第5話 白喰い電虫

真っ白な空間に彼女はいた。

彼女の名は藤崎未来。


…ここはどこ?


素直に疑問を呈する。


辺り一面真っ白でドアも真っ白である。四方が真っ白な壁で囲まれており、どうすればいいのやらと途方に暮れていると、


真っ白な壁が1部黒くなっていることに気づく。


そこを点として、次第にその黒は広がり、たちまちその黒は壁の一面を覆った。


「なにこれ…気持ち悪い。」


手で口をおさえながら後ずさりをする。


すると悶絶しだして、気を失った。


そして目覚めると


人格が入れ替わっていた。


ドグラへ変化していた。


「やぁ。リトルボーイ。あんたもこの世界にやって来れたんだね。人間を駆逐してこの世界の食物連鎖の頂点に我々が君臨するのよ!」


「初めて会うのだが、やけに馴れ馴れしいな。私は白を喰らう虫だ。この世界から白をなくしてやる。手始めにここからなぁ!」


その黒はやがて周りの白を侵食してゆく。


「第126の世界からの転移者は続々と集まっているな。これで私は仕事は順調に進められている。ぐふふふふ。」


不気味な笑いと共にその空間は白から黒になっていた。

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