第25話 大華連邦、皇国再侵攻2
皇国SS-62星系、
SS-62-a
機動力の低いホーミング機雷では、近接防御力の高い艦に対してはあまり効果がないが、L1付近に敵をなんとか誘導し、さらに運が良ければ、数隻の敵艦を撃破することもできるかも知れないという程度の物である。
人工惑星に駐留する第38艦隊司令部では、大華連邦の艦隊が現れた場合、消極戦闘により、極力消耗を避け、主力の第3艦隊が救援に現れるまで持久していく方針である。
改修なった
『今回、敵は2隻の攻撃機母艦を繰り出します。攻撃機の発艦を許してしまいますと厄介ですので、攻撃機が発艦する前に母艦を撃破します。母艦を撃破してしまえば後は簡単に敵艦隊を殲滅できます。
大華連邦宇宙軍第3艦隊
巡洋戦艦×2
攻撃機母艦×2
重巡洋艦×8
軽巡洋艦×8
駆逐艦×32
+高速補給艦×3
『侵入した敵艦隊の後方にジャンプアウトし、初撃、第2撃で攻撃機母艦を撃破後順次敵艦を撃破し、最終的に高速補給艦の中の給兵艦一艦を残し殲滅します。今回はTUKUBAに陸戦隊を搭乗させていますので、この給兵艦を
『
特殊戦指揮官、特殊部隊将校、特殊部隊員、および陸戦隊員を皇国各地からリクルートし、合わせて一個小隊相当50名をすでに確保している。今回その50名の中から、10名を選抜し、対艦切り込み戦要員として、二基の対艦突入ポッドごと、切り込み戦用に改修した
敵の侵入が予測される時刻まで、あと数分。
「ワンセブン、今回も、頼んだぞ」
『了解』
……
『
「それじゃあ、TUKUBA、全兵装使用自由」
『1番、特殊砲弾装填、反物質充填開始。……充填完了』
『2番、特殊砲弾装填、反物質充填開始』
『
一瞬の軽いめまいと同時に、モニター上の周辺宙域を表す宙図が竜宮星系のものから剣星系のものに切り替わった。至近に赤い点がかなりの数モニター上に映し出されており、赤い点群の前面にはアステロイドベルトが迫っている。
『
『2番、充填完了』
『3番、特殊砲弾装填、反物質充填開始』
『1番。目標、敵第1母艦。照準良し。第1射、発射』
『2番。目標、敵第2母艦。……照準良し。第2射、発射』
『……、3、2、1、ジャンプ』
次にTUKUBAの現れた場所は、いつものように、アステロイドベルトの中だ。
『3番。目標、敵第1巡戦。……照準良し。第3射、発射』
『第1射、着弾。質量拡散確認。敵第1母艦、撃破しました』
『第2射、着弾。質量拡散確認。敵第2母艦、撃破しました』
……
『1番、弾種、
『敵第3輸送艦に対し、降伏勧告を行います』
『第54射、着弾。質量拡散確認。敵第2補給艦、撃破しました』
『敵第3輸送艦、降伏勧告を受諾しました。機関を停止した模様です。TUKUBA、敵第3輸送艦に接近します』
『突入隊員は、突入ポッドより連絡艇に移乗して、敵艦の接収を急ぐように』
【補足説明】
給兵艦:ここでは、砲弾などを運搬する艦種として取り扱っています。
対艦突入ポッド:5名程度の人員を乗せた砲弾型のカプセル。射出後、自走加速し対象の艦船の非装甲部分に目がけ高速で突入する。突入時の破口より切り込み隊員を対象艦船に流し込む。
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