第99話 夏に向けて
後藤「さて、もうすぐ7月。夏休み前には県大会が控えている。つばさ、愛子、千景も戻ってきたことで士気もだいぶ上がるだろう。今大会も同じく上位2校が関東大会に進出する。ただ順調に進めばだが…準決勝で日大船橋と再戦することになりそうだ。」
選手はざわついている。勿論、どちらかのチームは関東大会に進出することができないからである。
千景「俄然燃えてくるね。私も彼女らの強さを実感したいと思ってたよ。」
後藤「そうだな。そして、県大会の選抜メンバーをここらで発表しようと思う。今回から24人まで選出ができるようになった分、補助メンバーの制度をなくした。」
県大会選抜メンバーは以下の通り
GK:愛子 美羽 メアリー
DF:真希 樹里 悠香 雛 真帆 美春 沙江
佳代
MF:花 柚月 伊織 萌 仁美 咲 梨子
つばさ 珠紀
FW:千景 瑞希 雅 凛
後藤「初戦、つまり3回戦の対戦相手は佐倉北か湾岸稲毛・君津東の連合チームのどちらか。格下とはいえ気をつけたいな。早速全体練習に取り掛かろう。」
全体練習では、フォーメーションを意識したゲーム形式やセットプレーなどが進められた。練習終わりに後藤は真帆と萌を呼び出した。
後藤「君たち以外の9人の選手は全員日大船橋に移ったそうだが、この前の火野以外の選手の情報も教えてほしい。」
真帆「まず、先日試合に出ていたのは火野を含め5人でした。後ろのポジションから順番に説明させてもらいますね。」
背番号3 CB 名取望実(なとりのぞみ) 165cm 空中戦に無類の強さを持つ。左利き。夷隅高校では副キャプテンを務めたリベロ。
背番号6 SB 茨このみ(いばらこのみ)158cm 攻撃的SB。100m13秒台の俊足。右利き。攻撃では右サイドではクロスを、左サイドではシュートを主に使う。
背番号9 OMF 畔上希(あぜがみまれ)
162cm 右利き。パスの精度が高く、ロングパスでも味方がシュートに繋げやすいボールを前線に送り込む。競り合いも強い。
背番号7 SMF 酉野瑠璃子(とりのるりこ) 159cm 左利き。中盤全体に展開して幅広くチャンスメイクをするダイナモ。パサーだけでなく、アタッカーとしてもピッチを駆け回る。
背番号11 CF 火野亜梨沙(ひのありさ) 164cm 右利き。ゴールの嗅覚に長けているストライカー。伸びのあるシュートが持ち味だが、大振りしがちで外す事もしばしば。
背番号13 GK 相澤胡桃(あいざわくるみ) 170cm 右利き。夷隅での枠外シュートのストップ率は驚異の96%。止めるだけでなくロングフィードや攻撃に切り替える技術も一級品。
背番号12 CB 大石紅(おおいしべに) 161cm
右利き。名取とのコンビでボールをゴールから遠ざける強力なスイーパー。時にはGKより後ろで守備をすることもある。
背番号4 SMF 門田侑里(もんでんゆうり) 155cm 右利き。基本的には茨と同じサイドで起用され、彼女とはアイコンタクトで会話ができる。トリッキーなテクニックが持ち味。
背番号10 DMF 春日井真緒(かすがいまお) 165cm 左利き。夷隅では絶対的中心人物のキャプテンだった。U17日本代表に飛び級で選出された実力を持つ。CFからCBまで熟すオールラウンダー。
萌「特に、私は春日井と一緒にDMFをしてましたが、安定感で彼女に勝る選手は恐らくいないです。」
後藤「なるほどな。逆に聞くが、夷隅のときの弱点などはなかったか?」
真帆「強いて言うなら、カウンターに弱いことでしょうか。セットプレーは無類の強みでしたが、基本的に失点はそこからが殆どでした。崩されて失点はなかったと記憶しています。」
後藤「夷隅の話とはいえその情報は有難いな。本番までに策を練ろう。」
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