第3章 入学 第39話

 その結果は、歓迎すべきものであったが、山里に合格を報告に行った三人には、厳しい言葉が返された。


「先生、無事に合格しました」


「僕もです」


「僕も無事に合格しました」


「おめでとう。それで、点数は聞いてきた」


「僕は、実技、学科ともに満点でした」と後田が答えた。


「私も、一応満点でした」と瀬名が続いた。


「はい。実技は満点でしたが、鳥獣の判別でいくつか間違えました」という返事は最後までカモの判別で悩んでいた柴山だった。


「僕も、実技は満点でしたが、学科で一問間違えました」というのは、松山だ。


「そう。それでどんな問題を間違えたの」


「えぇ~と・・・」


「覚えていないのか。そりゃまずいなぁ」


 山里の顔には、厳しさが表れていた。決して、声を荒げてはいないが、怒っているという感情は伝わってくる。


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