バカ
バカは憎む。自分の全てを踏み潰した不条理を。
バカは夢見る。いつか自由に翼を羽ばたかせる日を。
バカは妄想する。不条理などない幸せを築くと。
バカは酔いしれる。勘違いした己の能力に。
しかし、バカは気づかない。
生物も遺伝子の奴隷でしかないことを。
自分も所詮DNAと電気信号による物理法則に制限されたカスでしかないことを。
知らないうちに刻み込まれた理不尽な思考回路に。
それでも、バカは夢見る。
バカは努力する。
バカは絶望する。
バカは泣き叫ぶ。
バカは知る。
己を殺した不条理が自分の中にドクドクと息づいていることを。
水が低きに流れるが如く、自分の中に流れる不条理もまた自分を低俗なものに変えていくことを。
始めから何も変えられるはずなどなかったということを。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます