今後のこと
冨澤小夜を警察につき出すか優依話し合い、優依は警察に小夜を警察につき出さないことにした。
理由は幾つかあるが、まず優依自身の被害が少ないこと。
小夜の家庭環境に思うところがあったようだ。優依も母を大事にしている。
優依的には小夜がどうなろうと知ったことではないだろうが、小夜の母親のことを考えてのことのようだ。
後は大規模に盗撮画像を売りさばいていた訳ではない。趣味と報復の為に学校内のみだった。
これで大規模にやって荒稼ぎしていたら、流石に警察に付き出していただろう。
何より、スマホで過去の盗撮犯の裁判を調べて、どれくらいの懲役や賠償をするのか確認したら、小夜は本当に気を失って倒れた。
人が倒れるの初めて見たよ。
そのあと小夜は優依から警察につき出さないと言われてガチ泣き。優依にすがり付いて安堵していたが、これから小夜はこれから罪悪感を抱えたまま、一生を生きていくことになる。胸をバカにされ一気に沸点越えたが、冷静になれやる必要はなかったはずだ。そのことを小夜は本気で後悔と反省している。
もちろん、他の被害にあった女子はふざけるな。と怒るだろうが。相葉など一部を除いて赤の他人。
贔屓だと言われるだろうが、小夜が盗撮犯だとは言わないことにする。言っても面倒だし。
ま、優依が俺に「今回やらなくても、将来盗撮で捕まりそうだけどね」と囁き、俺は反射的に吹き出しそうになった。
確かにこのまま小夜のストレスや怒りの発散方法、性癖との折り合いが見つからなければ、盗撮は十分可能性はあるな。
チラリと小夜を見る。やはり美少女だ。
男なら警察に付き出すが、美少女だからな。
なので、俺は実益も兼ねて、優依に提案した。
優依は悩んだが、許可を出してくれた。
そして、小夜にも取引を持ちかけた。
小夜は少し迷っていたが、盗撮にハマりかけているので、それの軌道修正になりえるならと、頷いた。
こうして、
「今日はよろしくお願いします」
「うん、期待しているよ。ーーカメラマンとして!」
「は、はい」
文芸部に新しい部員が増えた。
撮影技術が素人目に見ても高い小夜。
後日。俺がアニキャラのコスプレ衣装を持って、文芸部で優依に着てもらい、小夜が撮影した写真の出来に、優依と俺は驚き。小夜も会心の一枚だと言っていた。
「コスプレの撮影、楽しいですね!」
「そりゃあ、良かった」
「もっと早くに知りたかったな」
落ち込む小夜に俺と優依はなにも言わなかった。
この時、俺は知らなかった。
俺達はとんでもない化け物を目覚めさせていたことを。
後に女性コスプレイヤー達から絶大な人気を誇る女性カメコがひっそりと誕生した。
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