第8話 義妹デート (怒)
外の雨音が増してゆく。
ここはショッピングモール。
俺と有栖は傘を持っていない。
なのでしばらく雨宿りしようという流れに落ち着いた。
「さて…この後どうする?」
俺は有栖に問いかけてみたが反応がない。
気になったので覗き込むと指をモジモジしながら独り言を呟いている。
(お兄ちゃんとここ行きたい…いやでもここも捨てられない……あ、でもここもここも…………。)
有栖はどうやらこの後の事を考えてくれていたようだ。それも俺が楽しめるようにと。
(………なんだそれ可愛すぎんだろおおお!)
有栖は(うーん…うーーん…)と困惑していたので俺は有栖の頬っぺたをぷにゅぷにゅしてみた。
「ふぇ!?お、お兄ちゃんどったの??」
「いやー有栖が可愛くてなー」
「も、もう……からかわないでよーー。」
「ごめんごめん」
「も、もういいから、行こ!」
そう言って指を向けた方には”アニメイド”が見えた。確かに俺たちにとっては良さそうな場所だ。俺は承諾し、有栖の後を歩き始めた。
その時だった。
この強風大雨の中1つの窓が全開になっていた。そこからはちょうど風が抜け道のように入ってきていた。
そして有栖もその風邪に襲われた。
有栖のスカートは風という名の変態に襲われ宙に舞う。するとあるものが俺の前に露見した。
”パンツ”である。
妹といえど流石にパンツを見た事がなかったので俺はこの光景を脳内メモリーに焼き付ける。
あぁ、なんと綺麗な水玉模様なのだろうか。
(パンツ…これが妹のパンツ…!
なんと……なんと素晴らしいのだ!!)
俺の脳内はもはや真っピンクもいいとこだ。
すると有栖は羞恥で顔を赤めて俺を睨んでいた。
「もう!お兄ちゃんのばかぁあああ!!」
「全てデリートぉぉ!!」
有栖はそう言うとプンプンしながら先に歩いていってしまった。
まいったな。
つい凝視しすぎたな…反省。
俺はやや小走りで有栖の元に追いつく。
すると有栖がまた口を開いた。
「お兄ちゃん……今度見たら…わかるよね?」
つまりそう言うことだろう。
有栖の低く冷たい声が俺の中に響いている。
有栖……。く、俺はなんということを………。
とりあえず有栖に謝らないと…!俺は言葉を選び有栖への謝罪文を口にした。
「ごめん有栖…。さっきは凝視しちまって。恥ずかしかったよな。うん反省してる……。だから………。」
そう言葉を選んだはずだった……ここまでは。
「だからさ…………。」
「水玉パンツ見た事は水に流してほしい!!」
言い切った。
言い切ってしまった……。
我ながら水をかけて上手いと思い上機嫌。
しかし有栖はと言うと……
怒りをあらわにし今にも暴れだしそうだ。
顔を真っ赤に染めて俺に飛び蹴りを食らわせた。
「ばっ……ばかぁああ!」
「死ねエエエエエ!!」
俺の体は宙に舞った。
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