第75話 無双
ポシルの念映を通じて、屋根上の僕にアジト内の映像が送られる。
崖の中に入った狭い隙間の先に鉄格子の扉が設置され、その先には見張りが道を塞ぐように待機し警戒していた。
さすがに斥候が見破られた後だからか、怠けることなく警戒をしている。
薄暗い入口付近に気配は一つ、その先には40人以上の気配が感じられるが、10人程一箇所に固まっている。
《これは攫われた人たちかな。見張りはこの配置だと2人か、奥に行く前に見張りだけでもどうにかしないとね》
「がっ」
鉄格子の奥の見張りが小さく声を出し倒れる。
『マスター。鉄格子の開錠と見張りの制圧完了しました』
ポシルは透明のまま見張りの喉元に触手を突き刺し、倒れる音を消すように崩れる体を支えながら見張りを横倒しにしている。
「うん。ありがとう。たぶん盗賊32人に捕虜12人だね」
『行きましょうマスター』
…………結果。
盗賊討伐は呆気なく終わった。
そりゃそうだよ。
上位ゴブリン合わせて200体以上を、ほぼ無傷で制圧できる戦力が、冒険者崩れの盗賊30人相手に苦戦するはずもない……。
ちなみに今のステータスは
【Name】 タカヤ
【age】 18歳
【職業】 (1.魔術師・暗殺者(転移者) 2.自由人 )3.魔物使い
【Lv】 24
【HP】 490/490
【MP】 4120/4120
【力】 180
【体力】 155
【器用】 180
【知力】 145
【素早さ】245
【魔力】 345
【スキル】
ノーマルスキル
剣術<Lv6>斧術<Lv1> 棍術<Lv1> 弓術<Lv2> 格闘<Lv2> 盾術<Lv3>気配察知<Lv6> 気配遮断<Lv4> 採取<Lv4> 回避<Lv4>投擲<Lv2>
身体強化<Lv4>魔力操作<Lv3>→<Lv4> 魔力感知<Lv2> 魔力還元<Lv3>
全属性魔法<Lv4> 解体<Lv2> 罠回避<Lv2>
モンスターテイム<Lv2>→<Lv3>
麻痺耐性<Lv4> 打撃耐性<Lv3> 斬撃耐性<Lv2> 威圧<Lv2> 豪腕<Lv2> 統率<Lv2> 連携<Lv2>
オリジナルスライム♯定着
【Name】ポシル
【age】0
【Lv】14
【HP】 1482/1682
【MP】 1265/1265
【力】 402
【体力】 311
【器用】 244
【知力】 215
【素早さ】223
【魔力】 271
【スキル】
ユニークスキル
吸収
迷彩化
ノーマルスキル
分裂体<Lv4> →<Lv5>魔力操作<Lv3> 魔力感知<Lv3> 衝撃耐性<Lv4> 全属性耐性<Lv2> 硬化<Lv4> 採取<Lv3>NEW
薬生成<Lv5> 念話・念映<Lv3>回避<Lv2>心眼<Lv2>毒耐性<Lv1> 麻痺耐性<Lv1> 盲目耐性<Lv1> 睡眠耐性<Lv1>
混乱耐性<Lv1>
僕の方はこの数日間は、スキルやレベル上げというよりも基礎的な動きを重視して行動。
いつの間にか、モンスターテイムのレベルと魔力操作のレベルも上がっていた。
ポシルは、分裂体のレベルと採取のスキル取得&レベルアップをいつの間にかしている。
聞いてみると、分裂体のレベルアップはここ最近、分裂を散らばせていたのが原因らしく、何も分裂体を作らなくても分裂だけでも経験値は入っているとの考察だった。
「あれ?今更だけど分裂って自我ないんじゃない?分裂体だとLvの乗数だったよね?」
『はい。マスター分裂の子達には自我はないですが、簡単な命令を与えて行動させることは可能ですよ。元々囮で切り離すものなので、見つかった時や見つけた時に状況をこちらに送って来ます』
あぁそうか。だからスライム捜索とか店探しとかが可能なのか。うちのポシルさん。ほんと万能……。
ちなみに、採取はあれだ。
馬車とか肩の上から素材を見つける度にシュバって触手が伸びてたし、相当取り込んでたんだと思うよ。Lvも3になってるし。
でもあれビクってなるんだよね。唐突に触手が肩から伸びてたし。
そしてこれが盗賊のステータス
【Name】 ゲースル
【age】 35歳
【職業】 1.槌戦士※槌使いLv30後クラスUP 力に補正
【Lv】 32
【HP】 240/240
【MP】 45/45
【力】 325
【体力】 160
【器用】 55
【知力】 55
【素早さ】70
【魔力】30
【スキル】
ノーマルスキル
槌術<Lv3> 悪食<Lv2> 毒耐性<Lv1> 統率<Lv1> 鍛治<Lv1>
【Lv】 20
【HP】 180/180
【MP】 30/30
【力】 150
【体力】 100
【器用】 40
【知力】 35
【素早さ】55
【魔力】25
ボスは、レベル32の槌使い。
完全なパワーファイターだったけど、ポシルに敵うわけもなく撃沈。
悪食とか毒耐性とかちょっと同情しそうなスキルがあったけど、盗賊はいけません。
手下は、平均20くらいで剣術<Lv1>とか斧術<Lv1>とかあったけど、総じて強くはない。
まぁそんな感じで、道中ほとんどポシルさん無双で、先行するポシルが透明のままバッサバッサと突き倒しては進み、突き倒しては進み。
結果、盗賊達は全くアジトに踏み込まれたことに気付かずに全滅。
新しい防具の出番も殆どなく、結局ここまでの移動が便利でした。という始末。
元々神出鬼没で奇襲がほとんどだったって言うし、正面きっての戦いはこんなものかな。
だけど、ボスが統率スキル持ちってだけで、盗賊と言ってもかなり組織立って動いていたのがわかる。
それだけに、峠での被害が大きかったのも頷けるな。
「まぁ逆に奇襲受けるなんて考えても見なかっただろうね」
『はい。このアジトは入り口も狭く大勢で踏み込みづらいですからね。攻め込まれても対処できる自信があったんでしょうね』
ポシルが肩の上で小刻みみ体を揺らしながら体をを擦り付ける。可愛い奴め。
ゆっくりと体を撫で征圧済みの牢屋のある空間へ向かう。
「さてどうしようか。この人たち……」
そこにいるのは12人の男女。ボロボロの洋服をきた身長30〜40cmくらいの小人達だった。
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