第0.09ー02話 Explosive Situation?(イッショクソクハツ?)
「かたじけない、
お言葉に甘え、おかわりを所望する。」
「イリスさん、私の事はただ“弦さん”と呼んでくれればいいですよ。
どうぞ、おかわりです。
たくさん食べてくださいね、闘いは腹が減る物ですから……。」
「ゲホッ……。
ちょい待ち……、弦さんなんで闘う事知ってんだよ?」
「いや何、簡単な事さ。
イリスさんが発する氣が、そうだと教えてくれている。
それに、この冷たくて凄烈な氣……貴女はこの世界の住人ではないとお見受けするがいかがかな?」
それまでの、特製カレーを囲んだホッコリした食卓に緊張が走る。
ったく、この人こういう人だったの忘れてたぜ。どう話せばいいってんだ?
俺が言葉を探していると、店の前を何台かの警察車両がサイレンを響かせて通り過ぎた。
「いや、あのな弦さん……、これにはチャント
「――貴殿、ナゼ我がこの世界の者でないと断じた?
答によっては、奴らを狩る前にここで我が剣の錆にしてくれようぞ。」
「チョーーーット待てって、イリス! コノ人は敵じゃねーから。
弦さんもイキナリ正体暴いたらメンドーな事んなるのわかってるだろーに……。
イヤイヤイヤ、ちょっと待ってくれよ弦さん。
全部説明すっからよ……。」
俺は兎に角二人をなだめる事に専念した。
店内のBGMは、いつの間にか Motörhead に変わっていた。ザクザクしたリフに酔いしれたかったが、今はそれどころじゃねーな。
俺たちのほかに客いなくて良かったぜホント。
「あ、いや……。これは私とした事が大人気ない真似をしたようだ。
申し訳なかった。
久しぶりに戦場に居た頃の感覚に戻ってしまったよ。
イリスさん、失礼をお許し願いたい……。」
弦さんの言葉でイリスは平静を取り戻していた。
口が乾いたのか、テーブル上のグラスを一気にあおった。
空いたグラスにすかさず弦さんがレモンウォーターを注ぐ。
その様子を眺めた後、ゆっくりとイリスが口を開いた。
「こちらこそ剣を抜くなどと先走ってしまった事、お詫びする。
……先ほど貴殿が言った事は、全て正しい。
我はイリス……、イリス・ダークシュナイダー。
魔族界の王にして最強の術者マルドゥック・ダークシュナイダーの孫。
近き将来、魔族界を統べる者にして魔族界からこの世界に逃げた者達の抹殺者。
【古き狼】の力を借り、脱走者を狩るためこの世界に参った……。」
※BGM「Ace of Spades」/ motörhead
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