第5話 謎の女

 ーlv.4に到達ー


「やばい、腕が…上がらない…。」


「私も無理…もう限界っ…。」


 2人は草原に倒れ込んだ

 腕が悲鳴を上げるのも無理はないだろう。昼間から何も食べずにひたすらモンスターを倒していたのだ

 気がつけばもう空は夕方を知らせていた


「夕焼け空、綺麗だね。学校生活とか忙しすぎて空をゆっくりと見る時間もなかったや。」


「確かに、俺もそうだな。一生このまま寝ていたいくらいだ…。」


「ステータス」


 荒宮闘熾lv.4 exp2/75

 ➖攻撃力 31

 ➖防御力 27

 ➖魔力 21

 ➖魔法防御 24

 ➖幸運値  28


「あれ、幸運値はあまり上がらないんだな。初日でレベル4なら割といい感じじゃないか?」


 …しばらくすると遠くから足音が聞こえて来た

 2人は立ち上がって確認しようとする気にすらならなかった


「…問おう、あんたたちが勇者か?」


「ん?だったらどうした?早く世界を救ってくれってか。」


「ふっ、本当に世界を救うつもりなら早くした方がいいわね。少し見劣りしたわ。あんたたちみたいなのが勇者だなんてね。」


 なんだろうこの感じは、なにか良くないことを感じている気がする。この女は誰だ?国王の隣にいた女の声によく似ている気がする。

 ただ、その時は声が小さかったから確信はできなかった。


「あんた、誰だよ…。」


 その言葉を聞くと女は不気味な笑みを浮かべ


「今は教えられない、時が来ればわかるわ、それじゃあその時まではお別れね。さようなら、勇者のお二人さんっ。」


 そう言い残すと女は消えていた。

 本当に誰だったのだろうか。2人に対する忠告か、宣戦布告か。それともただの皮肉を言いに来たのだろうか。敵が味方かもハッキリしなかった

 ただわかったことが一つある


「あの女、何かを恐れている感じがした…。何に対してかはわからなかったけど。」


「恐れる?よくわからないことだらけだな。とりあえず声は覚えておこう。」


 2人は疑問を植え付けられたが、考えても答えが出ないと分かり、考えるのをやめた。

 街へ戻って宿に泊まった。晩ご飯も食べてやっとの休憩だ。


 こうして2人の勇者の1日目が終わった

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