第10話 ギルド集会所へ

昨日の常闇の森での暴走で闘熾は体がボロボロになって、全身筋肉痛、体の怠さが取れなかった。零奈は闘熾が暴走してしまったことにより少しこれからのことが不安になってしまっている。またあの暴走があったらどうするのだろう、と考えてしまう。

起きてからも動こうという気が起きていなかった。アルとエルはそれを見て少し呆れている。ただ、身勝手に神力解放をしようとしてしまったことについては猛省している。


「あの、おはようございます…。今日はお二人のステータスを確認しませんか?」


ステータス確認って、いつでも確認できるじゃないかとステータスウィンドウを表示していると


「違うよ、そうじゃなくて詳しく見るの。ここのギルド集会所には『ステータス写鏡』というものがあるの。」


「そこにいけば詳しいステータス情報が見れます!もしかすると『ユニークスキル』も確認できるかもしれませんよ!」


ユニークスキル、漫画やアニメ、主にラノベで聞いたことがある。ただ、それぞれで設定があるから正直あまりわかってない…。

零奈に関しては何のことだかわからずポカンとしている。

アルとエルによると『個人特有の特技』らしい。ただ、同じユニークスキルを持つ人も少なくないらしい。


「なんか、自分のこと全部知らないっていうのが嫌っていうのもあるけど、なんか面白そうだから調べに行こうよ!」


と、零奈な半ば強引な返答によりギルド集会所に行くことになった。

この国ドレイド王国の集会所は世界でも有数の写鏡があり、わざわざ国外から冒険者登録をしにくる人もいるのだそう。


王城と反対側に市場街を挟んで奥には大きな建物がある。そこが集会所だ。


「大きいね〜、すご〜。」


「東京ドームくらい…か?見たことねえけど。」


とりあえず、どれくらいの大きさなのかはっきりと説明できないが、大きい。

扉も大きい、超高身長な男でも余裕で立ったまま入れるくらいだ。勿論のことだがその分扉は重かった。


「こんにちは〜!依頼なら掲示板に、お食事なら左側のテーブルをお使いくださ〜い。」


綺麗な女性が忙しそうにしながらも出迎えてくれた。


「あの、写鏡っていうものがあると聞いてきたのですけれど、私たちでも使用することってできますか?」


闘熾がぽけーっとしている間に零奈は聞いてくれていた。


「あ、写鏡は二階にあるので、そちらにいる受付嬢に説明聞いていただけると使用可能ですよ〜。」


零奈と闘熾はありがとうございますと、深く礼をして二階に向かう。


「こんにちは、新しいスキルの取得はこちらで受付けております、写鏡御使用を希望されるのであれば奥で受付しております!」


軽く会釈をして奥に向かうと、そこには大きな鏡があった。おそらくあれが写鏡だろう。人が10人は余裕で入るくらいの面積がある。 


「こんにちは、こちら写鏡の御使用を受付けております。ご希望されますか?」


お願いします、とひと通り説明を受ける。簡単にまとめると、それぞれのステータスウィンドウで見れる情報を詳しく可視化して、今後の成長までも予測することができるみたいだ。ほかにも、先ほど言っていたユニークスキルを確認できたり、自分の得意な属性を見れたり、今後スキルポイントの振り分けで取得できるスキルを確認できるものらしい。


2人は写鏡の前に立ち、言葉を発する。


「写鏡よ、我を写したまえ!」


そういうと、写鏡には多くの情報が写し出された。

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双災の勇者〜小さな勇気を君に紡ぐために〜 神崎龍夜 @kanzakiryuya

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