差とかお構い無しに引きずるため周りからは死体をひきずっているように見られてもおかしくはないだろう。
『副部長。それ昨日言ってないじゃないですか。』
『だから部長とは別によんだんじゃない。どっちにしろ寝ていたなら遅刻は遅刻だよー。ほら、言い訳するほどその人の信頼はおちるぞー。』
そんな風に地獄のような引きずり回しを部室までされることになった。
部室手前で副部長は手を離して、
ポケットに入れていた部室の鍵を使い開けた。
開けた瞬間にいつも砂ボコりが部屋の中を舞っていく。
そんな事お構い無しに副部長は部室に入っていく。
一ノ瀬も立ちあがり、引きずれてヒリヒリする背中を我慢して部室に入っていった。
むせそうな位に砂ボコりが舞っている。
『いや、副部長。窓開けましょうよ』
『あー。じゃあよろしく。』
副部長は食器などをかごに入れており、窓を開ける気はないようだ。
てか、これは衛生面でしょう問題があるじゃないかと思いながら
一ノ瀬は奥の方にある窓を全開にした。そのおかげか大分息をしやすくなったと思う。
これ新入生きたんだし片ずけた方がいいじゃないだろうかと色んな物が散乱している部屋を見ていると
『米はいつもの場所に置いてありやから』
とそんなの関係なしに副部長は一ノ瀬に言った。
『分かりました。』
『ガス缶は2つでよき?』
『はいそれでお願いします。』
と副部長からガス缶を受け取り小鍋の中に入れる。
『後ガスヘッド。』
と黒い箱を2つ鍋の中にいれられる。
これで鍋の半分位が埋まった。
『あと、包丁、まな板、風よけ。』
と副部長は包丁、まな板、風よけの板などをまとめて鍋の中に入れようとしてきた。
『ちょっと待ってください!副部長は何を持つんですか!』
副部長は片手でかごを持ち上げる。
『いや、何にも入ってないじゃないですけど!?』
『はぁ~。あのさ私先輩。一ノ瀬は後輩。わかる?』
『いや、分かりますけど・・。』
『なら、黙って持つ。今日遅れてきた罰も含めているだからね。』
と言って鍵を閉めずにかごだけ持って副部長は出ていった。
『はぁ~。まぁこうゆう人だしな。』
大方、この調理班の組み訳も自分がサボる為に分けられたものなんだろう。
こうゆう人だもんな。
副部長は鍵をいちいち閉めるたいぷではなく一ノ瀬も閉めるタイプではなかった為部室の鍵を閉めずにそのまま副部長の後をついていった。
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