第8話興腺会 畑中譲二

河川敷の土手の上に、一台の黒塗りのセダンが止まった。


中から二人の男性がこちらに降りてきた。


一人は、金色に染めた少し長めの坊主頭に黒地の長い柄シャツ。下は学生ズボンに耳にはピアスを何個もつけていた。


もうひとりは、黒地のストライプのスーツに、2、3こシャツのボタンを開け、その空いたスペースからは、和彫りの刺青がチラチラと見えていた。

年は、30代後半位だろうか。


「おい、山田。お前何やってんだ?」


「あ、はい、お疲れ様です」


山田は怯えているようだった。


「今日は、興腺会の畑中さんが、直々にきてくれてんだ。わかってんな」


うう…

畑中だ…

や、ヤクザだ…



「おい、山田。そいつらは?」


「あ、はい金田さん。こいつらピクシーに連れていこうと思って…」


「おい、お前」


「はい?ぐわっ…」

山田はいきなり畑中にみぞおちに蹴りを入れられた。

他の二人それを見て何がなんだか分からない様子だ。


「その名前出すんじゃねーよ」


「す、すいません…」


「金田」


「は、はい」


「お前が行けや」


「わかりました」


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