第16話 そのステータスは魔術師です。

「おー初めての職業取得だ!魔法を覚えた事がトリガーになったんだろうか。少し補正が付くみたいだ」


 早速職業を変えてみようか。

【ステータス】


【職業】 (1.無職(転移者) 2.自由人 )3.魔物使い


 ステータスを呼び出し、無職のところを意識する。


 無職

 魔術師


 おっ増えてる。このまま魔術師を意識して……


【職業】 (1.魔術師(転移者) 2.自由人 )3.魔物使い


 おおーできた。

 これで、魔術習得が少ししやすくなるんだな。


 じゃあ次は風属性だ。水魔法同様に魔力を練る。手のひらへ魔力を集中し、扇風機をイメージし風を送る。


【扇風】


 一定の風が手から放出され、こちらも魔力を上げる。もしくは扇風機の強ボタンを押すイメージをすると風が強くなった。


 さすがに室内ではこんなものかな。風も色々使えそうだね。


 ピロン!

 風魔法<Lv1>

 ※風属性の魔法。Lvに応じた送風量。風魔法制御に補正。風魔法威力に補正。


 順調順調。

 次は光属性かな。光は治癒魔法も派生するみたいだけど、今回は普通のライトで試してみよう。

 怪我もしてないしね。


 今回のイメージはLEDライトだ。向こうではキャンプによく行ってたから、キャンプ用品のイメージは凄いしやすい。


【ライト】


 200ルーメンほどの光量をイメージし、ソフトボール大の球を浮かせる。そのまま固定も出来るし、頭の上で一緒に移動も出来る。

「よし。いい感じのライトが出来た。もう少し強めれば、夜の移動とかダンジョンでも大丈夫だ」


 ピロン!

 光魔法<Lv1>

 ※光属性の魔法。Lvに応じた光量。光魔法制御に補正。光魔法威力に補正


 あとは明日以降、外でかな。

 明日のスズネとの待ち合わせは7鐘か。

 その前までに1時間訓練所を借りてやろう。6鐘なら人も少ないだろうし。


 さて今日は疲れた。

 ステータスの確認だけしてもう寝よう。

 今日一日で、いっぱいスキル覚えられたし満足だ。


【Name】 タカヤ

【age】 18歳

【職業】 (1.魔術師(転移者) 2.自由人 )3.魔物使い

【Lv】 2

【HP】 50/50

【MP】 420/560

【力】 40

【体力】 30

【器用】 70

【知力】 70

【素早さ】60

【魔力】 120



【スキル】

 ノーマルスキル

 剣術<Lv3> 斧術<Lv1>

 気配察知<Lv4> 気配遮断<Lv2>

 採取<Lv4>

 回避<Lv2>

 身体強化<Lv1>

 魔力操作<Lv1> 魔力感知<Lv1> 魔力還元<Lv1>

 水魔法<Lv1> 風魔法<Lv1> 光魔法<Lv1>

 モンスターテイム<Lv1>


 なっ!なんだこれ……。


 確かに色々スキルは取得した。

 したけども。MPと魔力値が凄いことになってるぞ。


 なんでだ?職業の補正以上だろこれ。


 考えられるのは、各魔法スキル取得による補正。

 これがMPと魔力に影響した?

 でも解析でもこの2つへの影響については、書いてなかった。


 そういえば、ステータスに解析をかけてなかった。


 MP

 ※マジックポイント 体内の残魔力 現在細胞内魔力活性中


 魔力

 ※魔法発動に影響 攻撃力 個数 速度 範囲 感知などに影響


 これだ。

 MPの細胞内魔力活性中の文字。

 おそらくこれが、MPと魔力を引き上げている。


 そうか、僕の体内は元々丹田内にある魔力分くらいしか使用できなかったんだ。


 だけど今は、体内で常に魔力を循環させ、魔力操作と魔力還元で外の魔力を体全体、細胞内まで浸透させている。


 いわば、体全体が貯蔵庫のようなものなんだ。

 面白い。自分が強くなれば、もっと魔力効率を上げられれば。もっとMPは上がる。もっと魔力は上がる。強くなるんだ。使えば使うほど貯蔵庫は広くなる。


 消費しよう。常に魔力を使おう。どれくらい変わるか楽しみだ。


 それにしても、いわば天職のはずのモンスターテイム。

 使ってないな〜。しっかり魔術師だ!


 出番あるのかな?

 まああるよな。今日はもう寝よう。おやすみなさい。


 翌日6鐘前に起床し、6鐘と同時に朝食をとりギルドの訓練所へ向かう。


 案の定この時間は誰もいない。近くに気配もないな。


 丁度いい。僕の特異性は、なるべくなら隠す方がいいだろうしな。


 さっそく、残りの属性スキル取得を目指す。


 まずは火属性。

 手のひらへ魔力を集中し、人差し指だけ立て、ガスバーナーのイメージで前に突き出す。


【バーナー】


 オレンジ色の炎が酸素を取り込みようにイメージし魔力を上げると、青白い炎となっていく。


 また。ライターをイメージして指先から魔力を放出すると、ライターのような火になった。これで火付けは楽になりそうだ。


 ピロン!

 火魔法<Lv1>

 ※火属性の魔法。Lvに応じた熱量。火魔法制御に補正。火魔法威力に補正。


 ついでに遠くに飛ばしてみる。

 よく小説やゲームであるのが、〜ボール。〜アロー。〜ストーム。あとはバレット系か。さすがにメ○とかメ○ゾーマとかはまずい気がする。


 そして言霊は一文字に込める意味が多いほど、イメージしやすい。最適なのは漢字だろう。

 一文字にしっかりと意味を持たせられる。


 イメージする。

 手の平にソフトボール大の火の玉。


 ただ燃えているのではなく。球を形作るように渦巻いている。直線的に対象に向かい、着弾と同時に爆ぜる。


【火弾】


 ドンっ!


 イメージが終わり、言霊を口にすると同時に木人形に向かい火の球が飛ぶ。


 そして、着弾と同時に小規模な爆発を起こす。


「おお〜。」

 ちょっと感動……。


 うん。出来た。メ○だな。いやそれ以上の威力…メ○ミだ。完全に。

 ファイヤーボールは長いからな。

 まぁ今なら、言わなくても出せるがやっぱり言いたいよな〜。


 うんうん。ロマンだね〜。


 さて次は土属性。土魔法は応用力があって実は一番覚えたかった魔法だ。


 手のひらに魔力を集中し、壁をイメージし地面に魔力を一気に放出する。


【土壁】


 地面が瞬時に盛り上がり、厚さ20cm高さ2m、幅2mの正方形の壁が出現した 。


 ピロン!

 土魔法<Lv1>

 ※土属性の魔法。Lvに応じた硬度。土魔法制御に補正。土魔法威力に補正。


「アースウォールって言われると思うけど、僕は【土壁】だ。できるだけ漢字を使いたいしね。良い防壁になりそうだ。」


 最後に闇属性と時空属性。正直これはどうしたら良いか難しい。後で資料室の本を漁ってみよう。


 でも一つだけ。

 僕にとっての闇属性のイメージは黒そして影、敵対する者の力を奪い吸収し、闇に紛れる。

 影となり、影に潜み、影より出でる。イメージは黒い魔力の玉そして、自分の影から先は異次元。

 そして、相手の影と繋がっている。


【影玉】!


 ドンっ!

 木人形の《影》から飛び出した魔法……。

 言霊的には『シャドーボール』が、足元から胴体部分を貫通させる。


「よしっ!できた。」

 やはり魔法はイメージだ。


 この魔法の真骨頂は、自分と相手に影が出ていれば足元から一気に射出し、着弾するということだ。

 ただ火球より威力が減っているし、影が無いと使えない。


 同じ魔力での威力の違いは、条件付けのせいだろうか。


 ピロン!

 闇魔法<Lv1>

 ※闇属性の魔法。Lvに応じた各属性のイメージ補助。闇魔法制御に補正。闇魔法威力に補正。


「各属性のイメージ補正?」


 今迄になかった説明に、意識を集中させる。


 各属性のイメージ補助

 ※適性魔法を使う際のイメージをより明確にする。ぼんやりでも覚えていれば、イメージを引き出す。


「へ〜。これは便利だ」


 これで残るは時空魔法と無魔法か。そろそろ時間だな。


 使った木人形を片付けホールへと向かう。時間は7鐘の5分前、意外といい時間になっていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る