第7章 インターンシップ 第10話
さらにスライドでは、この第一世代サーパスハンターの下に、第二世代サーパスハンターというグループが描かれており、「育成されたサーパスハンター、未知数」とされている。
柴山たちがまさにこの第二世代サーパスハンターであることは、明白であった。確かに、育成されつつあるサーパスハンターだろうし、その実力は未知数だ。
講座では、第三世代や第四世代の狩猟者から、この第二世代サーパスハンターへと多くの人材が移行してくれることを期待していると解説される。
聴講者の中には、興味や感心が深まり、質疑応答で積極的にその育成プログラムについて聞いてくる人も少なからずいた。
そんなときには、講師は簡単なコメントを柴田らに求めるようにして、育成中のサーパスハンターの声として発言させてくれた。
失敗もあるけれど、そこから学ぶことや現場で経験した実体験をかいつまんで話すだけだが、大勢の聴講者が耳を傾けてくれることが嬉しかった。
そんなこともあり、大学の先輩や後輩から誘われて飲み会に呼ばれることも一度や二度ではなかった。
そのことからも第三世代の狩猟者から第二世代のサーパスハンターへ移行したいと願う人は、決して少なくないというのが実感だった。
アウトドアサークルの先輩の中には、以前ワイルドライフマネージメント社の入社試験を受けた人もいたが、面接で聞かれた捕獲に対する考えが狩猟から脱却できずというかそれしか知らなかったこともあって、不採用となった人もいただけに、二人からは狩猟を超える科学的な捕獲とはどのようなものなのかを盛んに聞かれることもあった。
「俺は、狩猟しか経験がなかったから、射撃なんて頭で練習すれば良いと思っていた。狩猟は確かに趣味だ。その範疇でしか捕獲を考えていなかったからなぁ・・・」
と先輩は残念がったが、二人との間に生まれた考え方の差や射撃の実力差は、すでに簡単には埋められないほど広がっていた。
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