第2章 迷走 第20話
「坂爪、彼は連射で二頭を捕獲するとそれは神業だって先輩から言われているらしいから、連射で三頭撃った時のことを話してやって」
「はい。わかりました。僕は、以前に山里さんが使っていた上下二連を譲ってもらって、それを使っています。上下二連は、わかるかな」
「はい。僕も上下二連を使っています」
「僕も、後田君の銃を見たことがあるのでわかります」
「そう。じゃ、一度に二発までは装填できることは分かっているわけだね」
「はい」
「さっき竹山さんが初めてシカを撃ったのと同じ現場で、やはり山里さんが勢子をしてくれていた時に、俺の前に四頭の群れがでたのね。
先頭の大きなメスを撃ったあと、二発目でその後にいた子供を撃って、両方ともその場に倒したら、その後に続いていた個体が斜面を登り始めたので、急いで弾を詰め替えて三発目を撃って倒したの。
さすがに最後の一頭は、遠くて諦めたけれど、自分でもイメージどおりできたかなって思っている」
「凄いですね・・・」
「それが、一年目だったんですか」
「いや、二年目。その年は、同じように連射で三頭というのがもう一回あったよ」
「す、凄すぎる・・・。上下二連で、弾を詰め替えてなんて、俺できないよ」
「そうかもね。でも、練習とイメージって大事だよ。山里さんからも、散弾銃での経験で、『三頭以上のシカが行ってる』て情報を無線で受けると、予備の弾を指と指の間に挟んでおいて、二発撃ったらすぐに詰め替えるということを実践していたって聞いていたこともあって、その動きを日頃からイメージしていたからこそ、さっきも言ったとおり、イメージどおりできたかなって」
「どうかな。一、二年でベテラン狩猟者以上の活躍ができるって納得してもらえたかな」
「はい。納得です」
「でも、どんなプログラムで訓練したら、そうなれるんですか」
「うん、またまた良い質問だね~」
やはり、口癖なんだろうなぁ・・・。
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