相葉からの相談
7月も近くなり、水泳の授業が始まった。
男子はウキウキ気分だ。この学校は室内プールなので、天気に左右されない。俺個人としても、水泳の授業は楽しみだ。
理由? 競泳水着の優依の姿が見えるからだよ!
まあ、優依は水泳の授業が始まると溜め息をついていた。
身体のラインが出る競泳水着は優依にとって不快な物だ。
胸が大きいことを知られないように、サラシを巻くと優依は言っていた。
個人的に残念だが。
優依のおっぱいを見て良いの俺だけだ! というわけで優依の本当の競泳水着姿は我慢だ。
……水泳の授業が無い日に、着てもらえるようにお願いしようかな。
などと考えながら、四時限目の授業が終わり、昼休みになり、部室へ行こうとしたところ俺のスマホにメッセージが入った。
優依か? と思ったら、相葉だった。
相葉:少し時間良い?
俺は直ぐに優依にメッセージを送る。内容は『相葉が用事があるみたいだから、お昼少し行くの遅れる』と。
直ぐに優依から、分かった。と帰ってきた。
俺は席から立ち上がり、教室を出てメッセージに何処へ行けばいい? と返事をする。
相葉:前に昔のバトミントン部の部室で話せない?
俺は了解と返事をして、学食の自販機で烏龍茶を購入。旧バトミントン部へ移動した。
部活棟の旧バトミントン部の部室。
既に部室は開いていた。
「相葉、いるのか?」
「いるよ~」
旧バトミントン部の部室の扉を開けながら、声をかけると先に部室に来ていた制服姿の相葉が、机に座りながら俺を待っていた。
「……相葉、スカート短いから見えそうだぞ」
「ははっ、ごめんごめん。でも、中にハーフパンツ履いてるから」
「いや、寧ろそっちの方がエロいよ」
「えっ?!」
俺の言葉に固まる相葉。相変わらず、ポニーテールが似合う肉付きの良い、スポーツ少女だな。
おっぱいも良い具合に柔らかそうだし、太もも太過ぎず細すぎない。
体操着姿は優依(彼女)が居なければ、俺はできる限りの相葉をガン見していただろう。
「相葉、男の性癖を甘く見るな。相葉は自分で思ってるより隙があるぞ」
「そ、そう、教えてくれて、あ、ありがとう」
「それで、今日はどうしたんだ?」
「えっと、先制ジャブを食らった気がするけど、明日は水泳の授業あるじゃない」
「ああ、それが?」
「その……、水泳の授業の時、競泳水着だこら見れる気がするから、男子ってどこ見てるか教えてくれる。その気をつけたいなって」
ああー、なるほど。視姦されるのが嫌だから、気を付けることにしたのか。
「少しは自分の魅力に気づいたか」
「み、魅力って! 何言ってるの!?」
少し恥ずかしそうに叫ぶ相葉。
いや、相葉は可愛いからな。属性沢山あるし。
「はぁ~、相葉。お前、本当に可愛いからな。更にエロい身体もしていることを忘れるな」
「ぐっ、分かったから、教えて。本当に気を付けたいの、やっぱり最近の薄着になったから、見られることが多くて」
「うん、暑いからな。それに気を付けるのは良いことだぞ。じゃあ、まずは」
そこから、俺は相葉にアドバイスをすることになった。
「あ、でも、俺の主観も混じってるから、参考程度にしろよ」
「分かってるよ」
俺は少し考えて、相葉に教えてやることにした。
「まず、競泳水着その物がエロいことを理解しろ」
「え?」
「スクール水着と競泳水着は違うジャンルで分けられるほどだ」
「ど、どうして?」
「ピッチリ身体に張り付き、身体のラインが出て、太股や脇などがセクシーに見えるからな」
理由はいくつかあるが、説明しても長いからな。サクッと終わらせよう。今、重要なのは競泳水着がエロいということだけで良い。
「え、それは、どうしたらいいの? 防ぎようがない気が……」
「いや、まあ、すべての男子が競泳水着をエロい目で見るわけではないからな」
「あ、そうなの?」
「ああ、無条件で競泳水着の女の子が好きなのは全体の1、2割だろ」
「ふむふむ」
おっぱいランキングの前にいくつかランキングをしていた。好きなのは衣装での投票率で、競泳水着及びスクール水着の投票率はそれくらいだろう。
もちろん、好きなのとエロいと感じるのは別だろうが。
「特に相葉は大きいから気を付けろよ」
「あ、うん」
俺が指摘すると直ぐに何が大きいのか、分かり恥ずかしそうに胸を隠す相葉に、俺は苦笑いだ。
出来るなら、相葉のおっぱいをガン見したいが、優依に悪いので我慢する。
「で、だ。授業の時にプールのレーン男女は半分に別れるけど、プールに入る時の梯子あるだろ」
「うん、あの金属の梯子ね」
「アレ、エロポイント高いよ」
「えぇ……」
何で?って顔をする相葉に俺は教えてやることにした。
「中学時代、あの梯子を上り下りする女子の後ろ姿、主に尻を見ていた奴は多い」
「尻?!」
「後、梯子を使わないでプールから上がるのも後ろから見られていると思った方がいいぞ。寧ろ、梯子より危ない」
「な、なんで?」
「上がるとき片足を上にあげるだろ。後ろから見るとかなり股を開いている姿がエロい」
「…………」
顔を赤くしながら、批難する目で俺を見てくる相葉。
いや、そんな批難されても。
ハッキリ言うけど、食い込んでかなり危ない時があった。
「ともかく、肩ヒモを直す時や股の食い込みを直す時は危ないな」
「……どうしよう」
机から下りて、頭を抱えてその場にしゃがみこむ相葉。
「どうした?」
「全部、視線を気にせずしていたなぁって」
「御愁傷様」
「……ねぇ」
しばらく何か考えていた相葉は俺に問いかける。
「ん」
「どうしたら、男子に見られない?」
無理なことを言い出したのでハッキリと教えてやる。
「無理だな」
「なんで?」
「相葉が可愛いからだよ」
「わたし、かのりガサツな女だけど? 男子と喧嘩するし」
「ギャップもあると思うが」
「ギャップ?」
「うん、元気な女の子っぽくない女の子が、ちょっとしたことで顔を赤くして照れたり」
「ぅぐっ」
「エッチなことに興味津々だったり」
「興味津々じゃないからっ!!」
反射的に叫ぶ相葉に俺はしょうがないな。と笑う。
「ま、後はいくつか教えておこう」
「う、うん、お願い」
この後、俺は相葉にプールの授業での歩き方とかタオルの持ち方(然り気無く身体の隠し方)などを教えた。
「あ、それと」
「なに? まだ何かあるの?」
「ああ、ある。……」
言う前に黙る俺に、首を傾げる相葉。
「ニップレスは付けておけ」
「……分かったわ」
「相葉のは知らないが、乳首が大きいとかなりめだ「分かったから! 言わないで!!」分かったよ」
こうして、相葉と話したお陰で部室に行く時間が遅れ、優依との時間はかなり減ってしまい。
結果、優依が拗ねて、俺は放課後の文芸部の部室で優依の為に色々と御機嫌を取る必要が産まれた。
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