第103話 大好きな人
帰りの車内で大森は爆笑していた。
大森「見たか!?あの顔!キスすらまともにしたことないウブな顔!」
桃子「な!マジで傑作だったな!ってか、そういう大森は何度かしたことあるのか〜?」
大森「ああ、女とのキスなんて慣れっこだよ。何人の女と付き合ったと思ってるんだよ。」
つかさ「大森さんそんなキャラでしたっけ…」
光「恐らく私と同じだ。男よりも女のほうが恋愛対象なんだろう。私も夏海と付き合ってた時期があったぐらいだしな。」
飛鳥「はああああ!?ちょ、それいつよ!」
光「2年の9月から高校卒業までの1年半。」
大森「ひゅー!おアツいねぇ。恐らくだけどアンタとこの長野と早見も付き合ってたろうに。早見はイケメンだしな。私と同じで。」
桃子「おい!一番のイケメンは私だろ!」
飛鳥「アンタはうるさいだけ!」
車内はより大きな笑い声に包まれた。
光「つかさはさ、好きな子とか居ないのか?男でも女でも。」
つかさ「私は…。いるんだったら今凄く悲しい思いをさせてしまっているかもしれません…」
車内に少し沈黙が訪れた。
桃子「その人のためにも、頑張らなきゃな。」
飛鳥「ま、応援してあげなくもないけど!」
大森「ツンデレやめい。ほら、もう着くぞ。」
車は集合場所にしていたターミナル駅に到着した。時を同じくして、もう一台も到着した。
マヤ「お疲れ様〜!気をつけてね!」
光「今日はありがとう。また夏合宿でな。」
大森「ああ、赤井もしっかり準備しろよ。」
つかさ「はい!お疲れ様でした!」
他の5人はそのままシェアハウスで来る日にむけて準備をすることになる。光と飛鳥はヴィクトリアが提供してくれているマンションへ、桃子、マヤ、つかさはそれぞれの実家へ向かう。三人は帰りの方向が一緒なため、話は続いた。
桃子「で、つかさの好きな人って誰なんだ?」
つかさ「えー…言わなきゃダメですか…?」
マヤ「無理なら言わなくても大丈夫よ。」
つかさ「なら、マヤさんにこっそり…」
マヤの耳に手を当ててひそひそ声で好きな人を打ち明けた。マヤは恋愛経験が豊富だからだ。
桃子「えー!私にも教えてくれよ!」
マヤ「はいはい、この話は終わりにしましょ。つかさもそんなに気負いする必要ないから。いつも通りにやっていけるはずよ。」
電車は千葉駅に到着し、マヤは2人に別れを告げて降車した。
マヤ(ちょっとちょっと!つかさも案外乙女じゃない!しかも…絶対両想いでしょ!)
顔を赤くしながらマヤは改札を出た。
桃子「気になるなぁ…。」
つかさ「結ばれたらまたお話ししますよ。」
桃子「本当か!?上手くいくといいな!」
桃子はつかさの肩を抱き寄せて頭を撫でた。
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