第9話 作戦会議

翌日

広瀬『それじゃ、幕張南のデータを解説します。4年前に総体で優勝してます。それ以降の大会は準優勝かベスト4まで進んでます。昨年の総体は日大船橋に敗れてベスト4。攻撃型のチームとなってます。』

吉沢『危険選手は何と言ってもCFの3年天王寺。昨日の試合では4点を挙げていて、昨年の冬の大会では準優勝止まりだったものの、5試合で19点を挙げています。そしてOMF2年の湯本は昨年、一年にしてアシスト王。両SMFの千葉と加藤はかなり俊足で昨日の試合はお互い2アシストずつ。DMFの1年コンビである市川と藤原も積極的に攻撃参加をしてきます。ただ、前年度はGKとDFも強固でしたが、全員三年だったので今年は警戒しなくても大丈夫です。』

光『あと、私が知っている選手を1人。スーパーサブの50番、伊東も警戒しろ。後半10分だけで3点差をひっくり返したという記録もある。』

後藤『相手の攻撃を耐えて、カウンターやセットプレーでゴールを奪う。そうすれば必ず勝てる!』

チームは早速練習を始めた。10分ほどしたとき、後藤は光・飛鳥・桃子を呼び出した。何かを話しているようだ。

伊織『つかさ、足が止まってるよ。』

つかさ『あ!ごめんなさい』

悠香『気になると思うけど、ミーティングできっと話すわよ。』

優香の言った通り、練習終わりのミーティングでそれは話された。

後藤『早いがスタメンを発表させてもらうぞ。今回は5-4-1だ。』

選手間でざわめきが起こる。普段3-5-2や4-5-1というポジションをしている中でいきなり5バックという試みをしたからだ。

後藤『はい、静かに。それじゃスタメンを発表するぞ。』

スタメン・ベンチ入りは以下の通り。

GK 1 夏海

SW 2 光

CB 19 雛

CB 4 樹里

LSB 5 悠香

RSB 13 真希

DMF 6 マヤ

DMF 8 亜紀

CMF 9 桃子

OMF 3 飛鳥

CF 10 つかさ


ベンチ入り

7 かれん 11 千景 12 愛子 14 花 15 美春16 柚月 17 梨子 18 伊織 22 咲


つかさ『え!?飛鳥さんが私の後ろ!?』

光『さっき話してたのはこのことだ。言わずもがな、飛鳥は県内でもトップクラスのスピードがある。』

後藤『つまり、カウンターでつかさ、飛鳥、桃子が点を取るという感じだ。その他は全員守りに徹する予定だ。』

広瀬『幕張南の攻撃力を考えればこの戦術が最善策だと判断しました。』

吉沢『基本は桃子さんまでの後ろで回して相手が引きつけられたらカウンターという感じです。』

愛子『最悪、PKに持ち込めれば大丈夫という感じですか?』

後藤『そういうことだな。あと、この作戦だと当然観客からはブーイングが起こる。しかし、誰もそれにショックを受けたり、反発はするな。分かったな?』

全員頷く。

後藤『よし。じゃあ、明後日絶対に勝ってベスト8に駒を進めよう!』

全員『オー!』

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