第4話 奪う

「ヤッホー♪」

「陛下、おはようございます。」

「おはようございます、陛下。彼女でしたらまだお休み中ですが順調に回復しております。」

「会っても?」

「「勿論。」」


 室内に入り、部屋の奥にあるベッドでクッションと浮精に囲まれて、あちこちから伸びる管が繋がっている彼女が居て、顔色はかなり良い。


「キュ?」

「クー!」

「皆、引き続きこの子をお願いね。」


 少女の頬に優しく手を添えて撫でるも薬が効き過ぎてピクリともしない。

 次起きた時の反応が楽しみね……♪


「閣下。」

「は~い?」

「少し予定より早いですが、目覚めます。」

「おっ♪」


 頬を優しく撫でているとピクリと反応し、ゆっくりと目を開ける。


「おはよー♪大丈夫かな~?」


 目を覚ましたは良いが薬がよく効いているらしく、ユラユラと揺れる少ししか開いていない目が泳いでいる。


「薬は何を打ったの?」

「睡眠薬、弛緩剤、栄養薬です。ただ、前者2つはかなり強力で……。」

「そう。……ねぇ、記憶を奪ってしまう事も可能―――」




 「奪う」と言う言葉で意識がはっきりし、殴ろうとしたはずなのに満足に体が動かない。


「あ、おはよう~♪」

「く、来る……なっ……!!」


 舌が回らず、体すら満足に動かせないまま馬乗りされ、口を無理矢理にこじ開けられたかと思うと飴玉のような物を入れられる。

 っ……!!


「さ、飲んで♪」


 今度は水を飲まされ、何を飲まされたのか分からない。やっと体が動くようになり、逃げようと暴れるも全く抜けられそうにない。

 早く、早く―――


「ねぇ、」


 女帝を何とか突き飛ばし、ベッドから飛び降りた所までは良かった。

 う、え……?

 頭がぼーっとし、視界がクラリとして倒れる直前に私と床の間に沢山のクッションのような物が割込み、そのまま動けない。何とか女帝を睨みつけると、ニンマリと悪魔のように微笑まれる。


「うん、よく効いてる。まだ貴方の部屋を用意出来てないのよ。用意が出来るまで動けない状態で居てもらわなきゃ……♪」


 部屋……?


「貴方が所属していた国を潰して、晴れて私の物。お洋服と首輪も用意してあげるからね♪」


 文句を言おうと口を開くも体が更に熱くなり、女帝の手により視界を塞がれ、ガクリと力ごと意識がなくなった。

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