第4話怪奇! 人食い彫刻人間

深夜ある学校。

美術室に忘れ物を取りに来た忠雄。

こんな遅い時間になったのも塾に行ってしまってから忘れ物をしていたことに気づいたからである。

忠雄は1人、電気もついていない暗い廊下を進み、美術室に向かう。

暗がりから何かが出てくるのではと怖気付きながらも明日提出の課題プリントを忘れてしまったのは大失敗だ。

学校の中は警備の人以外いない時間帯である。忠雄は警備の人にお願いして入れてもらったが、やはりこの異様ともいえる深夜の学校の雰囲気は今までの昼間の感じと全く異なるもので、身はこわばっていた。

自分以外人が誰もいない空間は、行き慣れてる場所とはいえやはり怖い。

ましてや美術室。

何も起きないことを祈るばかりである。

そして、長い長い廊下を進み続け、やがて美術室に辿り着いた。

美術室の鍵を使い、恐る恐る開ける。

黒板に、奥の壁にはラクガキ。

皆の作品が並べられた窓辺。

4体並んでいる彫刻。

いつくかの胸像。

夜に見ると、いずれも異様な雰囲気を醸し出している。

歩を進めると探していたプリントがあった。

はっと胸を撫で下ろす。

急いでそのプリントを手に取り、その場を後にする。

すると…


ガタン


何かが崩れるような音が聞こえる。

振り返るが誰もいない。


黒板に、奥の壁にはラクガキ。

皆の作品が並べられた窓辺。

3体並んでいる彫刻。

いくつかの胸像。


何かおかしいと思ったら彫刻の数がおかしいではないか。


何処に行った?


急に寒気が身体の筋を通る。


えっ誰が動かしたの?


誰かいるの?


恐怖に駆られたその身体は重く、動かなかった。


後ずさりを始めると何かにぶつかった。



振り向くとそこには


カッと口を大きく広げた彫刻が立っていた


うわぁぁぁぁぁぁぁぁ



翌日から忠雄の姿を見たものはいなかった。


どこにいったの?どこに消えたの?と皆大騒ぎになっていた。家族は悲しみに暮れていた。


しかし、ヒントは無くなっていた。


美術室の彫刻の数が変わってないのだから…


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