第10話 新しい服

「あ、そうそう。貴方の新しい服、クローゼットに入れておいたのだけど確認してくれた?」

「……あの黒い、軍服。」

「うん、それ。今から外に行くから着てほしいんだけど……あ、嫌なら着せてあげる♪」


 何やら身の毛のよだつ事を言われてしまったので伸びてきた腕に掴まる前に寝室へ逃げ帰り、足早に着替えてリビングに戻る。


「うんうん、サイズは大丈夫そうね。お顔、見たいなぁ♪」


 抵抗も悲しくフードが取られ、ペタペタと触られて怖く、気持ち悪い。


「黒を基調にした重装暗殺兵。衝撃を与える事で硬化し、内側はクッション性と通気性を発揮。防弾チョッキも特別製で鮫に噛み付かれても、虎に噛まれても大丈夫。雨や毒をも弾くわ。仮に貴方以外の誰かが無理に脱がそうものなら生地の裏に仕込んであるサバイバルナイフ型手裏剣が18枚投射され、フードが外れれば毒ガス放出。その手袋で岩を砕いても傷付かない。そのブーツも然り。靴下もだし……ローブは重くて厚いのをチョイスしたの。フードも特別製でハンマーで殴られても大丈夫。」


 ……?


「なら……何故、お前は毒ガスを喰らわなかった……?」

「私には打たないように作られてるから♪さ、行きましょう!」


 グイグイとフードを親切にもフードを深々と被せてから遠慮なく、加減なく腕を引いていく。


「ど、何処に行く気だ💦」

「城下町♪私も着替えるから私の部屋で待っててね♪あ、見たかったら……見せてあげるよ?」

「断固拒否。」

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